ADIVA K1(AD-K1A-SV)
●アビー
●直販価格 17万2584円
ADIVA K1はハイレゾ定義に準拠し、初めてハイレゾロゴを取得したオーディオ向けPC。拡張ボードにD/A変換時に発生するデジタルノイズを低減するオンキヨーのデジタル回路“VLSC”を組み込んだ、192kHz/24ビット再生対応のオーディオエンジンを搭載。アナログ出力は高級オーディオ用DACとして知られる英Wolfson社製の“WM8716”で行なう仕様だ。ハイレゾ版のClariSのベスト盤を聴いたところ、ボーカルとバンド演奏の分離感がすばらしかった。
PC本体の構成はCPUがAMDのE1-2100、メモリー4GB、256GB SSD。ネットブックなどに採用されるAPUのため、BD再生時にコアの使用率が50から70%まで上がった。ゆえに、高負荷な作業を複数行なうのは厳しいだろう。標準モデルの本機はロジクール製のUSBキーボード、USBマウス、エレコム製の150Mbps(2.4GHz帯)対応のUSB無線LAN子機を同梱する。液晶は付属しないがBTOで選択できる。PC性能だけを鑑みるとそれほど高い性能ではないが、あくまで楽曲再生を主としたPCと考えれば十分。ストレージも250GBとやや少なめだが、5分で約200MB程度のハイレゾ音源を5000曲収録できる。ネットワークオーディオを構築する場合、ストレージに不満を覚えたらNASの導入を検討する必要がある。しかし、本機ならUSBの外付けHDDを増設するだけで済むという手軽さもある。
本体のケースは振動に強い5ミリ厚のアルミニウム製。旭化成の非磁性体シート“パルシャットMU”を採用し、PC基板から放出されるノイズを除去し、純度の高い信号を再生できるとしている。
Androidアプリの『オーディオレコーダーFree』をドコモのXperia Z3にインストールして、簡易的だがノイズを計測してみた。静音を謳うインテルのNUCはほんのわずかだがコイル鳴きのようなノイズを確認。一方で、ADIVA K1は厚みのあるケースやシャーシ、ネジのワッシャーにスポンジラバーなどを採用しているせいか、目立ったノイズは確認できなかった。
楽曲再生に使う『foobar2000』は、33ものプラグインが導入済みのカスタム版。ASIO出力やDSD音源の再生、曲名や歌詞の取得などができる。また、独自機能の“DiMO”でMP3などの圧縮音源をハイレゾ相当にアップサンプリングできるなど、至れり尽くせりな仕様。本来PCやNASの中の楽曲ファイルを高音質再生するには、ネットワークオーディオプレーヤーやアンプなど数多くの周辺機器が必要だ。しかし、本機は17万円台とPCとしては高価だが、10万円クラスのネットワークオーディオ機と同等の音質を実現。別途PCや周辺機器をそろえることなく、楽曲管理、編集、再生が行なえる手軽さが大きな魅力だ。
●主なスペック
APU AMD E1-2100(2コア、1.0GHz)
メモリー 4GB(DDR3 PC12800)
ストレージ 256GB SSD
インターフェース USB3.0×2、USB2.0×4、HDMI1.4出力、D-Sub15ピン、ギガビットLAN、シリアルポート、パラレルポート、2chアナログアウト、光デジタル出力端子、ライン入力、ライン出力、マイク入力
サイズ/重量 215(W)×290.5(D)×106.3(H)mm/約3.1kg
OS Windows8.1 Update(64ビット)
再生対応フォーマット DSD(DFF/DSF 最大11.2MHz)、WAV/WAV64/WAVPack(最大384kHz/32bit)、FLAC/ALAC/TAK/TTA(最大192kHz/24bit)、MP3、AAC(M4A)、WMAほか
■関連サイト
ADIVA K1公式ページ
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