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「PAYDAY」シリーズクリエイターの新作

Steamおすすめゲーム「GTFO」フレンドと共に地下に散る高難易度サバイバルホラーFPS

2020年03月20日 18時00分更新

 アナログな電話回線でつながっていた時代から、誰かとオンラインで対戦するタイプのゲームは、「Unreal」に代表されるスポーツタイプのデスマッチを皮切りに、「Battlefiled」シリーズや名MOD「Counter-Strike」のように戦略的な方向やショウの方面へと発展してきた。

 その中でも一つの目標に対して、フレンド同士で連携してクリアするCoopタイプのFPSゲームは「Left 4 Dead」や「PAYDAY」の発売まで、MODを除きほとんどのゲームが対応していなかった。無かったわけではないのだが、「Operation Flash Point(後のArma)」のように高難易度だったりと手軽にフレンドを誘って遊べるようなタイトルはほとんどなかったというのが事実だろう。そのため「Diablo」「PSO」のようなMMOでトレハンをフレンドと楽しんでいたユーザーも多いだろう。

 第110回は高難易度Coopという時代にあえて逆行し、熾烈な挑戦をプレイヤーに仕掛ける「GTFO」を紹介しよう。

 本作品は英語のみとなっている。正式版までには日本語字幕も導入される予定で、現在でも公式のDiscordチャンネルやSteamのアップデートの告知などは日本語でも行われている。詳しい操作方法は後述するが、操作自体はキーボードとゲームコントローラーどちらでも操作可能。細かいAIMが求められるためキーボードとマウスの伝統的なスタイルを強く推奨する。

息を潜め、目標を為せ

 世界の何処かに地下深く、どこまでも底が見えない”Complex”と呼ばれる施設の廃墟が存在している。その廃墟に囚人であるプレイヤーは所長でもある「Warden」という男の命令で自由を求め、チームで潜ることとなる。

 だが地下にはかつて人間であった異形と果てた怪物と、未だに動きを止めない施設機能が蠢めく地獄であった。囚人であるプレイヤーは指示に従い目標を遂行し、地上へと戻ることが目標となる。

指示内容はフロアによって変わるがオブジェクトを確保して帰還することがメインとなる。

 施設はA層から順番に潜っていくことになるが、下層に行くに連れて熾烈となっていく。下層へ進むには必ず上層をクリアする必要があるためゲーム開始から即座に最下層へとは潜ることはできない。

 潜る階層を選ぶことでフレンドの部屋に参加するか、部屋をホストするか選択可能となるがオートマッチングのような機能は搭載されていない。ゲーム内VCで連携機能などもまだ開発中のため、フレンド同士で外部VC等で連携を取ることもゲーム上必須となっている。

 ロビーでは潜るために持ち込む武装やツールの準備を相談しながら設定可能だ。設定可能なのは「メイン」「スペシャル武器」「ツール」「近接武器(見た目のみ)」の4種類だが、それぞれの武器とツールは威力や用途よりも自分の得手不得手とポジションを考えながら選ぶ方が良いだろう。

 とはいえ武器やツールを装備するといっても本作品で銃器は基本的に緊急時以外にほぼ使うことがない。地下に降り立った瞬間から既に弾薬も不足しており、弾薬を補充できる機会も満足にあるわけでない。ひたすらに銃器をぶっ放すような戦い方をすれば「即死」と言い切ってもいいほどプレイヤーが常に不利を被るようになっている。

WASDキーで移動。右クリックで銃器のAIM、左クリックで攻撃を行う。FPSではおなじみのコントロール方法だ。アイテムなどはEを押し続けることで取得可能だ。

 地下は非常に暗く、Fキーを押してライトで照らしていかないと進みにくい場面も多い。だが“スリーパー”と呼ばれる敵が通路や部屋に潜んでいる。体が光ると同時に蛙のような声を出すのが特徴なのだ。彼らは目が見えない代わりに自身の回りの音や光に反応する。体が光っている時が正にそのタイミングなのだ。ライトも切るタイミングを間違えると大惨事になるのは言わずもがな、だろう。

 しかし、スリーパーは逆をいえば気付かれない限りはプレイヤーから一方的に攻撃することができる。そのために近接武器を装備しており、通常のスリーパーであれば簡単に排除することが可能だ。ただし、スリーパーを倒した瞬間に死体が他のスリーパーに当たってしまったり、悲鳴を聞かれてしまうと連鎖的に反応してしまうので密集地帯などではフレンドと連携して排除を行おう。時には諦めて先の部屋に進むことも重要な決断になる場合もある。リスクを取ってまで排除を行う意味があるのかどうかは目標次第ともいえる。

 一度見つかってしまうと部屋内全ての敵はプレイヤーに牙をむく。弾薬などを一方的に消費するだけで何一つ得がない。 こうなってしまうとドアを締めて隔離してもドアを破壊して襲ってきてしまうため連携して慎重に進めよう。

 過剰な難易度ではあるが、プレイヤーにも任務を達成するためのサービスともいうべき機能は残されている。各フロアにはターミナルが生きており、ターミナルを使用することでミッション内の目標やアイテムの位置を全て確認することが可能だ。

 ターミナルでは全ての確認ができるとはいえ、WindowsのコマンドプロンプトやLinuxのシェルコマンドを直接打ち込んで使用する仕様なので親切ではないのがプレイヤー泣かせでもある。細かく説明するとコマンドプロンプトの説明と変わらないので画像内に必要な要素をまとめておいたので確認して欲しい。

弾薬などの補充アイテムや救急キットはロッカーやボックスなどに入っている。ただし量は本当に少ない。

 目標を達成するにあたり施設機能そのものが牙を剥く場面も存在している。セキュリティドアがその一例だろう。GTFOはマップがドアで区切られており、ドアが閉まっている限りはドアの向こうへは音は一切聞こえない。だが、この原則が適用されないのがセキュリティドアで、開けようとすると大音量で警告ブザーが鳴り響く。場面によっては必ず開ける必要があり、セキュリティドアを開けるまで無制限にスリーパーと戦い続ける羽目になる。

 セキュリティドアを開けるためにはセキュリティの解除を行う必要がある。指定されたポイントに一定時間留まることで解除される。解除の間もスリーパーは絶えず襲撃を行うため油断はできない。

 そこで出番となるのが持ち込んできたツールだ。持ち込めるのは設置型タレット2種とC-FORMランチャー、設置型センサー地雷、レーダーの5種類で、事前に設置することで襲撃に対抗することができる。地雷とタレットは非常に強力で、ある程度の数なら無傷で退けられる。C-FORMランチャーは粘性の物体でスリーパーの足を止めることができ(画面上の白い物体)、更にドアも固めることができるためスリーパーの足を止めることで処理が非常に楽になる。

 各種ツールは非常に強力で、戦闘以外でも使うことはできるが補充は弾薬と別で補給キットが必要なため無駄使いはできない。

 例外はレーダーで文字通りスリーパーの位置を把握できる。使用回数に制限がないが万能ではない。クールダウンに時間はかかるがセキュリティドア解除中の強制ラッシュ時は味方に攻めてくるスリーパーの場所を映し出すことが可能だ。

協力なくして生還なし

 本作品はハードコアを謳うだけあり4人が揃ってプレイすることを前提としている。1人で遊ぶのは文字通り自殺行為と言っていい。

 更に戦闘行為がマイナスでしかないため最後まで緊張感のあるプレイを要求される。脱出直前で死亡することも筆者は何度か体験した。

 それもそのはずで、執筆時の現段階でも実装されている最終フロアへの到達者は全ユーザー中2%しかいない。それほどまで本作品はユーザーに優しくはない。

 だが、本作品の難しさは非常に疲れはあるがフレンドと目標を成した時の達成感は言葉に表すことを困難としかいいようがないほどのアドレナリンと共に体を突き抜けるだろう。やや過剰な表現ではあるがそう言い切っても問題がないほど本作品は過剰に難易度が高いといえるだろう。

 1人では無謀、4人集まっても地獄。深すぎる地獄の釜の底を覗くのはあなたかもしれない。

「GTFO」の推奨動作環境は?

 最低環境でもグラフィックの要件がGeForce GTX 660相当、推奨ではGTX 970以上とCPU内蔵GPUではかなり厳しい。ミドルクラスのゲーミングPCは欲しいところだ。

 また、本作品では難易度に関わるため画面のガンマ調整ができないので普段から画面の輝度を下げている場合は要注意だ。

「GTFO」
●10 Chambers Collective
●3800円(2019年12月10日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows
ジャンル 早期アクセス、アクション、ホラー、FPS、ゴア、オンライン協力プレイ
© 2019 After Impact AB. All Rights Reserved. "GTFO" is a registered trademark or trademark of After Impact AB in various territories worldwide. Any use by third parties is authorized by license.

■著者:rate-dat
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: ratedat
・Twitter:@rate_dat

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