子供にブームのダンボール自販機とは?
ダンボールでつくった自動販売機ってご存知でしょうか?
YouTubeで「ダンボール 自販機」と検索すると、万を超す動画の投稿数に驚くかと思います。
・子供がダンボール自販機をつくってプレゼンする動画が流行っている
こちらは再生数100万回を突破するMAGICIAN’S TOMOYAさんのダンボール自販機紹介動画。
ダンボール自販機とはつまり、子供のダンボール工作なのです。自動販売機とはいってもメカニックな構造でも実際の飲料が出てくるわけでもありません。
つまり「自動販売機みたいに缶らしいものが出てくるダンボール工作」を子供が実際につくり、プレゼンする動画がYouTubeで増えており、ブームとなっているようなのです。
なぜ自販機? 首をかしげる人もいるかもしれませんが、おそらく自動販売機の「ボタンを押す→缶が落ちてくる」というアクションがシンプルでわかりやすく、工作の題材に適しているからなのでしょう。
・ギミックは人それぞれ!工夫のポイントを動画で公開
ダンボール自販機の仕組みをプレゼン。 |
ダンボール自販機の設計図はネットで公開されているものもありますが、基本的に定型はなく、動画を見ると人それぞれオリジナルの仕組みで自販機なるものを再現しているようです。
なので動画では、ダンボール自販機を紹介した後のタネあかしがハイライトです。各人どのような部分にこだわってダンボール自販機をつくったのか、子供たちの工夫と熱意にほだされるはずです。当然、子供のものというより親子で協力した合作も多いと思いますが。
・お金を入れないとボタンが押せない凝った仕掛けのものも
ダンボール自販機で多いのは、お金を入れるスペースはあるものの、缶が落ちる仕組みとは特に連動していないパターン。
ですが中にはtedukuri kidさんの動画のように、お金を入れて仕掛けが外れることでようやくボタンが押せて缶が買える、といった込み入った仕組みのものもあり、大人が見ても「ほう!」と感心してしまいます。
手づくり感がいっぱいでガタガタしたものから、きっちりとキレイな線でできあがっているダンボール自販機まで、様々なものがありますが、いずれも工夫や気持ちがこもっており、見ていると自分もつくりたくなる魅惑の題材であるように感じます。
なぜかダイドードリンコがダンボールの自販機に注目
このダンボール自販機、3年くらい前から徐々に広まってきているのですが、あくまでも子供の工作なので、既製品などは存在しませんでした。ですが今年になって、お菓子メーカーのオリオンが『クレヨンしんちゃん親子で作るミニコーラ販売キット』を出したりと、製品の販売に乗り出してきたのです。
さらにその陰で、以前より虎視眈々とダンボール自販機の製品化を目論んでいるメーカーがありました。
・なぜ飲料メーカーがダンボールのホビーを?
飲料メーカー大手のダイドードリンコがダンボールに注目。 |
「飲料メーカーの中ではイチバンにダンボール自販機を製品化しよう」
ダンボール自販機に注目しているメーカー。それは、玩具メーカーでもなく、お菓子メーカーでもなく、飲料メーカーのダイドードリンコでした。
飲料メーカーは当然、飲料をつくる会社。“自動販売機”という題材こそ深いつながりこそあれど、ダンボール自販機はいわゆるホビー製品に当たります。
なぜ、別畑のホビーをつくろうとするのでしょうか? その理由をダイドードリンコの広報、梅垣真哉氏にきいたところ、
「ダイドードリンコはほかの大手飲料メーカーの中でも、自動販売機での売上構成比が全体の約85%とダントツ。なので、自動販売機に関することは盛り上げていきたい」ということ。
つまりダイドードリンコにとって、他の飲料メーカーよりも自動販売機の重要度が高いからこそ、ダンボール自販機のブームが“工作”であってもそれを盛り上げたい、子供たちに自販機の楽しみをさらに知ってほしい、という切なる思いがあるそうです。自動販売機への執念ですね。
ダイドードリンコが本気を出してつくったダンボール自販機キット
そんなわけで、何度も試行錯誤を重ねたうえでついにできたダイドードリンコのダンボール自販機キットはこちらです。
ダイドードリンコの実際の自動販売機と同様に白を基調にしたカラー。側面には実物を忠実に再現したダイドーのロゴが描かれています。
・こだわりの扉構造
なんと言ってもこだわりは、扉のように自販機の蓋が開く点。
ダンボール自販機の中には缶の補充の際に天面を開けるような形状のものもありますが、「飲料メーカーがつくるなら」と、実際の自動販売機を再現して、右側が取っ手にして扉のように開く構造になっています。
・実際の缶の補充を再現
さらに、本物の自動販売機同様、蓋を開けて上部のほうに缶を転がし入れるような構造。実際に自販機の内部を見たことがあるという人なら、缶の補充の動作にリアリティを感じるでしょう。
・1プッシュに1個、スムーズに落ちてくる
もうひとつ大きなこだわりは、ドリンクはひとつの入れ場に2つまでストックできますが、ボタンを押して出てくるのは1つずつという点。複数ドリンクを補充されてても1つずつドリンクが出てくる、つまり実際の自販機と同様です。
ボタンを押して、ドリンクが落ちてくるまでのアクションもストレスなくなめらか。
「これでぎこちなさがあったら自動販売機の楽しさが伝わりません」
と梅垣氏が語ったように、ボタンを押す→ドリンクが落ちてくる、といった一連のアクションが気持ちよくできるように非常に試行錯誤して調整したそうです。
飲料メーカーがつくった自販機ホビーなだけに完成度がやたら高いです。
・お金は仕組みに連動しないけれど貯金箱に
お金は入れる場所がありますが、これは缶が落ちてくる仕掛けには連動はしません。入れたお金は内部の箱に貯まるので、貯金箱がわりになります。
・写真を貼ったりオリジナルカスタマイズも
完成形が決まったキットではありますが、自分でイラストを書いてオリジナルの缶を手描きでつくったり、自販機の前面にポスターのような感覚で写真を貼ったり独自のカスタマイズも可能です!
対象年齢は3歳以上ですが、年長さんから小学校低学年あたりがピンポイントの年齢でしょう。3歳のお子さんがつくる場合は親の手助けが必要になってきます。大人がつくると記者の場合は20分ほどで完成しました!
やたら気合を入れてつくったけど、売らない
これだけこだわり抜いて完成したダンボール自販機ですが、なんと特に販売しないそうです。
梅垣氏曰く
「私たちは飲料メーカーなので、このようなホビー商品の販売はしません」とのこと。
えっ? じゃあせっかくつくったダンボール自販機どうするんでしょう?
そこは飲料大手のダイドードリンコ。あくまでプレゼントとして子供が所属する団体を対象に応募を募り計1000個を無償提供するそうです。
なおこのダンボール自販機、それなりに凝ったつくりのため、お店で同じようなのがあったとしたらなかなか良いお値段がしそうです。これを無料とはうれしい!
キットではこのようにダンボールのパーツが送られてくる。 |
わかりやすい説明書付。大人がつくると20分ほどで完成する。 |
「自動販売機を工作でつくって遊ぶことで、自販機への愛着を深めてほしい」
そう語る梅垣氏。
実を言うと昨今の飲料販売チャネル事情だと、コンビニが存在感を強め自動販売機での販売数は低下傾向なんですって。自販機に注力するダイドードリンコにとってはこれは死活問題。だからこそダンボール自販機をさらに盛り上げていきたいという想いがあるそうです。それが子供のブームとはいえ、です。
そんな背景を抜きにしてもダンボール工作はなかなか楽しかったです! 当選した場合に8月18日以降と夏中には到着するようなので、自由研究などお子さんの夏休みの課題にもちょうどよさそうです。
『ダイドードリンコ ペーパークラフト自動販売機キット』提供者募集内容
<応募は公式サイトから>
・対象年齢:満3歳~
・募集対象:幼稚園、保育園、小学校、学童クラブ、放課後児童クラブ、こども会、母親クラブ、NPO法人、ボランティア団体など、上記対象年齢の子供が5名以上、所属または参加している団体
・応募条件:完成したペーパークラフト自販機の写真をご提供していただける団体
・提供可能な数量:1団体につき、5個~40個まで ※外装箱の都合により5個単位で配送している。
・提供総数量:全国で計1000個までのご提供になります。1000個を超えるご応募をいただいた場合は、当社の基準によりご提供する団体を選定し、発表は発送をもってかえさせていただきます。
・応募期間:7月28日(火)14時30分~8月17日(月)15時
・到着:8月18日(火)以降順次
関連サイト
ダイドードリンコ ペーパークラフト自動販売機 制作体験 応募フォーム|ダイドードリンコ
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1,377円
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