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なぜ?Cerevoがスマート電源タップOTTOの国内販売を自粛

2015年08月12日 13時00分更新

なぜ?Cerevoがスマート電源タップOTTOの国内販売を自粛

 秋葉原を拠点とするハードウェアスタートアップのCerevoは8月11日、4月15日より発売開始したスマート電源タップ『OTTO』の国内発売を自粛すると発表した。販売はヨーロッパ、アメリカなどの海外で展開していくという。

 なぜ販売自粛に至ったのか?海外展開はそのまま続行するということは、製品の構造になにか問題があるというわけではなさそうだ。

 答えは一般にはやや難解な、Cerevoのリリース文に書かれている。
 要約すると、電気用品安全法上のOTTOの取り扱いが、開発時点で確認済みだった同法の登録検査機関のJET(一般財団法人電気安全環境研究所)の見解と、経産省電気用品安全課による発売後の見解とが食い違ったことが原因とみられる。
 電気用品安全法上の製品の位置付けが変わると、対応する規制の種類や試験方法が変わる。そのため、そのままでは試験を通っていない(=法律に抵触)状態になる”可能性”がある。

 注意したいのは、現時点ではあくまで”可能性”であること(適法性を最終判断するのは経産省ではないため)。
 そのため、販売の”自粛”という異例の対応をとった。なお、リリース文によれば、購入者はこのまま使い続けることもできるし、また希望するユーザーには返金対応はしていくという。

OTTOの国内販売を自粛。今後は海外で展開
2015年8月11日

株式会社Cerevoは、スマートフォンから操作できる電源タップ「OTTO」の国内販売を自粛することといたしました。今後、電気用品安全法に関する省令の改正または解釈の変更がない限り日本国内の販売は自粛とし、欧州・米国をはじめとする海外で展開してまいります。

OTTOは調光機能およびコンセント機能を持った製品であり、国内での販売においては電気用品安全法の対象機器となります。

弊社では本製品が電気用品安全法上での「サービスコンセント付き調光器」とみなされるであろうとして企画を開始。開発途上で同法において適法な製品であるかを確認すべく、事前に電気用品安全法登録検査機関であるJET(一般財団法人電気安全環境研究所)に連絡を行ない、「届出、表示については、「調光器」に係わる手続きをもって足りうると判断する」との見解をいただいた上で2015年4月9日より販売を開始しました。

電気用品安全法の別表第八1(2)ロ(イ)赤外線を利用したもの(内容としては、実質、別表第四1(2)ロ(イ)a赤外線を利用した遠隔操作機構)には赤外線による調光器の遠隔制御が可能であると記されており、必要な試験についても明記されています。この内容を踏まえ、別表第八1(2)ロ(イ)に適合させるべく、OTTOは赤外線で調光器をコントロールできるリモコンユニットを搭載。このリモコンユニットをインターネット経由で操作することで、遠隔操作での回路の閉路(電源オン)を実現いたしました。

上記の仕様およびJETの見解を踏まえ、2015年4月OTTOの発売を開始したところ、経済産業省電気用品安全課より「調光器をインターネット接続機能を有するリモコンユニットと組み合わせて使う提案を行なう限りにおいて、本製品は『通信回線経由で操作する』一体の製品とみなし、電気用品安全法第8条一項(技術基準適合義務)のリスク評価を行い、通信回線による遠隔操作としての安全性が確認されない限り、電気用品安全法違反となる“可能性”がある」との指摘を受けました。

なお、OTTOはリモコンユニットを内蔵した状態で製品化しましたが、リモコンユニットを内蔵ではなく別の製品として切り離した場合においても、商品説明等にて「組み合わせることで遠隔操作が可能になる」と利用者に認知されるような記載があるようであれば、違反となる可能性が高いとの解釈をいただきました。

弊社として上記の見解は誠に遺憾ながら、法律に抵触する可能性が高いとのご指摘を受けた以上、本製品の国内販売を自粛し海外販売に注力することといたしました。

今回の発表は本製品の輸入および販売が法に抵触する可能性があるという主旨であり、本製品をすでにご購入いただいた方は問題なくご利用いただけます。製品の返品を希望される場合には返金いたしますので、弊社のサポート窓口までご連絡いただけますようお願いいたします。

●関連リンク
OTTOの国内販売を自粛。今後は海外で展開 - Cerevo

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