ふにゃふにゃした独特の食感と味でファンを集めていた、立ち食いそばチェーン『名代 富士そば』の天ぷら(かき揚げ)。今年に入ってから「味が変わった?」「普通においしい?」とファンのあいだで話題になった。
天ぷらの味が変わった理由はテクノロジーだ。
「フライヤーに入れるだけで素材の味を残したまま揚がってくるんです」
業務用フライヤー後付けユニット『Dr.Fry』を開発するベンチャー企業、エバートロンの担当者さんが1日、ベンチャー企業が集まる『Morning Pitch EXPO 2015』で教えてくれた。富士そばもこのユニットを入れているそうだ。
「Dr.Fry」(月額1万6800円) |
電波振動で風味を良くする |
ユニットから50kHzの電波振動を与えることで、食品内の水分を逃さなくする仕組み。ユニットをドボンと入れるだけで、揚げものの風味がよくなり、油切れもよくなる。揚げ時間は15~30%短縮、トランス脂肪酸の減少にも効果があるという。
「富士そばさんのような立ち食いそば屋さん、大手飲食チェーンと、幅広いお客さまにご利用いただいています」(エバートロン担当者)
同社は“凍らせない冷凍技術”など、振動を使った食品の鮮度管理技術の老舗。Dr.Fryは月1万6800円でリース中で、現在1000台ほどを提供しているそうだ。
酸化したワインをDr.Fryにかけると…… |
なんと良い香りに!なんじゃこりゃ魔法か! |
今後はコンビニへの普及をねらっているという。
「コンビニで揚げドーナツのようなホットスイーツがないのは唐揚げを作っているから。これを使えば油槽内での匂い移りがなくなるので、同じ油槽で肉も魚もドーナツも同時に揚げられるようになります」(同)
さらにはおなじ振動技術を医療に応用し、臓器移植の移植可能時間を伸ばそうという構想も持っている。振動だけでそこまでできるとは。
富士そばは最新テクノロジーによって味を進化させているわけだ。感心した勢いでついふらっと富士そばに寄り、天ぷらそばを頼んでしまった。
そばをたぐって一口……うん、おつゆの味が濃い。(そこじゃない)
■関連サイト
Dr.Fry
Morning Pitch
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