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ポータブルでも、据え置き機なみの高音質ネットワーク再生ができる

本日発売! CHORD「2go」のファーストインプレッション

2020年03月28日 15時30分更新

Roonの画面、中央のシグナルパス表示で384kHzにアップサンプリングして2goに出力されているのがわかる

一体化できるため、コンパクトかつ操作が簡単

 2goは多彩な使い方が可能だが、使い方はそれほど難しくない。電源はHugo 2と連動して立ち上がり、オフにすれば両方とも落ちる。一度、「Gofigure」アプリから、Wi-Fiの設定を済ませれば、あとはスマートフォンを使って操作するだけでいい。アプリから使う際のレスポンスは快適でもたつくことはない。

一体化できるため、Hugo 2との連携が簡単というのもメリットだ。

TIDALの再生画面、8Playerアプリ、下部にレンダラーとして2goが見えている

Polyから大きく進化した使い勝手

 さて、Chord Electronicsが、ポータブルUSB DACに専用で外付けのトランスポートモジュールを用意するのは“2goが初めて”ではない。過去に、Hugo 2より小型のUSB DACである「Mojo」という機種向けに「Poly」というモジュールを用意している。

PolyとMojo

 Hugo 2と2goの関係は、端的に言うと、この「Mojo」と「Poly」の関係と同じだ。しかし、Polyに比べてさまざまな点で進化が見られるのも2goの特徴だ。

 例えば、Hugo 2に2goを取り付ける際の固定方法がより安定している。PolyとMojoのときには、ここがいささか脆弱に感じられたため、ケースを加えてサポートする人も多かったが、2goではパッケージに付属する突起をHugo 2に付けてしっかりと固定する仕組みになっている。

 また、2goでは合計2枚のmicroSDカードを使用できる。Wi-Fi接続だけでなく、Ethernet(有線LAN)接続を利用することで、SSIDやパスワード設定の手間なく、手軽にLAN接続できるようになったのもPolyからの改良点だ。

 音楽再生の使いやすさにおいても改善がなされている。Polyでは“Play Mode”という設定があり、Roon Ready機器として利用する場合と、それ以外の目的で(DLNA機器などとして)利用する場合で切り替えが必要だった。さらにDLNAなど音声データを出力している際には、AirPlayなどほかのサービスに切り替えることができない……という使いにくさがあった。

 2goでは自動再生切り替えモード(オートプレイモードスイッチ)が新設されたことでこうした制限がなくなったのも大きな改良点だ。

 そしてもっとも大きな改善と感じたのは、設定がソフトで完結するようになった点だ。Polyでは、設定変更のたびに、ピンでハードスイッチを突いてモード切り替えをする必要があったが、2goは設定アプリの「Gofigure」がはじめから使用可能であるため、初期設定がわかりやすい。

 また、Polyは外部Wi-Fi(Networkモード)と内蔵Wi-Fi(HotSpotモード)の切り替えが面倒であったが、2goは、GoFigureで簡単に切り替えられるため、家での使用と外での使用を簡単に使い分けられるようになった。

※注意点として今までGoFigureを使っていた人はいったんアプリを削除してから最新版をインストールする必要がある

設定アプリであるGofigure画面

 この組み合わせは音質も優れていて、あたかもHugo 2の隠れていた能力を引き出すかのように、鮮烈で圧倒的な音の再現を堪能できる。これはPolyもそうであったが、高精度の設計がなされているハードウェア基盤を採用しているためだ。あたかも専用に作られたオーディオPCを取り付けているのに等しいということも理由のひとつだろう。

 まだ短時間の試用ではあるが、2goは思っていた以上の仕上がりだと感じた。より進化したネットワークモジュールとして、2goはHugo2ユーザーに音源を自在に操る楽しみを与えてくれる新製品だと感じた。

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