週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

Windows情報局ななふぉ出張所

マイクロソフトが台北で多数のWindows 10デバイスを披露:COMPUTEX 2015

2015年06月04日 17時30分更新

 2015年6月3日、マイクロソフトはCOMPUTEX TAIPEI 2015で、毎年恒例となるMicrosoft Forumを開催。Windows 10に関する最新情報を発表しました。

 昨年に続き、今年も米マイクロソフトでOEM部門を統括するニック・パーカー氏が登壇。Windows 10についての最新情報を語ったものの、基本的にはBuildやIgnite、マイクロソフトのブログなどで発表済みの情報が中心となりました。

Microsoft:COMPUTEX2015
OEMメーカーによる多数のWindowsデバイスを背景に、Windows 10の最新情報を語るニック・パーカー氏。
Microsoft:COMPUTEX2015
2013年のWindows 8.1の発表時には“スタートボタンの復活”に拍手が起きたものの、今回はスタートメニューへの反応は薄かった。プレビュープログラムにより見慣れている証拠といえるかもしれない。
Microsoft:COMPUTEX2015
COMPUTEXのMicrosoft Forumは、PCメーカーなどOEMパートナー向けのイベントになる。競合製品ともいえる、Surfaceの話などにはあまり触れないのが通例だ。


■Windows Helloの顔認証を“写真”で突破できない理由

 基調講演では、米マイクロソフトでWindows 10の開発を担当する部門からRoanne Sones氏が登壇。Windows開発チームの担当者が直接、Windows 10のデモを担当するという貴重なセッションになりました。

 しかしデモに使用したビルドは、インサイダープレビューとして公開されている10130で、すでに体験済みという人も少なくないはずです。

Microsoft:COMPUTEX2015
Windows 10のビルド10130は、すでにインサイダープレビューとして配布されており、すでに発表した内容の”おさらい”という印象が強かった。

 興味深い情報が得られたのが、Windows Helloによる顔認証のデモです。Windows Hello自体は、インテルなどが何度も実演しており、目新しさはなくなりました。定番のデモとして、プリントアウトした顔写真を見せても、本人とは認識されず、ロックを解除することはできません。

Microsoft:COMPUTEX2015
Windows Helloのデモではおなじみ、実物大の顔写真による認証。このような小細工でWindows Helloを”騙す”ことはできず、ロックは解除できない。

 その理由として、インカメラが単なるWebカメラではなく、インテルのRealSense対応3Dカメラであることが重要とのこと。実際にSones氏は、デバッグ用ツールを用いて示すことで、赤外線カメラからの入力映像を見せてくれました。

Microsoft:COMPUTEX2015
なぜ、顔写真では顔認証が通らないのか? 写真はRealSenseによる赤外線カメラの映像ソースを、デバッグ用アプリで表示した様子。Windows Helloはこの映像を解析することで、本物の人間と顔写真を区別していることになる。


■Windows 10は10億ユーザーを目指す

 Windows 10インサイダープレビューには400万人が参加しているとの数字を改めて取り上げ、「Windows 10のリリース前に、すでに多くのPCでWindows 10は動いている」と、パーカー氏は盛り上がりを強調しました。

 マイクロソフトが掲げるWindows 10の目標値は、「3年以内に10億ユーザー」という莫大な数字です。現時点で世界のWindowsユーザーは15億人と説明していることから、そのうち3分の2をWindows 10にアップグレードさせるということになります。

 10億ユーザーに向けた施策のひとつが、6月1日よりWindows 7とWindows 8.1向けに配布開始した、“無償アップグレード予約”機能です。これにより、タスクトレイにはWindowsのアイコンが表示され、Windows 10への無償アップグレードを簡単に予約できるようになっていると説明します。

Microsoft:COMPUTEX2015
タスクトレイに表示された無償アップグレード予約プログラムのアイコン。
Microsoft:COMPUTEX2015
7月29日になれば、順次Windows 10へのアップグレードが始まるという。

 いまだ世界のOS市場では、Windows 7が半分のシェアを占めています。なにがなんでも、これらのユーザーをWindows 10に連れていく、というマイクロソフトの強い意気込みが感じられるイベントになりました。
 

■OEMパートナーによる未発表デバイスが続々登場

 ステージの壇上には、最新のWindowsデバイスが並びました。注目は、東芝の2in1デバイス。モバイル機でありながら4Kディスプレーを搭載しているとのこと。インテルが基調講演で示した、第6世代Coreプロセッサーと4K画面を搭載した2in1のリファレンスデザインにも似ています。

Microsoft:COMPUTEX2015
東芝による4Kディスプレー搭載の2in1。コンバーチブル型で、ディスプレーを360度回転させることが可能。まさにWindows 10世代の2in1だ。

 また、狭額縁のインパクトがすごいXPS 13のデザインはそのままに、画面サイズを15インチに大型化した新しい『XPS 15』も展示されました。

Microsoft:COMPUTEX2015
新しいXPS 15は、ベゼルの細さがXPS 13と同等。大画面ながらコンパクトに収まるのが嬉しい点だ。スペックはWindows 10に最適化しているとのこと。

 一方、HPからは謎のペン入力対応タブレットが登場しました。ペン入力に対応したタブレットを、大きなキーボードに合体させることができる不思議な構造をしています。基調講演後、速やかに撤去されたこともあり、現時点で詳細は不明です。

Microsoft:COMPUTEX2015
HPによる新型タブレット。ペンでノートのように使うことにフォーカスしているという。ドッキングは、これまでに見たことがない構造だ。
Microsoft:COMPUTEX2015
カバー付きの大型キーボードと組み合わせて使うようだ。

 Windows Phoneデバイスとしては、中国K-TouchとパキスタンQMobileの端末を披露。ただし、いずれもWindows Phone 8.1 Update世代の端末で、まだWindows 10 Mobileではありませんでした。

Microsoft:COMPUTEX2015
中国K-Touchの『WPK1』は、HD液晶、MSM8916(Snapdragon 410)搭載。中国移動のLTEにも対応するという。
Microsoft:COMPUTEX2015
パキスタンの端末メーカーQMobileの『W1』は。WVGA液晶、MSM8612(Snapdragon 200)を搭載する小型端末だ。
この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります