アドビシステムズはサブスクリプション型クリエイティブツール『Adobe Creative Cloud』の2015年度版大型アップデートを発表。順次ダウンロード販売を開始する予定だ。主な新機能を紹介しよう。
Photoshop CC
画像の霧を除去したり、追加できる“Dehaze(ディヘイズ)”機能を新搭載。効果項目で適用量を調整すると、霞だけを除去できる点がミラクルだ(Lightroomの現像で“霞の除去”でも同じ機能が使える)。
魔法のようにシュパッと霧を晴らす! |
逆にブワッと霧を深めることも可能。 |
待望のアートボード新搭載で、ページ遍移のデザインをひとつのPDFファイルで作成できるようになった。また、テンプレートからiPhone6やアップルウォッチなど好きなサイズを選択できる機能も追加された。
Preview CCアプリを使用すればリアルタイムにスマホデザインのチェックができるほか、UIデザインのための新しいインターフェイス(プレビュー機能)も搭載している。
ページ偏移のデザインをひとつのPDFで確認できる。 |
■そのほかの機能
・フィルターのぼかしギャラリーに“ノイズ”機能が追加。 これにより、暗いシーンの描写をよりリアルに描けるように。
・コンテンツに応じた移動ツールが強化(こちらは移動途中で回転や反転、拡大縮小ができるようになった)。
・レイヤースタイルの重ね掛けで立体的な影などの表現が可能に。
・字形パネルが新搭載。
・修復ブラシツールとパスツールがCS6に比べて120倍高速化。
新サービス『Adobe Stock』登場
4000万点の高品質なロイヤリティーフリーの写真、イラスト、ベクター画像を提供するサービスを開始。PhotoshopやIllustratorなどで素材を開いた状態から“購入”ができ、素材として満足がいった際にウォーターマークをとることができるというもの。まずは写真からスタートし、動画素材は年内に提供開始する予定。
■料金プラン
画像単体プラン
画像1点につき 1180円
サブスクリプション:毎月10点プラン
年間プラン(CC User向け)3480円/通常月々プラン5980円
追加1点ごとに348円/598円で販売(120点の画像まで
サブスクリプション:毎月750点プラン
年間プラン(CC User向け)2万4980円、月々プラン2万9980円
追加1点ごとに180円で販売(制限なし
画像を実際に取り込み、実際のイメージそのままで作業できるのがGood。 |
Illustrator CC
念願の自動保存に対応したほか、GPUに対応し再描写のパフォーマンスが最大10倍高速化している。また、最大6400パーセント表示までだったところを、10倍の最大6万4000パーセント表示に対応した。
環境設定では、30秒~1時間まで、自動保存の間隔が設定できる。 |
Premiere Pro CC
カメラが1台しかないインタビュー映像などを編集する際、どうしても口もとや動きにズレが生じてしまうが、新搭載された“モーフカット”機能により、前のカットと後のカットをより自然につなげられるようになった。どうやっても途切れ途切れになってしまっていた動きのズレを補正し、なかったことにする目から鱗の機能。
さらに、色温度や色かぶりなどの調整が可能なほか、シャドウ色相調整やハイライト色相調整などもパネルで直感的に編集できる。サンプルのプリセットから選択することで、古いフィルム映像のような色表現も簡単に摘要できるのが魅力。
iPhoneアプリ『Hue CC』新登場
映像編集に必要な、色の構成や量を自動的に抽出できるというアプリ。キャプチャーした色情報は、Adobe LIVEから読みだして使用できる。そのまま映像にドラッグすれば、その色相情報をそのまま表現として使えるのが非常にユニーク。
抽出した色情報は3Dの球体のような状態で見ることができる。 |
After Effects CC
ウェブカメラで自分の顔をリアルタイムでキャプチャーすることができる“キャラクター・アニメーター”機能が搭載。自分の顔情報をアニメキャラクターにそのまま載せて映像化できるというもので、顔の詳細なトラッキング性能に驚かされる。目や鼻、口だけでなく、眉毛の位置もトラッキングできる。
さらに、キャプチャーした映像に“目だけ大きくする”といったエフェクトをかけたり、顔の上から自然な状態でマスクをかぶせたりといった映像表現が楽しめる。いずれもリアルタイムで生成できるのがポイント。
キャラクター・アニメーター”機能で、自分の顔の動きどおりにアニメキャラを動かせる。めちゃくちゃ楽しそう! |
フェイストラッキング機能を使えば、さまざまな顔の動きに対して自動追従できる。 |
Dreamweaver CC
Googleによるモバイルフレンドリー機能搭載を受け、レスポンシブデザインをもっと簡単に、をテーマとして機能強化が図られている。可視化されたメディアクエリーのブレイクポイントを追加したほか、Bootstrapのネイティブサポートのほか、Emmetにもネイティブ対応し爆速コーディングが可能に!!
上部にビジュアルメディアクエリーバー、右サイドにリサイズハンドルが実装された。 |
InDesign CC
表組み機能が強化され、表内の画像配置が可能になった。ワンクリックで画像を表組みの枠内に収められるほか、セルの中にはめ込んだイメージを簡単に扱えるようになったため、表組み作成時の苦労の軽減が大いに期待できる。全体的なパフォーマンスも2倍向上した。
Type Kit
日本語フォントがやっと使えるようになった。りょうゴシック PlusN、りょうDisplay PlusN、りょうText PlusN、平成角ゴシックStdN、平成角ゴシック Stdk平成丸ゴシック Std、平成明朝StdN、平成明朝Std、かつらぎ SP2Nなど全14書体が利用可能になった。
数はまだ少ないものの、ようやくといった感じの日本語フォント。 |
アプリ『Comp(カンプ)CC』新登場
名前のとおり、オブジェクトをそのままデザインラフにできるアプリ。アンドゥやリドゥ、描写が主にジェスチャーで操作できる。例えば四角の中に横線3本で“テキストスペース”、横線と・で“見出し”、四角に角を削るor角を〇で囲むと“オブジェクトが角丸”になるなど、比較的直感的にレイアウトラフが描けるツール。レイヤーの入れ替えも可能。
完成したデータはIllustratorやInDesign、Photoshopなどに送信して、本格的なデザイン作成へと移行できる。iPadで誌面やチラシのラフデザイン書く人は重宝しそうだ。
覚えるとめちゃくちゃラクにラフができそうな『Comp』! |
以上が、主な新機能だ。
Creative Cloud 2015導入応援キャンペーン開催
アドビシステムズでは、現状のCS3~5.5ユーザー向けとして案内してきた、2980円の特別提供版を終了し、代わりに6月16日~7月31日の期間限定で、新たな格安提供キャンペーンを開催する。
■CS3~6ユーザー限定 CC個人版コンプリートプラン
月額2980円→1980円(年間プラン、月々払い
■グループ版のコンプリートプラン
月額4980円→3980円(2年間プラン
■全ユーザー対象として CC個人版単体プラン
月額2980円→980円(年間プラン月々払い)
さらに今回、新CCの新機能を詳しく解説する、一般ユーザー向け新CCお披露目イベント『Adobe Live 2015』を、6月17日(水)東京・六本木EXシアターで開催。定員600名で参加費は無料。事前登録制のため、気になる人は特設ページで参加申し込みをしておこう。当日13時30分~17時15分の間には、さまざまなセッションが予定されているほか、オンラインストリーミングも予定している。
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