週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

au決算発表、純増数拡大と海外事業が好調で過去最高益に

2015年08月08日 08時00分更新

 KDDIは8月7日、2015年度第1四半期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比7.1%増の1兆465億1300万円、営業利益は同19.3%増の2309億9800万円で増収増益。モバイル事業が好調のほか、海外事業ではミャンマーの通信事業も順調で、特に営業利益は過去最高益を達成した。田中孝司社長は「新たな成長ステージに向けて国内外で取り組みを続けており、その結果の決算」と話す。

20150808kddi
↑KDDIの田中孝司社長。

 主力のパーソナルセグメントではau契約数が4407万4000件に達し、売上高は同8.5%増の8145億7600万円、営業利益が同16.8%の1792億1300万円。純増数が51万9000契約となり、前年同期比に比べて52%と大幅に拡大。これはスマートフォンの契約数に加え、タブレットやルーターの契約が拡大したためだという。

20150808kddi
↑業績ハイライト。
20150808kddi
↑営業利益の増減要因。主力のau通信料収入が拡大したことが大幅な増益につながった。
20150808kddi
↑パーソナルセグメント、バリューセグメントともに順調に利益拡大。
20150808kddi
↑3M戦略では、マルチデバイスとマルチユースのさらなる増加を目指す。

 同社は“3M戦略”として、マルチネットワーク、マルチデバイス、マルチユースを推進しており、マルチデバイスとして2台持ちのタブレットやルーターの利用を推進している。それにともない、タブレットの累計契約数は同2.3倍となり順調に拡大している。

20150808kddi
↑実数は非公開ながらタブレットの利用数も急拡大。契約者ひとり当たりの端末数は1.38になり、期末には1.40まで拡大する見込み。

 従来のARPU(1ユーザー当たりの月間平均収入)は回線契約ごとの指標だったが、マルチデバイスに伴って1契約者あたりの月間収入を示す指標である“ARPA”を設置した同社だが、今回は同2.4%増の5600円となり、前期比でも90円の増加となった。ARPAではデータ通信と音声通信の区分けがなく内訳は非開示だったが、田中社長は「データ収入が増加し、音声収入が減少している」と説明。従来のARPUで計算すると「ほぼ横ばい」だったという。

20150808kddi
↑総合ARPA収入は4600億円を突破。前期に比べると付加価値ARPAが減少したが、前年同期比では増加した。
20150808kddi
↑通信ARPA、純増数ともに順調。

 コンテンツサービスなどの収入である付加価値ARPAでは、同7.5%増の430円だった。auスマートパスなどのコンテンツ系の収入は310円、au WALLETやauかんたん決済による手数料収入は120円で、いずれも前年同期比で増加しており、順調に利用が伸びている。全体の総合ARPA収入は同4%増の4654億円だった。

20150808kddi
↑付加価値ARPAは対前年同期比で増加。

 固定とのセット割である『auスマートバリュー』は提供開始から40ヵ月に達し、モバイルの契約数は984万契約、固定の契約数は484万世帯に達した。auスマートフォン利用者の52%、FTTHの『auひかり』利用世帯の60%がスマートバリューを契約しており、契約の拡大、解約率の低減に寄与している。

20150808kddi
↑auスマートバリューの契約数は順調。
20150808kddi
↑契約者全体のうちの割合も増加傾向にある。

 そのほか、解約率は0.72、端末販売台数は205万台、固定ではFTTH契約数が350万8000件だった。

 バリューセグメントは売上高が同14.6%増の617億9500万円、営業利益が同11.9%増の183億6500万円。『auスマートパス』会員が1319万に達し、付加価値ARPA、au WALLETなどの決済手数料の増加が奏功した。

 au WALLETは申込件数が1290万件に達し、裾野が広がった。発行はしたものの利用登録がされていなかったり、実際に利用されていない例も多いようで、現時点ではまだ赤字の事業だが、今後利用をさらに拡大させることで、来期以降に黒字化を目指していく考えだ。

20150808kddi
↑auスマートパスの契約数の増加に加え、au WALLETの申込数も順調。
20150808kddi
↑この顧客基盤をベースに、さらに利用率を向上させるのが課題

 ビジネスセグメントは、売上高は同4.9%減の1511億8400万円、営業利益が同0.9%減の200億8100万円。法人向けのモバイル・固定の両通信料収入の減少が響いた。

 グローバルセグメントは、売上高が同11%増の767億6500万円、営業利益が同215.5%増の113億200万円と大幅に利益を拡大した。ミャンマーの携帯事業であるMPTが好調で、契約数は前年同期の約600万から2倍以上となる1400万以上に拡大。収益の大幅拡大につながった。さらにネットワークの強化を図り、成長を目指していく。

20150808kddi
↑契約数が急増し、大幅な利益増に繋がったミャンマー事業。

 営業利益、純利益ともに過去最高を記録するなど、順調な出だしとなったKDDIの決算。主力の通信事業に加え、今夏開始予定の電子商取引『au WALLET Market』などで流通総額の拡大を目指すなど、付加価値領域での収益拡大を図っていく。3ヵ年の中期経営計画の最後の年として、通期2ケタ成長の公約を果たすため、さらなる収益の拡大を目指していく考えだ。

20150808kddi
↑au WALLET Marketによる電子商取引の拡大も目指す。

■関連サイト
KDDI

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります