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エプソン、9色インクで黒と青の表現力を向上させたプリンター

2020年02月20日 11時00分更新

 エプソン販売は2月20日、ハイアマチュアからプロ向けのフォトプリンター「プロセレクション」シリーズから、新製品2モデルを発表した。

ディープブルーインク搭載で青色を、
LGYインクのオーバーコートで黒色の表現力を向上

SC-PX1VL。ポスターや図面といった業務用途での利用が多いとするA2プラス対応モデルで、ハイアマチュア~プロフォトグラファーやフォトスタジオをターゲットユーザーとする

SC-PX1Vは、はがきや文書といった用途での利用が多いというA3プラス対応モデル。ターゲットユーザーはフォトファン(ライトハイアマチュア)~ハイアマチュア

 今回発表したモデルは、最大A2プラス用紙に対応する「SC-PX1VL」と最大A3プラス対応の「SC-PX1V」の2モデル。両モデルとも発売日は5月28日を予定している。市場想定価格は、SC-PX1VLが税別15万円台後半、SC-PX1Vが税別8万円台後半。

 同シリーズとしては10年ぶりのフルモデルチェンジとなり、サイズはSC-PX1VLが幅615×奥行き368×高さ199mm、SC-PX1Vが幅515×奥行き368×高さ185mmと従来モデルよりも小型化。また、格子状の給紙・排紙トレーを備え、高級感ただようデザインに仕上げたとする。そのほか、カバーを閉じた状態でも印刷状況を確認できる機内照明を搭載する。

ディープブルーインクの搭載により青の色域を拡大したとのこと

SC-PX1VLのインク型番は96番

SC-PX1Vのインク型番は97番

 インクは、8色インクにディープブルーを追加した、全色顔料9色インク「UltraChrome K3X」を搭載し、青の色域を拡大したとのこと。また、フォトブラックとマットブラックはインクの切り替え動作なしで用紙による打ち分けが可能で、従来切り替え時に発生していたインクの消費がないという。使用するインクの型番はSC-PX1VLが96番、SC-PX1Vが97番。

印刷表面の凹凸による乱反射を抑えることで、黒色の表現を向上させたとのこと

 最大解像度は5760×1440dpi。最小1.5plのインク滴による印刷表面の平滑化に加え、LGY(ライトグレー)インクでオーバーコートを施す機能も搭載。これにより暗部領域の乱反射を抑え、光沢紙における高いOD値(黒濃度)を実現したという。

タッチパネル部分は起こすこともできる

 本体には4.3型の静電式タッチパネルを搭載する。タッチパネルには印刷中の画像を表示するほか、ドライバー設定やインク残量を表示する印刷ステータスも確認可能だ。

 ドライバーの設定履歴を「作品振り返りシート」として印刷できる機能も備える。作品ごとの色設定をキャプチャーしたり、メモしたりといった手間が省けるため、色設定を追い込んで作品を制作するハイアマチュアユーザーをサポートをするとしている。

会場には「Epson Print Layout」をインストールしたiPadが展示されていた。ユーザーの印刷ワークフローが、PCからスマホやタブレットなどに移行することを視野に入れたとのこと

 また、iPad向けの「Photoshop」で設定した写真・画像のレイアウトをそのまま引用してSC-PX1VLとSC-PX1Vで印刷できる、スマートデバイス向けのプラグインアプリ「Epson Print Layout」も用意する。現在iPadOS版/iOS版を開発中で、iPadOS版はSC-PX1VLとSC-PX1Vの発売と同時に、iOS版は夏頃にリリース予定とのこと。

「Epson Media Installer」は用紙のメーカーと種類を設定可能で、これまで煩雑だったICCプロファイル設定が容易になるとのこと

 そのほか、サードパーティー製の用紙を使用する際に設定するICCプロファイルを管理する「Epson Media Installer」も搭載。独自に立ち上げたというクラウドサーバーに接続して、最大30種類まで用紙をプリンター本体とドライバーに設定できるもの。使用したい用紙を選択するだけで最適な設定の印刷が可能になるため、これまで煩雑だったICCプロファイル設定が容易になるとしてる。なお、対応メーカー/用紙種類は追って発表するとのこと。

SC-PX1VLのロール紙ユニット。ホコリを防止するカバーを備え、本体と統一性のあるデザインを採用した

ロール紙ユニット装着時

 両モデルともロール紙の印刷にも対応し、SC-PX1VLはオプションとして別途ロール紙ユニットを用意。SC-PX1Vはロール紙ユニットを標準で内蔵する。

新モデルとデザインを統一したデスクトップPC
「プロセレクション×Endeavor PC」も参考出品

 会場には、今回発表したプリンター2モデルとデザインを統一したデスクトップPC「プロセレクション×Endeavor PC」も展示されていた。

 サイズは約幅74×奥行き220×高さ185mm(スタンド付き)の省スペース設計で、必要なドライバーやソフトウェア類のインストールを支援するツールをUSBメモリーで用意する予定とのこと。今夏に発売予定で、価格は未定。

 CPUはCore i9プロセッサーからBTO選択できるほか、ロープロファイル対応のビデオカードを搭載可能。メモリーは最大64GB(32GB×2)、ストレージはM.2 SSD(PCI Express x4)×2基を搭載でき、インターフェースはUSB Type-C(Thunderbolt対応)、USB 3.1などを装備予定とのこと。

 なお、プロセレクション×Endeavor PCは参考出品であり、発売日程とスペックはあくまでも予定のため、変更になる場合もあるとのこと。

メーカー資料に修正があったため、商品名を修正しました(2月25日)

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