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最大クロック5GHz以上のモデルが4SKUもラインアップ

Comet Lake-Hは最大5.3GHz!Intel第10世代Core Hのi7は5GHz以上が当たり前?

2020年04月02日 16時01分更新

第7世代Core Hを搭載した3年前のノートPCと比較

 Intelの資料ではCore i9-10980HKとCore i7-10750Hの性能を明らかにしている。それぞれ第7世代Core Hプロセッサー(開発コードネーム:Kaby Lake-H)を搭載した3年前のPCと比較したものだ。

Core i9-10980HKの性能

 しかし、この資料が少々わかりづらい。「54%」というのはCore i9-10980HKとCore i7-7920HQ(4コア/8スレッド、3~4.1GHz)をPCゲーム「Red Dead Redemption 2」のフレームレートで比較した数字となる。一方で、「44%」という数字はCore i9-10980HKとCore i7-7820HK(4コア/8スレッド、2.9~3.9GHz)を総合性能ベンチマークソフト「SYSMark 2018」で比較したものなのだ。

 さらに、4K動画のレンダリングと出力時間が「2X FASTER」(=倍速い)というのもCore i9-10980HKとCore i7-7820HKを比べたもので、比較対象に一貫性がない。第7世代Core Hプロセッサー側はどちらも4コア/8スレッドで動作クロックも似ているので、基本的にはどちらでも近しい値にはなる。事実、後述で紹介する資料では同ゲームにおける対Core i7-7820HK比較でも54%の差が出ている。「Core i7-7920HQ」は単なる記載ミスの可能性もあるが、これは一体どういうことなのか。

 おそらくは同世代のゲーマー向けノートPCとクリエイター向けノートPCを用意し、それぞれのシチュエーションで比べた結果、ちぐはぐな印象になっているのだと思う。しかしながら、現在のCore Hプロセッサーを採用するようなノートPCにおいてはもはや「ゲーミング」と「クリエイター」の垣根はないように思える。そういった意味では、Core Hプロセッサーの役割は3年前から大きく変わってきたのだろう。

 話を戻そう。次はゲームごとの詳しい性能比較だ。こちらではほかの比較と同様、Core i7-7820HK搭載ノートPCと比べている。

Core i9-10980HKとCore i7-7820HK搭載ノートPCのゲーミング性能比較

 前述のRed Dead Redemption 2のほか、「Total War: THREE KINGDOMS」、「World of Tanks enCore」、「Assassin's Creed Odyssey」、「Far Cry New Dawn」の結果を紹介している。総じてフルHD環境ではフレームレートが23~54%アップしているようだ。

 しかし、よくよく資料を読んでみると、検証PCのdGPUはCore i9-10980HK搭載PCがGeForce RTX 2080 SUPERで、Core i7-7820HK搭載ノートPCはGeForce GTX 1080とあった。前者が最新のTuring世代で後者がその前のPascal世代となるが、この両者は同セグメントではあるもののその性能はだいぶ離れている。

 これはデスクトップPCのように気軽にビデオカードを交換できないノートPCという性質上、仕方のないことではある。しかし、dGPUが揃っていない状況では、この比較の性能差がそのままCPUの性能差になるとは思わないほうが賢明だろう。続いては、Core i7-10750Hの性能を見てみよう。

Core i7-10750Hの性能

 資料に記載された数字はすべてCore i7-7700HQ(4コア/8スレッド、2.8~3.8GHz)との比較となる。ゲーミングにおいては最大で44%、4K動画の出力時間では最大70%、総合性能では33%性能が良いとのことだ。ゲーミングはゲームごとの詳しい結果もあるので見てみよう。

Core i7-10750HとCore i7-7700HQ搭載ノートPCのゲーミング性能比較

 ゲームの種類は前出の3タイトルに加え、「F1 2019」が追加されている。こちらもフルHD環境でのテストで、31~44%のフレームレート増になるようだ。ちなみに、dGPUはCore i7-10750H搭載ノートPCがGeForce RTX 2070 SUPERで、Core i7-7700HQ搭載ノートPCはGeForce GTX 1070となる。

 前述の通り、dGPUが異なるのでゲーミング性能においては、純粋にCPUだけでどれぐらいの性能アップを果たしているのかはわからない。しかし、おそらくだがゲーミングノートPCの価格帯はかなり近いモデルを想定して検証していると思われる。例えば、3年前の20万円のゲーミングノートPC対最新の20万円のゲーミングノートPC、といった具合だ。

 つまり、3年前のノートPCからでもこれだけ性能アップができているのだから、その前のゲーミングモデルを使っている人は買い替えるともっと大幅な性能アップが期待できる、ということを言いたいのだろう。さまざまな要因でPCゲーム需要が伸びている昨今、そろそろ買い替えを検討している人は第10世代Core Hプロセッサー搭載PCをチェックしてみよう。

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