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賞金1000万円超の巨大ハッカソン日本上陸! BattleHackにPayPalが賭けるワケ[PR]

 10万ドル(1241万円)獲得を目指す大型ハッカソンが日本上陸することをご存知でしょうか?
 その名も『BattleHack Tokyo 2015』(バトルハック)。24時間、つまり2日間ぶっつづけで開発を続けるイベントで、メルボルンを皮切りに東京を含む世界14都市で実施するという大規模なもの。

 しかも主催は、あのモバイル決済サービスのPayPal(ペイパル)だ。
 14カ国をそれぞれ勝ち抜いたチームは、11月にPayPal本社のある米シリコンバレーへと集い、そこで賞金10万ドルを賭けてワールドファイナルズを戦うことになる。

BattleHack

開催日時 2015年6月13日(土)午前10:00〜翌14日(日)午後5時まで
場所 東京都品川区 大崎ブライトコア3F
参加費用 無料(参加チーム数制限あり。事前登録を推奨)
ホスピタリティ 参加チームへのフード、スイーツ、各種ドリンク提供、マッサージ、休憩所も完備
公式サイト BattleHack Tokyo 2015
主催 PayPal

BattleHack
開催都市はメルボルン、ロサンゼルス、シンガポール、ローリー、ロンドン、アテネ、東京、ベルリン、シカゴ、ベネチア、トロント、ニューヨーク、ストックホルム、テルアビブ。

 BattleHackのような巨大なハッカソンをなぜPayPalが主催するのか? 今回は、PayPalの東京支社でコミュニケーションズの杉江知彦部長と、スタートアップ支援担当の野田陽介マネージャーの両名に、注目ポイントを含めイベントの“エッセンス”をうかがった。

BattleHack
PayPal東京支店のコミュニケーションズの杉江知彦部長(右)とクロスボーダートランザクション&パートナーシップの野田陽介マネージャー(PayPal東京支店にて)。

■何でもありのハッカソン“BattleHack”

 
ハッカソンというと、何らかの“縛り”をつけて、その枠の中で参加するチーム同士のアイデアや技術力を競い合うエンジニア向けのイベントだが、このBattleHackは“何でもアリ”という点がおもしろい。参加者は個人または最大4人までのチームを編成し、アプリからWebサービス、果てはハードウェアまで自由にテーマを決めて課題を制作できる。条件は3つのみ。

・世のため人のためのハック、地域社会が抱える問題を解決すること
・24時間以内に完成させること
・PayPalまたはBraintreeのAPIを組み込むこと


以上。非常にシンプルだ。

「コード記述の美しさを見られる一方で、ビジネス的採算性については必ずしも問われない」(野田氏)というのもBattleHackの特徴だ。また、BattleHackでつくられたアプリやサービスは、優勝者であろうとなかろうと100%参加者のものであり、PayPalが所有権を求めるといったこともない。さらに参加者にはイベント中に24時間にわたって食事やスイーツ、ビールなどが提供され、さらにはマッサージや休憩所まで用意されている至れり尽くせりの賑やかな雰囲気だ。

BattleHack
BattleHackの開催風景。栄光のバトルアックスを手にするのは誰か?
BattleHack

 実際、どんなサービスがBattleHackから飛び出してきたのだろうか。
「2014年の優勝者で10万ドルの賞金を手にしたのは、イスラエルのテルアビブ地区大会を勝ち抜いてきたShai Mishali氏とPavel Kaminsky氏の2名のチーム。『AirHop』という両名の開発したソフトウェアは携帯電話のアンテナなしに端末同士がP2P通信でデータをリレー中継して通信ネットワークを構築するというものです」(野田氏)

 2010年代初頭に中東のアラブ地域で政変が相次いで混乱が広がったが、こうした中で人々が政府の介入なしに自力で通信連絡網を維持するために用いていたネットワーク技術をBattleHack風にアレンジしたものだ。

「2013年の優勝はロシアのチームが制作した『DonateNow』で、Bluetooth Low Energy(BLE)技術をベースにしたPayPal Beaconの仕組みを用いてどこからでも募金ができるというサービスです」(杉江氏)

「ほかにも2013年にドイツのベルリン地区大会を勝ち抜いたチームの家の掃除予約サービス『CleanAgents』は良い成功例です。当初1都市でスタートしたサービスですが、現在ではドイツ、ベルギー、ポーランドの20都市まで対象エリアを拡大しています」(野田氏)

 同社は2015年4月に予約サービスサイトの“Helpling”に買収されており、スタートアップのゴールのひとつである“Exit”(企業売却)をいち早く実現している。

 また、公共機関とのコラボに発展した例もある。
「2014年にオーストラリアのシドニー地区大会を勝ち抜いた『GearBox』は共有ロッカーに格納されたスポーツ用品やフィットネス器具をスマートフォンなどからオンライン予約で利用できるシステムで、これは実際にシドニー市が実証実験を行なっているんです」(杉江氏)

 このように、BattleHackを経て実際に実用化されたりビジネスとして成功しつつあるサービスが現れており、アイデアや技術に自信のある人は、これを機会にチャレンジしてみるのもおもしろいだろう。

 参加申し込みはBattleHackのWebサイトから可能で、第1弾、第2弾、第3弾という形で次々とチケット配信が開始されている。当日枠もあるが、できれば事前予約をしておくのが確実だ。国籍制限はないので、日本国内だけでなく周辺国からの参加も可能となっている。

 たとえばロンドンのような欧州地区大会では、英国以外からも地理的に近い国や地域の参加者も珍しくない。特にアジア地区大会は今年はシンガポールとメルボルン、そして東京の3都市でしか開催されないため、言葉に自信があるなら、即席の多国籍チームを組むこともできる。当日の飛び入り参加同士で集まっての即席チーム編成も可能だ。
 実際、「過去のロサンゼルス大会では即席チームが優勝してしまった」(杉江氏)という事例もある。いずれにせよ、食事や雰囲気に浸りつつ人と会える機会でもあり、世界規模のハッカソンならではの雰囲気を楽しむのがいいだろう。

BattleHack

BattleHack Tokyo 2015への参加登録はココから!

 

■モバイルファースト時代のスタートアップ

 日本初上陸となったBattleHackだが、「なぜいま日本上陸なのか?」というのは気になるところだ。
 最近のシリコンバレーではスタートアップに対する投資活動が再び活況を呈しつつあり、実際に同地域ではリーマンショック前の投資額へと戻ってきているという。スマートフォンはもちろん、近年のスマートウォッチのようなIoTブームを反映して、特にモバイル関連の投資が大きくなっているのも特徴だ。こうした世相を反映して、スタートアップがビジネスを展開するうえでも“モバイルファースト”な考え方が重要になってくる。つまり決済においても”モバイルファースト”で動くことがペイパルにとってビジネスチャンスであり、事実ペイパルはモバイルに特化したAPIやSDKをグローバルで展開しており、すでに全取引の30%がモバイル決済だ。

 BattleHackというイベントそのものがスタートアップやデベロッパーコミュニティへの支援という性格が強いのは、ペイパルがこのイベントをペイパル自身を育ててくれた”コミュニティへの還元”と位置付けているからだ。
 PayPalはシリコンバレーベンチャーの先駆けのひとつであり、その成り立ちは黎明期にあったネットビジネスが既存の銀行やカード会社から信用を得られない中、独自のシステムでリスク管理し、誰もが簡単にオンライン決済を受けられる仕組みを提供したことにあった。以来15年間、ペイパルは中小企業やスタートアップとともに成長してきたと言えるが、日本においてもここ数年のスタートアップブームに関して「ただの流行で終わらないように、一緒に盛り上げていきたい。」と野田氏は語る。

 実際、PayPalがアメリカでスタートした2000年前後に比べれば、スタートアップビジネスの敷居は非常に下がっている。PayPalのような決済インフラだけでなく、ユーザーのネットワーク環境やクラウドまで、それこそひとりのアイデアと力だけでスタートが可能だ。Criteo社の”state of mobile commerce”というリサーチデータで、日本では今年第1四半期に初めてモバイルにおける決済金額の割合が過半数を越えたというトピックがあり、現在同社が力を入れている“モバイルSDK”のような仕組みを活用してビジネスを成功させてほしいというのが野田氏の考えだ。

 モバイルSDKはアプリにネイティブな決済機能を組み込むことが可能な開発者キットで、デザインにさえこだわらなければ基本的な決済フローの遷移画面や、カメラでクレジットカードを読み取り、カード番号と有効期限の入力を省く機能などが用意されているため、4時間程度のコーディング作業でアプリに決済を組み込むことができる。もちろんPayPalなので、カード情報などの決済情報はアプリおよび端末には一切保存されない。この手軽さでセキュリティーの担保までできるのは、決済機能付きアプリ開発において大きなアドバンテージになる。なお直近ではPayPalがスポンサードするInifinity Ventures SummitでこのモバイルSDKのデモ体験ができるとのこと。

BattleHack
アプリにネイティブな決済機能を導入できるモバイルSDK。活用事例としてはUberのほか、Peatix、Airbnbなど著名サービスが挙げられる。

 

■PayPalの提供するスタートアップ支援プログラム“Startup Blueprint”

 ペイパルがグローバルで展開しているスタートアップ支援プログラムに『Startup Blueprint』がある。
 認定したベンチャー企業に対して、PayPal決済手数料が取引高150万ドル(約1億8619万円)までが最大18ヵ月免除される。つまりサービスの成長期なら実質2億円近くまでの売り上げになるまで、決済手数料が無料になるものだ。

 日本ではStarup Blueprintの支援パートナーとしてB Dash Ventures、サイバーエージェント・ベンチャーズ、DeNA、グローバル・ブレイン、East Ventures、インキュベイトファンド、Infinity Venture Partners、MOVIDA JAPANの8社が参加しており、同プログラム適用を受けるにあたっていずれか1社のパートナーの協力を受けるのが条件だ。

 ハッカソンやモバイルSDK、Starup Blueprintといった支援のほかにも、国内の大小のミートアップのスポンサー参加などの形で接する機会が増えてきたPayPal。起業を志す学生や社会人にとっても、こうした日本への積極支援の姿勢はうれしい追い風になるはずだ。

BattleHack Tokyo 2015が気になる人はコチラ!

提供:PayPal Pte.Ltd.

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