NTTデータ「第10回豊洲の港から presents グローバルオープンイノベーションコンテスト」レポート
貸付リスクを生体情報で分析する技術など、世界選りすぐりのベンチャーがプレゼン
ANAインターコンチネンタルホテル東京で「NTTデータ 第10回豊洲の港から presents グローバルオープンイノベーションコンテスト」グランドフィナーレが2020年1月24日に開催された。
NTTデータ 第10回豊洲の港から presents グローバルオープンイノベーションコンテストは、地域の課題やマーケットニーズがテーマのコンテストだ。グランドフィナーレでは、2019年に世界16都市で開催されたコンテストのファイナリストが集結し、プレゼンをしてグランプリが決定した。
グランドフィナーレは2会場に分けて開催された。筆者は、Finance、Insurance、Payment、Smart Automation、Data Logistics、Disruptive Social Innovation、Automotive、MaaS、Telecom&IoTといった領域にチャレンジする企業がプレゼンをするF会場を取材した。今回はこの3時間半におよぶコンテストの様子をダイジェストで紹介する。
なお、受賞式の様子は「救命医薬品を高速配送するドローンなどが受賞 NTTデータのイノベーションコンテスト」で紹介している。
スタートアップ×顧客×NTTデータが三方よしのゴールを目指す
まず登壇したのはNTTデータ オープンイノベーション事業創発室室長の残間 光太朗氏。毎回恒例の東京音頭を踊り、「ハッピーイノベーションをみんなでやろう!」と気勢を上げた。続けて、NTTデータ執行役員デジタル戦略担当 佐々木 裕氏が開会の挨拶をした。
例年はグランドフィナーレも豊洲で開催していたが、今回はより多くの人とコンテストを共有したいという目的で、NTTデータのイノベーションカンファレンスの枠の中で実施された。
「我々の目指すゴールは、参加していただいているスタートアップとお客さまと、我々と、三者がwin-win-winで、新たなビジネスもしくは社会課題の解決に寄与できることです。ぜひ、今日の機会を活用していただき、次のビジネスチャンスを見つけていただければと思います」(佐々木氏)
実際、コンテストの後には、ネットワーキングの時間も用意されていた。
コンテストの賞はSDGs賞、領域賞、最優秀賞の3種類が用意されている。NTTデータのコンテストは、珍しいことに賞金がない。その代わり、ビジネスマッチングをして、一緒にビジネス作っていくスタイルを取っている。そこに必要なお金はNTTデータが投資していくという仕組みだ。
審査員は4人。審査委員長は「豊洲の港から」のフォーラムリーダーでもある名古屋大学大学院情報学研究所 情報システム学専攻教授 博士 山本 修一郎氏。加えて、多摩大学客員教授 本荘事務所代表 本荘 修二氏、一般社団法人Japan Innovation Network 代表理事・一般社団法人日本防災プラットフォーム 代表理事・パーソルホールディングス株式会社 社外取締役 西口 尚宏氏、e-Novia Co-founder and Chief Innovation Officer Ivo Boniolo氏が務める。
14社が自社のプロダクトを本気でプレゼン
生体情報分析によるオンライン貸付リスク分析ソリューションを提供
「Nauphilus」
ビジネスコンテスト本戦のトップバッターはメキシコのNauphilusから、アカウントマネージャーのカルロス オルティス モナステリオ ブラニフ氏。
Nauphilusは人工知能を活用した生体情報分析によるオンラインの貸付リスク分析ソリューションを提供している。若い起業家に融資をする際、財務状況のチェックに加えて、デジタルアバターによる面接で音声や表情といった生体分析をするのが特徴だ。
安全なAPI接続を実現する認可情報管理エンジンを提供
「Authlete」
東京のAuthleteからは、ビジネスデベロップメントマネージャーであるケイスケ キシダ氏が登壇。Authleteは安全なAPI接続を実現する認可情報管理エンジンを提供している。
たとえば、銀行がAPIを公開する場合、どのエンドユーザーがどういう権限をどのサードパーティに与えたのかを管理する必要がある。Authleteはこの管理部分のサービスを提供している。ファイナンシャルグレードAPIや最先端認証認可技術CIBAに対応しているのが特徴。すでにセブン銀行や楽天銀行などの銀行や情報銀行などでも採用されている。
投資ポートフォリオの構築を支援「MDOTM」
ミラノのMDOTMからはCEO & Co-Founderであるトマゾ ミジョレ氏が登壇した。MDOTMは金融機関における投資判断において、投資ポートフォリオの構築を支援するフィンテックスタートアップ。2015年にロンドンで創業し、2018年には250万ドルを調達した。現在は20人のスタッフと10人の調査員で、5億ドルの資金を運用している。
金融機関や富裕層にポートフォリオマネージャーがアドバイスをするが、そのバックグラウンドではAIが可能性のあるすべてのリスクとチャンスを計算しているそう。デモでは架空のポートフォリオの分析結果が表示された。AIはバランスが悪いと判断し、対策として3つの選択肢を提示していた。
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