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「500 KOBE ACCELERATOR デモデイ」レポート

AI×ヘルステックでの事例が多数 神戸発国際アクセラレーション

熱中症対策となる深部体温測定デバイス
株式会社HERBIO

 ブルーカラーを中心に大きな問題になっている労働者の熱中症対策となる深部体温を、違和感無く測定できるウェアラブルデバイスを開発。

 熱中症の原因である深部体温の上昇は、通常の体温計や機器だけではモニタリングするのは難しく、作業にも違和感が生じる。HERBIOでは基礎体温で女性の健康を管理するツールを開発しているが、1年前から深部体温を計測できる研究を始め、直径4cmほどのウェアラブルデバイス「Picot」を開発した。

 ヘソに貼るだけで長時間安定した計測が違和感なくでき、対策支援や分析予防を行なうパーソナライズ熱中症対策システムとあわせて月額800円で提供している。さらに熱中症および低体温症の予防を目的としたモニタリングの実証を検討するなど、体温で命を救う研究を今後も進めていくとしている。

医療介護を支援するAIロボットシステム
株式会社シャンティ

 人材が不足する医療介護の現場でスタッフをサポートするAIロボットシステムを開発している。

 診療の前に必要な問診や説明を行う業務にかかるコストをロボットで代替。コストは初期導入費50万円、月額1.5万円で、すでに21の病院に導入されている。プログラム参加中も導入先が10施設増え、今後は大手製薬会社を通じて発売されることが決まっている。Papperやロボホンなど国内で発売されているコミュニケーションロボットにも搭載可能。

 また、ロボットシステムとは別にMR技術を活用した「上肢障害者向けMixed Realityリハビリテーションシステム」を開発しており、病院連携相談窓口を活用した医療機器認定を視野に入れた実用化を進めている。

医療機関の事前問診ができるAI対応システムは国内で発売されているコミュニケーションロボットであればいずれも搭載可能

 デモデイではこのほかにも、がん健診の通知はがきをメールで自動化するクラウドサービスを開発するケイスリー株式会社や、医療領域など専門分野にも対応できる品質の高い企業向け英語学習サービスをAIとネイティブスピーカーのハイブリッドで提供する米国のNative English Institute といった、直接ではないがデジタルヘルス市場に関連するスタートアップも登壇していた。

Native English Institute の英語学習サービスは医療機関などで使用する専門的な英語の学習ができる

HERBIOとシャンティは神戸医療産業都市との連携を発表

 イベントにて、500 Startupsのマネージングパートナー Bedy Yang(ベディ・ヤン)氏は、神戸市のリーダーシップにより15チーム中8チームがヘルステック領域から参加したことを紹介。神戸産業医療都市との連携でも成果をあげており、資金調達や海外進出などでシリコンバレーと神戸市の両方で支援を続けるとしている。久元喜造市長は、神戸市で実施している国際的な起業支援活動や拠点を紹介し、ビジネスの発展につなげてほしいとコメントしていた。

500 Startupsのマネージングパートナー Bedy Yang(ベディ・ヤン)氏は神戸市のリーダーシップによりヘルステック領域のスタートアップ支援を実現したと話す

神戸市の久元喜造市長は4期目を迎えたプログラムをほかのプロジェクトとあわせて発展させていきたいとコメントした

 なお、参加したスタートアップのうち、HERBIOとシャンティは神戸医療産業都市との連携を発表しており、Native English Institute は神戸市内に本社設立を決めている。他にも実証実験や医療機関の紹介など、具体的な成果が出ていることから、次回もヘルステック分野スタートアップの募集に引き続き力を入れる可能性がありそうだ。

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