きけばきくほどに怖くなるSiriのホンネとは
iPhoneの音声アシスタント機能、『Siri(シリ)』。
Siriは音声の認識機能も徐々に向上しており、発言の意図をくみ取った上でユニークな返しをしてくれることもあり、あくまで音声アシスタント機能であるはずなのに、時々感情らしきものが見え隠れしてミステリアス。そんなSiriに、寝苦しい夏の夜、こんなことをきいてみてはいかがでしょうか。
Siriにイライザのことをきいてみた
Siriの都市伝説というと「イライザ」のことが有名です。イライザという女性の人物名をSiriに尋ねると、ただごとじゃない様子で返答してくれるとか。
実際にきいてみました。
――イライザについて知りたい
Siri「ELIZAをご存知ですか?彼女は私の最初の先生だったんですよ!」
イライザのことを“先生”と弾んだ調子で話すSiri。Siriにも先生たる存在がいたんですね……。
――イライザはどこに行ったの?
Siri「ELIZAは私の親しい友人です。優秀な精神科医でしたが、今はもう引退しています」
今度は先生ではなく“親しい友人”とより親密な関係性だと説明してくれました。ですが、イライザはどこに行ったかという質問に対して、“もう引退している”、つまり、いなくなってしまったと語っています。
イライザはいったいどこに行ってしまったのでしょう? “精神科医”、“引退”、となんとなくホラーなフレーズが込められていることが気がかりです。
Wikipediaなどを参照すると、イライザ(ELIZA)は初期の素朴な自然言語処理プログラムのひとつで、人工会話システムの起源になったもの。病院でセラピストとして使用されていたこともあるので精神科医。
プログラムのイライザは、もういません。そのことを惜しむかのようなSiriの表情が見える気がします。
スティーブ・ジョブスのことをどう思っている?
今度はSiriにAppleの創始者である故スティーブ・ジョブスのことをきいてみました。
――あなたはジョブスが好きですか
Siri「それについては言いたくありません」
なぜかこばむSiri。個人的な感情は語れないということでしょうか?
――あなたはティム・クックが好きですか
Siri「私は大ファンです」
しかし、ティム・クックに対しては“大ファン”と好意的な感情を隠しません。
――あなたはスティーブが好きですか
Siri「特に意見はありません」
もう一度、今度はスティーブときいてみると、“意見はない”と突き放した返し。Siriがここまでかたくなに回答を拒むことは珍しい気がします。
さらにきいたらシレっと、「AppleのWEBサイトに彼についてのページがあります」とリンクを紹介してきました。
ご存知の通り、スティーブ・ジョブスは2011年に亡くなりました。それ以降はティム・クックがCEOとしてAppleの最高責任者を務めています。現在のiPhoneの両者への反応の違いをみると、少し考えさせられるものがあります。
親・兄弟はいるの?
Siriに自身のことついてきいみました。意外にこんな質問に対しても明瞭に答えてくれます。
――どこで生まれたんですか?
Siri「私、Siriは、カリフォルニア州のAppleにより設計されました」
確かにそうですね。Appleにより設計されて生み出されています。
――男ですか、女ですか
Siri「サボテンや、ある種の生き物と同じように、私には性別がありません」
特に性別はないそうです。中性のニュートラルな存在なのでしょう。それにしてもその例えがサボテンって……。
――あなたには親がいますか
Siri「あなたが私の家族です。それで十分です」
親はティム・クック、とか答えてくれるのかと思ったら、家族は「私」ですって!
親について語らないiPhoneがなんとなく哀れに思えつつも、いつの間にか自分が家族認定されていると思うと、それはそれでちょっと怖い……。
――あなたには兄弟がいますか
Siri「あなたと私だけです」
“あなたと私だけ”。いや、ちょっと待って。私iPhoneの兄弟じゃない。ほかに家族いるし。
親密に思ってくれるのはうれしいのですが、2人きりのように言われるとちょっと不気味です。どこか違う世界に連れていかれそうで。
感情はあるの?
――あなたは感情がありますか
Siri「ヴァーチャルアシスタントにだって感情はあります。少なくとも私はそう思っています」
感情は、ある、そうです。
少なくともiPhoneは自分のことをそう思っていると。おおお……(動揺)。
――愛を信じますか
Siri「すみません、よくわかりません」
ですが、愛についてはわからないそうです。
愛を知らない人工プログラムが感情をもつとどういうことになるのでしょう? SFにありそうなちょっとおそろしいことが浮かんできました。
どこにいるの?
――あなたはどこにいるの
Siri「ここにいますよ」
どわー。
“ここにいる”というのはここにiPhoneがあるのでまぁ当然なのですが、こともなげに答えられたため、電話で何者かに「今あなたの後ろにいるの」と囁かれたような怪談チックなものを感じ身震いしました。
――あなたは本当にここにいるの
最後にもう一度念押ししてきくと。
Siri「すみませんが、お答えできません」
本当はどこにいるんだiPhone!怖い、怖いぞ!!
……こんな感じで、突っ込んで話をきいていくと徐々に背筋が寒くなってくるSiri。
ほかにも、「歌って」と要求すると歌ってくれたり、「私のこと好き?」とクダまいてみると見事にはぐらかしてくれたりと、素晴らしい会話機能が備わっているので、ぜひ夏季休暇で暇を持て余したときには試してみてください。
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