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4×4接続+3帯域+ac対応怪物ルーターの実力をチェック!

2016年06月19日 18時30分更新

R8500
↑大きなアクティブアンテナを4本備えた『Nighthawk X8 R8500』。サイズは大きいが、トライバンド&クアッドストリームWiFiに対応する。

 最近はテレビやスマート家電など、スマホやPC以外にも無線LANに接続するデバイスが増えてきている。そのため、家の無線LANルーターの性能に不満を感じている人が多いのではないだろうか。無線LANは接続できれば良いという人もいるだろうが、いくら壊れていないからと言って古いルーターを使っていたりすると、回線速度の通信を十二分に発揮できず、離れた場所では通信が遅い、なんてことになりがちだ。

 ルーターから離れた場所でインターネットを快適に楽しみたい場合、無線LAN中継機を使うという方法もあるが、取り付ける場所に悩むこともあるだろう。しかし、そんな悩みは高性能な無線LANルーターに買い替えると一気に解決できる。

 今回紹介するネットギアの『Nighthawk X8 R8500』は、5GHz帯の2バンドと2.4GHz帯の1バンドを同時に使えるトライバンド仕様で、1024QAMに対応。通信速度は3バンドの合計で5.3Gbps(2166Mbps+2166Mbps+1000Mbps)と高速で、安定した通信が可能なハイエンド無線LANルーターだ。一般的な無線LANルーターは、5GHz帯と2.4GHz帯の接続先がひとつずつあるのみだが、本機は5GHz帯の接続先が2つあるため、バンドを分けて機器をつなげることで、より快適に通信できる。

 また、初期設定も最初につなぐSSIDを選択するだけで、自動的にブラウザーが起動し、あとは指示に従って進めるだけでインターネットに接続可能。シンプルでわかりやすく、初めて同社の製品を使う人でも安心だ。

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↑ネットギアはグローバルメーカーだが、きちんと日本語に対応。ブラウザーから指示に従うだけで設定ができるなど、ネットワークの知識がない人でもカンタンに使える。
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↑設定時に自動でダウンロードを行なう専用アプリを利用することで、無線LANルーターの機能を使うのも簡単。WiFi接続数なども視覚的に確認でき、どのチャンネルが混んでいるのかもひと目でわかる。

 サイズは316(W)×264(D)×61(H)ミリと大きいが、受信した弱い電波を増幅するアンプを内蔵した大きな“アクティブアンテナ”を4本搭載しているので、それも仕方ないかもしれない。このアクティブアンテナはスマホやタブレットといった、ルーターに接続する(子機)側の通信が弱くても、それを増幅することで快適な通信が行なえるというものだ。

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↑今回速度を比較したNECプラットフォームの『WG2600HP』(左)と比べると、サイズ差は歴然。しかし、そのぶんパワーがあったり、多機能だったりする点が魅力的。
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↑WPSボタンに加え、WiFiのオン/オフ、LEDオン/オフボタンなど、国内メーカーの無線LANにルーターではあまりみかけないボタンもある。これが結構便利。
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↑USBポートは側面に3.0、2.0がひとつずつある。また、無線LANルーターはふだんアクセスしないでっっどスペースなどに置く場合もあると思うが、そんなホコリがたまりやすい場所でも安心なフタ付きだ。
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↑LANポートは6つと多く、うち左の2つは2本のLANケーブルで対応するNASなどに接続することで、高速データ転送が可能なリンク・アグリゲーション機能用となっている。右には電源、リセットボタンを備える。
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 では、実際に通信速度はどのくらいなのか、横浜市某所にある2階建ての私の自宅で検証してみた。検証時間は比較的近隣の電波が穏やかな午前7~8時の間で行なった。接続テストにはIEEE802.11acの2×2接続に対応したGalaxy S7 edgeを使用。比較機として普段家で使用しているIEEE802.11acの4×4接続に対応したNECプラットフォームの『WG2600HP』でも計測。無線LANルーターは1階に設置し、各接続ごとに1階と2階で5回テストを行ない、最も良い結果が以下の通り。

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↑ドコモLTE回線接続時。つまり、いずれの無線LANルーターにもつなげていない状態。
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↑『WG2600HP』の5GHz帯に接続。1階で計測。
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↑『WG2600HP』の5GHz帯に接続。2階での計測。
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↑『R8500』の5GHz帯に接続。1階で計測。
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↑『R8500』の5GHz帯に接続。2階で計測。
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↑『R8500』の2.4GHz帯に接続。1階で計測。
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↑『R8500』の2.4GHz帯に接続。2階で計測。

  WG2600HPはR8500と同様に、アンテナが4本あり、4×4接続に対応しているが、変調方式が256QAMとR8500に劣る。今回行なった条件下では、ダウンロードの速度差は劇的ではないものの、アップロードではR8500の方がかなり優位な結果となった。もちろん時間や場所によって結果は異なるので、参考程度と考えてほしい。

 また、Galaxy S7 edgeと同じくIEEE802.11acの2×2接続が可能な『VAIO S 11』を使い、無線LANルーター経由で有線接続した自作PCへ、合計1GBの写真ファイルを転送する時間を計測。WG2600HPはデータ転送が終わるまでの間に転送速度が上下していたが、R8500の方は毎秒3MB以上を常にキープし、安定した速度でデータを転送できた。やはり、伝送方式の違いやアクティブアンテナを採用していることで、電波強度は一般的な無線LANルーターよりも高いようだ。これだけ安定してデータ転送ができるほど、電波が強いのなら、2階建てくらいの家なら中継機を別途用意する必要もないだろう。

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↑家の2階からVAIO S 11で約1GBの写真を、1階で無線LANルーターに有線で接続した自作PC(ギガビットLAN対応)に転送。R8500の方が1.5倍早くデータを転送できた。
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↑WG2600HPと接続したときは、データ転送中の速度が揺れていた。
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R8500接続時は常に毎秒3MBを維持しながら転送できた。

 一般的なスマホやPCは、アンテナが1本または2本の1×1か2×2接続という仕様がほとんどだ。そのため、本来は4×4接続はオーバースペックとなる。しかしながら、複数の機器を接続した場合、アンテナの本数が多く、電波を複数のバンドに振り分けられるほど快適に通信が行なえる。たとえば、R8500の場合は5GHz帯が2バンドあるため、1バンドはゲーム機専用にするなどの使い分けをしたい人に向いている。

 実売価格は5万1700円前後と高価だが、無線LANルーターの場合、1年、2年で買い替えを行なう製品でもないので、数多くのPC、スマホ、ゲーム機を保有する人ならば購入しても決して無駄にならない。価格以外に、サイズが大きく置き場所に困るといったデメリットのみ目をつむることができるのなら、購入する価値のある1台だ。

■関連サイト
『Nighthawk X8 R8500』製品ページ

 

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