「YOXOグローバルセッション CES 2020報告会」レポート
スタートアップ出展者が感じたCES 2020の注目ポイント
2020年1月27日、横浜関内にあるスタートアップ育成拠点「YOXO BOX」にて、2020年1月頭に米ラスベガスにて行なわれた世界最大級のテクノロジー・カンファレンスであるCES 2020の報告会が開催された。定期的に開催しているYOKOグローバルセッションの1つで、今回はCES 2020のスタートアップ系展示の中でのトレンドや注目製品、各国ブースの状況などを紹介した。
登壇したのは、J-STARTUPとして出展したFutuRocket株式会社のCEO & Founder美谷広海氏とPLANTIO, Inc.のCo-founder & CEO 芹澤孝悦氏の2人。モデレーターは株式会社アドライトの代表取締役CEO木村忠昭氏が務めた。
今年のCESで気になったプロダクトたち
まずは、美谷氏によるCES 2020で注目した製品や会場で感じたスタートアップ企業の現状について語った。
美谷氏:以前のCESはコンシューマー向けの世界最大の家電見本市でしたが、今はコンシューマーエレクトロニクスショーとは呼ばないでほしいと言われていて、あくまでCES(シーイーエス)とブランディングされています。家電に関わらず、消費者と接点をもつような、テクノロジー全般のイノベーションを発表する最大の展示会という位置づけでしょうか。
メインのコンベンションセンターでは、ソニーが彼らの半導体技術を使って、実際に走行できる自動車を発表され注目を集めていました。ビジョンを見せるとともに、もしかしたら今後、自動車メーカーを買収する動きもあるかもしれません。
また、中を覗き込むと視点が変わる3D的な映像を投影するディスプレーを発表していました。ソニーはこれまで新製品の展示は行なってきましたが、今後ソリューションにつながるかもしれないプロトタイプの製品を展示したのは新しい試みだと思います。
トヨタが公開した「Woven City(ウーブン・シティー)」。具体的な展示物はありませんでしたが、コンセプトを内外にうまくアピールしていて、会場で話題になっていました。これからいかに他社を巻き込んでいけるか、良いビジョンを示せたのではないでしょうか。
そして今年のCESで話題になったのがデルタ航空でしょう。なぜ航空会社が家電業界に出展したのかという意味合いも議論されましたし、テクノロジーに対してどのように取り組んでいるのかも注目されていました。これからの企業はテクノロジーとどう向き合うのか。お客様へ価値を提供していくにあたって、自ら情報を発信してアピールしていき、技術の評価や他社に先駆けて提携してもらうことを狙っているのではないかと思われます。P&Gやアメリカ郵便公社など消費者と接点を持った企業が存在感を増していると感じました。
サムスンが発表した「NEON」というプロジェクト。パネルのなかに色々なキャラクターが存在するという、デジタルの人間的なプロジェクトとして発表され注目されていました。AIとCGを使ったアバター的な取り組みと考えられていましたが、実は録画したものだったことが判明してみんながっかりしていましたね。ただ、等身大のパネルの中にキャラクターを内在化させるという意味ではよかったのではないでしょうか。
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