第291回
ASUS、Lian Li、Thermaltake、SilverStone、EASYDIY製品をチェック
ライザーケーブルでグラボの性能は落ちるのか?現行7製品で検証
検証環境と今回用意したライザーケーブル
それでは今回の検証環境を紹介しよう。ベースシステムはRyzen 9 3950XとX570マザーボード、ビデオカードはGeForce RTX 2080 Tiを準備した。ライザーケーブルによって信号伝送が劣化した場合、ハイエンドGPUのパフォーマンスにどの程度影響が出るのかを比較してみたい。なお、今回の検証はすべてバラック組みで行なっている。
検証環境 | |
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CPU | AMD「Ryzen 9 3950X」(16コア/32スレッド、3.5~4.7GHz) |
CPUクーラー | CRYORIG「A80」(簡易水冷、280mmラジエーター) |
マザーボード | GIGABYTE「X570 AORUS MASTER」(AMD X570) |
メモリー | G.Skill「Trident Z RGB F4-3200C16D-32GTZRX」(DDR4-3200、16GB×2)×2 |
グラフィックス | NVIDIA「GeForce RTX 2080 Ti Founders Edition」 |
ストレージ | GIGABYTE「AORUS GP-ASM2NE6200TTTD」(NVMe M.2 SSD、2TB) |
電源ユニット | Super Flower「LEADEX Platinum 2000W」(80PLUS PLATINUM、2000W) |
OS | Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」(November 2019 Update) |
そして、今回のお題であるライザーケーブルは以下のものを用意した。
ASUS「ROG STRIX RISER CABLE」
ライザーケーブルの中では後発の製品。長さは240mmとやや短めで、90度回転タイプのコネクターを採用。マザーボードやビデオカードも手がける同社製品だけあって、コネクターが金属フレームで強化された「SafeSlot PCI-E」を使っており、ノイズ低減や強度確保にひと役買っている。
同社のPCケース「ROG STRIX HELIOS」にケーブルを固定しやすいように設計されているが、この設計はビデオカードの重さを保持するためのものではない点に注意したい。ビデオカードの保持機構はPCケース側で行なう。この保持さえ確保できれば、メーカーを問わず利用できるだろう。
Lian Li「LANCOOL ONE-1X」
ライザーケーブルとそれを保持するスタンドが一体になった製品。ベース部分にはネジを入れるためのスリットが複数空いているため、底面にケースファンを設置できるタイプのPCケースならネジで固定できるだろう。
なお、本製品は同社の「LANCOOL ONE / LANCOOL ONE Digital」専用のオプションだが、ディスプレーケーブルをケース内に引き込むことができれば、メーカーを問わず利用することができそうだ。ただし、ビデオカードの荷重がスロット部分に集中するため、ビデオカードを何らかの方法でPCケースに固定し、荷重をスロットから逃がす必要がある。
Thermaltake「TT Premium PCI Express Extender Cable(300mm)」
Thermaltake製のライザーケーブルは300/600/1000mmと長いものを揃えているのだが、今回は入手性の高い300mmを用意した。コネクターとケーブルはストレートタイプになっており、ケーブルとコネクター保持基板の接続部にテンションがかかりにくいよう、樹脂製の保護パーツを追加している。そのため、カード下側にスペースがないと設置できないので注意が必要だ。
SilverStone「RC03」/「RC04」
SilverStone製のライザーケーブルは長さ違いの2モデルを確保できた。長さはRC03が220mm、RC04が400mmとなる。どちらもコネクターはストレートタイプを採用。Thermaltake製品に比べてケーブルの付け根の保護パーツが小さいため、カード下側のスペースも必要ないように見えるが、過信は禁物だ。ケーブルへのダメージを考えるとThermaltake製品と同じように、カード下に最低40mm以上のスペースを確保したほうがよさそうに思える。
EASYDIY「PCIE-FD R6 200MM-90degree」/「PCI Express Extender Cable -30cm 90 degree」
EASYDIY(またはEZDIY)というメーカーがAmazonで販売しているライザーケーブル。上記型番はAmazonの販売ページ表記準拠だが、表記ルールは製品によって違うので少々紛らわしい。長さやコネクターのタイプ別に様々な製品が揃っており、目的に応じて選びやすい上に安いというのが最大の特徴。
今回入手したのは200mmと汎用300mmの2本。どちらもコネクターは90度回転タイプだ。コネクターを実装している基板側に固定用のネジ穴はあるが、PCケース側のネジ穴と合致する可能性は低いので、PCケース側にビデオカード保持機構があることをまず確認したい。
300mmのタイプはケーブルがきしめん状のリボンケーブルを複数本集めたものだが、200mmのタイプは全ケーブルが一体化しており、黒いナイロンのスリーブで覆われている。ちなみに今回入手した200mm版は「FD R6 ケース用」とボカして書いてあるが、どうやら「Define R6」対応を暗に謳っているようである。
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