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一生奉仕したくなるほど刺激的なアウディ R8

2020年01月19日 15時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) モデル●星野 奏(@hoshino_kanade_

アウディらしさに溢れたサイバースポーツR8

 では上品ブランド、アウディのフラグシップR8について説明しましょう。全長4.43メートル、全高1.24メートル、車幅1.94メートルの2人乗りのスーパーカーで、値段は驚きの税込3001万円!

全長は4.4メートルと、いわゆるCセグメントの車と同等。直線と曲線による優美なフォルムが目を引きます

※車幅は約2m。前高は約1.2メートルというワイド&ローなフォルム。それにしても星野さんのウエストラインの高さにビックリです。※試乗時はハイヒールではなく運転に適した靴で実施しています

 同社のアイデンティティーであるクアトロ(四輪駆動)システムを採用し、620馬力を発する5204ccのV型10気筒エンジンを、ドライバーのすぐ後ろ、ミッドシップにレイアウト。アクセルを踏めば背中からV10サウンドの咆哮を感じられるというわけです。

 その外見から重たそうに見えるかもしれませんが、車重は驚きの1454kg! これを実現したのが、ほとんど手作業で作られるというASF(アウディ・スペース・フレーム)で、なんと先代はボディーのみで210kgという驚異的な軽さを実現。しかも溶接部をX線でミクロン単位でチェックするこだわりっぷりだとか。変速機は7速Sトロニック デュアルクラッチというAT仕様。ステアリングコラムに取り付けられたシフトパドルで変速をします。

ターボ全盛の時代において自然吸気の多シリンダーエンジンを搭載。V10サウンドは男の浪漫であります!

 アウディ R8が登場したのは2006年のこと。デビュー当初は420psを発する4.2リットルV8エンジンを搭載していましたが、2009年に5.2L V10エンジンモデルを追加するなど熟成が進められました。そして2016年に新型ASFフレームと四駆制御システムを採用した二代目が登場。今回試乗したのは、その2代目モデルになります。

 外観・内装共にカーボンパーツが満載! 現代スポーツカーたるものカーボンパーツ山盛りでなければ、と言わんばかりのカーボン祭に、男の子の心は激しくくすぐられます。

ウイングのないスポーツカーが多い中、アウディ R8にはカーボン製のウイングが装着されています。やはりスポーツカーたるもの、羽根をつけてナンボ!

 試乗車はスズカグレーという、パッと見は白ですが、日陰に入るとグレーになるカラーリング。真っ白ではないところに、アウディの上品さを感じさせます。ちなみにアウディの中でもスズカグレーはスポーツ系の車両にしか設定がありません。「スズカって、あの鈴鹿ですか?」「やっぱり鈴鹿って有名なサーキットなんですね。輸入車で日本の地名がつくように、日本車でもニュルブルクリンク・シルバーとかモンツァ・レッドとかあったら面白いかも」と星野さんからユニークな提案が。メーカーの皆様、ぜひご検討を。

大型のディフューザーを備えたリアビュー

上質なインテリアと
機能的なバーチャルコクピットでアガる!

 車内はシンプルでハイセンス。機能性に優れた操作パネルと上質さに溢れる手触りとアウディらしさに溢れたものです。

車両の乗り込む星野さん

 特に注目は12.3型ディスプレーによって構成されたメーターパネル。速度計や燃料計などのほか、ナビゲーションや車両設定画面などを表示するバーチャルコックピット。「車のナビって、車の真ん中にドーンというのが多いですよね。でも、これはホントに便利ですよね! 画面も見やすいですし、なにより運転中の目線移動が少ないから安全だし、すっごくわかりやすいですよね」とお気に入りの様子。

ナビゲーション画面を表示したバーチャルコクピット

 バーチャルコクピットの画面は、左側にタコメーター、右側に速度計を置く「クラシックビュー」「プログレッシブビュー」のほか、Audi Sportモデル専用として、センタータコメーターと前後G/ラップタイムなどが表示される「パフォーマンスビュー」の3種類から選べます。このセンタータコメーター表示が実に見やすく、何よりテンションが上がります! 

センタータコメーターでの表示

 もちろんバックカメラやソナーも備えており、スーパーカーでありながら日常的なシーンにも対応。バックカメラの映像はバーチャルコクピットに表示されます。

アウディR8の車内。センターコンソールにモニターの類はありません。アクセルペダルはオルガン式

 このバーチャルコクピットのおかげで、センターコンソールはとてもスッキリ。中央にはエアコンの操作スイッチが目に入る程度です。いっぽうハンドル周りにはボタンがいっぱい。「GTやフォーミュラのステアリングに似ていますね。これは気分が昂ぶりますね!」と星野さんも好感触。

 Dタイプデザインを採るパーフォレーテッドレザー巻きの3スポークステアリングの手触りもよく、これはイイモノ感に溢れ「ホントカッコいい!マジでイケてる!」と星野さん。ステアリングのイグニッションボタンを押すと、猛々しいエキゾーストノートと共に、5.2リットルV型10気筒が目を覚まします。

レーシングカーのように、ステアリングから手を離さずに各種設定変更が可能。赤いボタンはイグニッション

星野さんの白魚のような指でイグニッションを押すやV10が目を覚まします

 「エンジンルームが見えるのって、オシャンですし特別なクルマって感じがしますよね!」と、ミッドシップマウントされたV10エンジンにうっとり。

ガラスパネルのリアを開けたところ

 ちなみにガソリンはハイオク指定で満タン80リットル。ちなみに満タン状態で都内を30kmほど走行し再度満タン給油した際、10リットル入りましたから、ざっくりリッター3キロということになります。もっとも渋滞ばかりの道を走るクルマではありませんから、高速道路でのクルージングですと、結構伸びることでしょう。

 5.2リットル自然吸気V10の鼓動は聴く者の心にトキメキを与えます。それは星野さんも同じ。ですが……「でも、これ熱くないですか? こういうモノなんですか?」「真夏とか大丈夫なんですかね? 車内暑くなったりしないんですか?」と、その発熱量にビックリ。そして発熱量以上に「このクルマ、後ろにエンジンを積んでいますけれど、トランクはどこにあるんですか?」と収納が気になるご様子。

 これだけの大きなエンジンを積んだ幅2メートルのクルマ。荷物がたくさん載ることでしょう、と思いきや、フロントに用意されたラゲッジスペースは、上下方向に深いものの、幅は狭くスーツケース1個が収納できる程度。

アウディ R8のラゲッジスペース

 これならカップルでお泊りにも十分対応できますね、と思いきや「私、ゴルフをするんですけれど、ゴルフバッグ入りませんよね? このクルマでゴルフいけないじゃないですか!」と星野さんは怪訝な表情。ゴルフバッグは助手席に載せるか、宅急便で送ってもらえれば……と思っていたら、さらに「このトランクの中、熱くないですか?」と立て続けに質問する星野さん。「え? ラジエーターが前にあって、その熱風によって熱くなるんですか? 食品入れられないじゃないですか! スーパーで買った生卵がトランクの中で温泉卵に変わっちゃいますよ」と、多分その場にいた誰もが思いも寄らない発想を展開。

 そもそもR8で近所のスーパーに行かないと思うんだけど……と思いつつ、現実的な見方をされるあたり、実はこのクルマのこと、どこか気になっているのかなと、誰もが感じておりました。

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