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リモートワークの「作法」と「気づかい」

2020年04月24日 09時00分更新

●作法と気づかい

 英国出身で茶道をたしなむ友人は「自分の国での紅茶の淹れ方はおいしく飲むためのものだが、茶道はそれそのものが意味を持っている」と文化の違いをわかりやすく説明してくれます。道具、所作、その一つ一つから伝わってくる機微は、お茶を点てる側も、頂く側にとっても、貴重なものとなります。

 そうした文化の奥深さは大きな価値だと感じる一方で、これを様々な日常に持ち込みがちなのも日本人、あるいは日本社会です。

 たとえば、ツイッターで「FF外から失礼します」という言葉を見かけます。確かにフォローしあっている関係以外の人から急に話しかけられるとびっくりするので、一言断りを入れようという配慮かもしれません。

 ただツイッターの仕組み上可能になっている機能にちょっとした配慮を加えたところまでは良いのですが、それがマナーとなり、いつの間にかルールと認識されるようになり、トレースすべき所作となっていきます。すると「FF外……」の断りを入れないのは失礼な人だ、となっています。

 筆者みたいに、割と細かいことを気にしなくていいや、と思っている人からすれば、いつの間にかできたルールで急に叱られる、みたいな事態にも発展するのですが、「その本質って何だっけ?」と思うわけです。もともとは「ちょっとした配慮」だったのに、むしろその配慮をすべきと、気を遣わせていては本末転倒、というわけです。

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