あえて隠しているわけではないだろうが、ドコモには普通の人は知らないスマートフォンがある。企業向けのビジネススマホだ。
「フィーチャーフォンからスマートフォンに換えてほしいというとき、換えるのはいいが、何に使うのかと聞かれる。せっかくスマホに換えていただくわけだから、有効に活用していただきたい」
NTTドコモ 取締役常務執行役員 高木一裕 法人ビジネス本部長は16日、同社説明会でそう話した。中堅~中小企業に使ってもらうためのビジネス向けスマートフォンを昨年4月に開発。現在2500社、25万IDの採用実績がある。
ビジネスサービス幕の内弁当
右下に名刺アプリ「Sansan」が追加された |
一般向けとちがうのはサービス面。スマホを会社の内線として使える電話帳アプリ『オフィスリンク』、ビジネスサービスを集めた『ビジネスプラス』を用意している。
EvernoteビジネスやGoogle Apps for work、Office 365やSalesforceといった45種類におよぶビジネス向けサービスが使えるようになっているのが特徴で「他社と比べても一番の品揃え」であると胸を張る。さながら幕の内弁当である。
16日、あらたにラインナップに加わることになったのが名刺管理アプリのSansanだ。スキャンした名刺をクラウドで共有する法人向けサービスで、2社は提携関係を結ぶ。Sansanのアライアンス締結は初だ。
内線アプリに名刺情報
名刺情報がスマホから見られる |
具体的には『オフィスリンク』の電話帳がSansanにリンクする仕組み。社内で共有された名刺の情報が反映されるため、自分が登録していない人でも、着信があったとき誰からなのかわかるという内容になっている。
「通常のSansanはPCでもタブレットでも使える、多機能なサービス。それをシンプルな機能にしぼりこんだ。スマホに特化することで価格も大幅に安くした。今まで1人あたり月額3500円だったのを月額1万円で何人でも使えるようにした」(Sansan代表取締役 寺田親弘社長)
営業面でも協力する。
全国6500人のドコモ法人営業部隊がSansanを営業する。ついでPFUとSansan専用スキャナーを開発し、今冬にドコモショップで発売する予定。スキャナーはWi-Fiアドホックでスマホとつながり、直接名刺がスキャンできる。価格は未定。
100万IDめざしたい
開発中のSansan専用スキャナー(PFU製) |
「Sansanの目標は『オフィスにあるのが当たり前』。コピー機のように、どこにでもある状態まで高めていかなければならない。ドコモは言うまでもなくケータイのシェアNo.1。Sansanの利用者は現在、首都圏が9割以上だが、全国に利用を拡大したい」(寺田社長)
一方、ドコモとしてはSansanを皮切りにビジネスサービスとの連携を加速させ、法人スマホの成長をはかりたいという。
「1万社、100万IDまで成長させていきたい」(高木本部長)
NTTドコモとSansanが提携関係を結んだ |
■関連サイト
NTTドコモ ビジネススマートフォン
Sansan
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