ルールは簡単だ。画面内に表示されている青と赤のボールをぶつけるだけ。
対戦型脳トレゲーム『Brain Wars』などをリリースしているトランスリミットによる新作スマホゲーム『Brain Dots』が配信開始からわずか10日で100万ダウンロードを達成した。前作Brain Warsは2015年4月に1200万ダウンロードを突破した大ヒット作。なぜ、トランスリミットの脳トレゲームはダウンロードされるのだろうか。
ターゲットは海外ユーザー
第一に日本国内ユーザーだけでなく、海外ユーザーをメインとしているところ。案外知らない人も多いかも知れないが、トランスリミットは日本の会社。前作Brain Warsをプレイするだけでは海外メーカーのゲームと勘違いしている人も多いのではないだろうか。
海外ユーザーを主なターゲットにするということは、それだけアプリ内に工夫が必要だ。まず、大きな関門として立ちはだかるのが“言語”。なんと、『Brain Dots』ではiOS版、Android版ともに日本語、英語、韓国語、中文繁体字、中文簡体字、スペイン語、フランス語、ポルトガル語(ブラジル)、スウェーデン語、フィンランド語、ロシア語、ベトナム語、タイ語、インドネシア語、ヒンディー語の計15言語で展開している。前作のBrain Warsでは8言語だったのに対し、7言語も追加されている。世界中でプレイされるアプリだけに、対応言語が多いことにこしたことは無いだろう。アプリのストアページを見るとたまに見かけることだが、「日本語なら★5!」「英語わかりません!」などと日本人ユーザーが嘆いているものを見たことがあるだろう。逆に言えば、プレイしたいと思ったアプリに自分の使う言語があるだけでうれしいことだ。
ルールは極力シンプルに
対応言語の豊富さによって、多くに国のユーザーがプレイするきっかけは与えた。しかし、それだけではまだまだプレイしてもらうには難しい。それは“文化”の違い。国内でも大ヒットしている謎解きアプリ『Q』を例に挙げると、あちらは完全に国内ユーザー向けのアプリ。ウルトラマンのようなヒーローや沖縄のハイビスカスなどがアプリ内に登場する。私たち、国内ユーザーから見てみると「あ、こんなのも問題になるのか!」と驚くが、海外ユーザーから見るとイマイチ…なのかもしれない。
Brain Dotsの問題はどの問題もシンプルかつ、変わることのないルール。記事のアタマに書いたようにルールは表示されている青と赤のボールをぶつけるだけ。ぶつけるために画面内に自由に線や絵を描いてそれを利用するだけだ。問題によって書くべき絵や必要な行動こそ違うものの、ユーザーに求められる行動は全ての問題で変わることは無い。
複雑なルールだと完全に理解させることが難しくなるだけでなく、海外ユーザーをターゲットにしていることでそれだけ言語面での労力がかかる。よりシンプルなルールにしたからこそ解決したことだ。
攻略方法の共有を可能に
「どんどん攻略方法を拡散してもらって構いません。」とトランスリミットの人からお伺いした。ゲーム内には攻略時の動画や画面の撮影機能が搭載されている。SNSをとおすことで世界中のユーザーに攻略方法を伝えることができるのだ。逆に言えば、攻略方法を世界中から仕入れることもできるということ。ステージ自体はすでに約300種類。今後もアップデートにより追加されるとのことなので、攻略方法がつきるということは無さそうだ。ゲーム自体がシンプルということで、言語の違いによる直接的なコミュニケーションは取れなくとも、ゲームのルールがシンプルなため世界中に発信できるのだ。
海外ユーザー比率88.1%
さて、配信開始10日から100万ダウンロードを達成したBrain Dotsは現在の海外ユーザー比率が88.1%。AppStoreにおいては、韓国、台湾、香港、マカオにてゲームカテゴリ無料ランキングで1位。日本、ロシア、ドイツ、フィンランドではトップ5。アメリカ、フランス、カナダ、インドネシアではトップ10を獲得した。インストールしているユーザーは一日に約32分間プレイし、ステージへの合計チャレンジ数は平均100回ほどのようだ。
単純に人口で考えると、日本人よりも世界中の人をターゲットにしたほうがアプリのダウンロード数は伸びやすい。さらにアプリ(ゲーム)のルールをよりシンプルにすることで、誰にでも楽しんでもらえるということだ。前作のBrain Warsでは必ず誰かと対戦するというアプリだったが、Brain Dotsはひとりプレイ専用。自分との勝負を楽しんでいるユーザーが今現在も世界中で広がっているのだ。
『Brain Dots』
●トランスリミット
●無料(ゲーム内課金あり)
●対応OS iOS7.0以上/Android3.0以上
■関連サイト
・トランスリミット 公式サイト
(C)2015 Translimit, Inc.
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