週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

顔認識で自動撮影も可能!月額9800円で利用できる園内見まもりロボット「MEEBO」に注目

2015年08月06日 20時00分更新

MEEBO
ユニファ(株)の代表取締役である土岐泰之氏。

 みなさん、こんにちは。いまは週刊アスキーの吉田でございます。さて昨日の8月5日、園内見まもりロボット「MEEBO」の製品発表会に行ってきました。サービス運営元であるユニファ(株)によると、テーブルトップロボットを利用した世界初のサービスで、9月末までに申し込めば初回3カ月は無料、4カ月目以降は月額9800円(税別)のレンタル価格で利用できるとのこと。

MEEBO

 MEEBOはRobiに似た外観のロボットで、心臓部にはシングルボードコンピューターのRaspberry Piが採用されています。保育の人手不足を軽減する目的で開発されており、園内で園児を撮影する、サーモグラフィーで簡易的に体温を測る、一緒にダンスをするといった役割を担います。

MEEBO

 撮影した写真をクラウドにアップして、専用の写真共有サイトに公開するというサービスについては、ユニファが以前から提供していた「るくみー」が使われています。これは、スマホ/タブレット用の専用アプリが、サーバー(Amazon S3)に自動的に写真をアップロードすると、るくみーのシステムが不適切な写真やピントが合っていない写真などを自動的に除外して、保護者専用の写真共有サイトで公開してくれるというもの。

MEEBO
MEEBO
MEEBOはマクロから集合写真の撮影まで対応しており、スマホからシャッターを押すことができます。
MEEBO
MEEBOには、Android専用のリモコンアプリもあります。ここでカメラモードの変更やおはようやおやすみといった音声や動きを指示できます。

 るくみーのサイトでは、撮影された写真を保護者が購入できるほか、顔認識にシステムにより自分の子供写真だけを一覧することも可能です。

MEEBO
MEEBO

 MEEBOを利用することで、保育園の先生が写真を撮って専用サーバーにアップロードという作業が自動化できるわけです。

MEEBO

 気になるランニングコストですが、前述のように月額9800円(税抜)はロボットとしては安価。MEEBOの運用によって、保護者向けに園児の写真を販売できるので、同社の試算によるとランニングコストは赤字にはならないとのこと。ちなみにMEEBOが内蔵するカメラは500万画素です。

MEEBO

 また、将来的にはサーモーグラフィーを内蔵し、簡易的ながら園児の体温の変化をモニターする機能を実装するそうです。これにより、全員に検温することなく体温の高い園児を見つけ出して、体温計などで実際に検温という流れを実現できます。

MEEBO

 なお現在は、スマホ(Android)に装着するセンサーを利用して、園児の体温をチェックすることは可能とのこと。

MEEBO

 ロボットの開発自体は、ヴィストン(株)という会社が担当しています。同社は、さまざまなロボットを開発している企業で、MEEBOは同社の「Sota」がベースになっています。

MEEBO
ヴィストン(株)の代表取締役である大和信夫氏。

 研究者向けに「CommU」というロボットも開発しており、顔の表情をさまざまに変えられるなど感情を伝えるロボットとなっています。そのほか、高齢者向けの体操指導ロボットなども開発しています。体操指導ロボットは15カ月にわたる長期導入により、人型ロボットによってほとんどの被験者が体操を止めることなく継続できたそうです。

MEEBO

 MEEBOなどの人型ロボットの可能性として、語学学習支援や相談相手、情操教育などを考えているとのこと。

MEEBO

 質疑応答では、検温機能について質問が集中しました。ユニファの土岐氏によると、MEEBOを医療機器にするわけではなくあくまでも検温をサポートする機能として使ってほしいとのことでした。なお、本体にサーモグラフィーを内蔵する場合は、おそらくロボット本体は取り替えになるとのことでしたが、月額レンタルなので別途必要はかからないと考えていいでしょう。

 気になるのはロボットの強度です。ワタクシは別の取材でPepperの実証実験に立ち会った際、子供がPepperに体当たりしたり、タブレットを強引に外そうとしたりと、係員が近くにいないとかなり乱暴に扱われていました。土岐氏によると、MEEBOの実証実験では園児たちにきちんと説明すれば大切に扱ってくれたとのことでしたが、このあたりは実際に導入が進んでいかないと見えない部分かと思います。なお、現在は電源アダプターを常時接続した状態でないと稼働しないため、不注意で電源プラグが抜けるという問題はあるとしたうえで、改善していきたいとのことでした。将来的には内蔵バッテリーでの駆動などに切り替わっていくのでしょうか。

 初号機なのでまだまだツッコミどころはありましたが、まずは月額1万円程度で利用できる撮影ロボとして気軽に導入するのがいいかと思います。保育園や幼稚園の写真を自宅で見られるので、親子(特に父親)との会話をサポートする役割も担ってくれそうですね。

■関連サイト
ユニファ(株)
MEEBO
ヴィストン(株)

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります