誰にお金を払い、誰からお金をもらうかの違いだけど。
Facebookが12日に新サービス『Instant Articles』を発表し、興奮していた(なんでいちいちエキサイトするんだこの人たちは)。Facebookにデータを預けて記事を配信するニュースページのようなものである。日本版はまだない。
いままではFacebookの公式ページからニュースサイトに飛んでいくと、サイトの読み込みで平均8秒かかっていた。それが約10倍のスピードになるというのである(当たり前だ、Facebookのドメインで回遊してるだけなんだから)。
えげつないのは、Instant Articleで広告を配信すると100%メディアの収入になるらしいこと。FacebookのAudience Networkを使うと70%になるが、基本的に自社でニュースサイトを運営するのとほとんど同じ条件になるわけである。
条件を飲み、ニューヨークタイムス、ナショナルジオグラフィック、ガーディアン、シュピーゲル、NBC、BBCなどが配信を開始している。米国の読者はiPhoneでInstant Articlesにアクセスすると、リッチなコンテンツ体験が得られるそうだ。
きれいな写真もパッと表示 |
ピンチイン・アウトもできる |
動画も見られちゃうんだぜ~ |
Instant ArticlesについてWebメディアの専門家たちは「メディアがコンテンツプロバイダーに過ぎなくなる」「Webメディアに終わりが見えてきた」「目的は動画やユーザーの滞在時間だ」などといろいろ書いている。そうよねえ。
でもそれって、いままでメディア運営側としてSEO対策やらアクセス解析やら何やらグーグルに払っていた金がFacebookに払われるようになるって話にしか聞こえない。実際に記事を書いてる側からすると、何が変わるの? って感じだ。
そのうちInstant Articles専門のニュース配信会社が出てきて、老舗メディアが涙目になるんだろうなとは思う。ハフィントンポスト出身者がやってる『NowThis』なんて、公式サイトは各種サービスの公式アカウント案内しかない。
ていうかさー、Google、Facebook、YouTube、Instagram、Twitter、なんかもう「はいはい、次はどこと組んだらいいの?」って感じがしないかね。出版社・新聞社はむしろ原点にもどってガリ版刷りでもやった方が新しくていい気もしている。
──あ、べつにFacebookに恨みがあるわけじゃないのよ。マーク・ザッカーバーグ日本に来たときかっこよかったし(関係ない)。ただ、週アス完全デジタル化を前にして嵐の予感なのであった。オッケー大丈夫、泳げる泳げる!
写真:Facebook
■関連サイト
Facebook Instant Articles
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります