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Ryzen Threadripper 3990Xの64コアを使うアプリもわかった! サイコム最強のデュアル水冷BTO PCをガチ検証する!

2020年02月27日 19時00分更新

CPUのコアがどう使われているのか、3つのジャンルで勝手に調査!
動画編集・変換編

 CPU負荷が高くなりそうなジャンルとして選んだのが、動画編集・変換。試したのは、「Premiere Pro」(体験版)、「TMPGEnc Video Mastering Works 7」(体験版)、「HandBrake」の3つのソフトだ。

 動画変換に使うコーデックの違いにより挙動が変わっていたので、いくつか試したものを紹介しておこう。

●「Premiere Pro」64論理コア

 Adobeの動画編集ソフト。レンダラーには「ソフトウェア処理」を選び、CPU負荷を高めるよう設定。形式は「H.264」と「Mpeg2」の2つを試した。

H.264では64の論理コア使われていたが、CPU負荷率に大きな特徴が。SMT(Simultaneous Multi Threading、インテルでいうハイパースレッディング)が効率よく動かないのか、物理コアに負荷が偏っているように見える

Mpeg2の場合はH.264とは違って64の論理コア全体に高負荷がかかっている状態だった。コーデックで挙動が大きく変わるのが面白い

●「TMPGEnc Video Mastering Works 7」64論理コア

 ペガシスの動画変換・編集ソフト。設定で「CPU/GPU設定」を見てみると、すでにここで「論理CPU数:64」となっており、128の論理コアすべてを使うのは無理だと判明。とはいえ、どういった挙動となるのかは確かめたかったため、「H.264」と「H.265」の2つで試してみた。

Premiere Proとは違い、H.264でも64の論理コアをほぼフル活用。半分は論理コアが遊んでしまっているとはいえ、プロセッサーグループ内での利用率は高い

H.265の場合はH.264と違い、2つのプロセッサーグループにまたがって利用しているように見えるのが興味深い。とはいえどの論理コアも使用率は低めで、分散処理そのものはあまり効率がいいものではないようだ。全体の使用率から見ても40%前後と高くなかった

●「HandBrake」64論理コア

 オープンソースで開発されている動画変換ソフト。ちょっと調べた限りではいくつの論理コアに対応しているのかは不明だった。H.264とH.265の2つで試した。

H.264では64の論理コアを使うものの、Premiereと同じように使用率はあまり高くない。SMTが効率よく機能していないのだろうか。とはいえ、トータルの使用率からすれば45%と悪くない

H.265での挙動はTMPGEnc Video Mastering Works 7に近く、全体を使うものの負荷が高いコアは半分だけ、というもの。トータルの使用率も低めとなっていた

CPUのコアがどう使われているのか、3つのジャンルで勝手に調査!
RAW現像編

 CPU負荷が高いだろうクリエイティブ系のものとして、RAWからの写真現像を試してみよう。メモリーとコア数とが性能に大きく影響することが多いだけに、どのくらいの論理コアを使用するのか気になるところだ。

 試したのは、「Lightroom Classic」(体験版)、「PhotoScape X」、「RawTherapee」の3つ。45枚ほどのRAWデータを用意し、連続で現像したときのCPU負荷を見てみた。

●「Lightroom Classic」64論理コア

 Adobeの定番現像ソフト。設定を見る限り、論理コア数の使用に関する項目は見当たらなかったため、デフォルトの状態でテストした。

とくに設定などはなくても、ひとつのプロセッサーグループをフルに利用しているようで、64の論理コアが100%となっていた。なお、もうひとつのプロセッサーグループの負荷もあるが、これは裏で巨大データファイルのダウンロードを行なっていたためだ。裏での別作業に影響がないのかをチェックしていた時のデータしか残していなかったため、そのまま掲載している

●「PhotoScape X」22論理コア?

 手軽に使えるRAW現像・写真編集ソフト。フリーバージョンとProバージョンの2つがあるが、今回はフリーバージョンでテストした。設定などではとくに論理コア数に関係あるものが見つからなかったため、デフォルトで使用。一括編集機能を使い、現像している。

先のプロセッサーグループでは40%を超える負荷の高い論理コアが16ほど。10%以上に広げると21の論理コアが使用されていた。64論理コアすべては使わないようだ。これとは別に、もうひとつのプロセッサーグループでも1つの論理コアだけ負荷が高い状態となっていた。なお、左端に別のウィンドウが映り込んでしまっているが、ただのミスなので意味はない

●「RawTherapee」64論理コア

 オープンソースで開発され、フリーで使えるRAW現像ソフトの中で人気が高い。設定には使用する論理コア数に関するものが見当たらなかったため、デフォルトの状態でテスト。編集は特に行なわず、キューに追加して一括で現像した。

ひとつのプロセッサーグループ、64論理コアを平均的に使っているが、使用率は80%台となるものが大半。マルチスレッド化はしっかりとできているようだが、Lightroomほど負荷は高くない

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