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六本木ヒルズ49階に新型ドローン『Phantom 3』が飛来!

2015年04月22日 21時45分更新

4月21日六本木ヒルズライブラリーカフェで、世界中でベストセラーになった空撮マルチコプターDJI Phantomシリーズの最新モデル『Phantom3』が日本国内で正式発表された。これは先代Phantom2 Visionの後継モデルにあたり4K撮影にも対応。

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オープニングセレモニーでステージに飛来したDJI『Phantom3 Professional』。飛行安定に定評のあるPhantomに最新技術が追加されただけあってステージの上の空中でもぴたりと静止したままだ。


ワールドワイドでの発表は4月9日だったので、すでにニュースとして取り上げたように、ラインナップは4K撮影可能な『Phantom3 Professional』(左)とHD(1080p)撮影の『Phantom3 Advanced』(右)の2機種だ。

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価格はProfessionalが17万5000円、Advancedが13万9800円(いずれも税込み)。いくつかの代理店・ショップはすでに先行予約が行なわれており、かなりの数のオーダーが入っているという。発送は5月からとのこと。

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外観的にはフレームにペイントされた2本線が金(Professional)か銀(Advanced)、といった違いくらいしかない。

撮影機能を除けばスペックもほぼ共通。カメラは機体下の3軸ジンバルにマウントされ、機体の前後左右の傾きを補正して常に水平を保った撮影が可能。画像はリアルタイムにWi-Fiで伝送され、プロポ(コントローラー)に装着したタブレットを見ながら撮影・飛行ができる。

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機体サイズやデザインは先代『Phantom2』とあまり変わっていないように見えるが、実は細かく機能アップしている。

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とくに飛行性能に関してはESC(Electric Speed Controller)をより高品質なものとした点が大きい。ESCはモーターの回転速度をコントロールする部品で、モーターの回転数を細かく制御するとともに、大電力を扱う部品だけに電力損失には大きく影響する。

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ESCの高効率化とリチウムポリマーバッテリーのモデルチェンジ(3セル5200mA→4セル4480mAh)したことにより、あわせて25%の飛行性能改善を図っているという。Phantom2でも約25分(吊り下げるカメラによって異なる)というドローンとしては驚異的な飛行時間を持つことを考えれば、システムとしての完成度はものすごいものがある。

また、機体下部には光学式・超音波式のセンサーを搭載。マルチコプターは加速度センサーとジャイロセンサーのデータで機体の傾きを検出して飛行を行なうが、さらにGPSや気圧高度計を用いて自機位置を測定すれば飛行が安定する。

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超音波・光学センサーは、ソナーの原理で対地高度を、画像認識の技術で機体の前後左右のずれ(横風などによる移動)を計測するもので、GPSや気圧高度計に比べてはるかに高い精度で位置決めできるため、空中でピタリと停まるようなホバリングが可能。

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このほか、タブレット用アプリの機能に従来のリアルタイム画像の表示/カメラコントロールに加え、練習用のフライトシミュレーターが付いたのがおもしろい。先代に比べ飛ばすのが簡単になったとはいえ、ドローンを実際に飛ばすと機体の向きが分からなくなり操作ミスをする事はよくある。フライトシムで十分練習できるのは初心者の事故軽減に適した配慮といえる。

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さらに、DJIでは日本での発売に際して三井住友海上と提携、専用の賠償制度を設けた。これはPhantom3を飛ばしていて落下させ人を負傷、車にぶつけるなどして破損させた場合に利用できるもの。補償は基本的に製品とセットで、製品価格に含まれ1年間分が付属する。

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また、操縦者の講習会なども積極的に開催し操縦技能の育成に努めてゆくという。無謀な購入者による危険飛行や事故が話題になるたびに「ドローンは規制すべき」といった論調も見られるなか、正しいマルチコプターの使い方・接し方を積極的に広めてゆくようだ。

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そんななかゲストとしてドローンによる空撮の魅力を語ったのは、TBS『世界遺産』などの撮影を手がける“世界遺産カメラマン”矢口信男氏。

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矢口氏は5年ほど前から、これは撮影に使えると初期のドローンをアメリカで購入。その機体は初フライトでいきなり壊したものの、以降ずっと空撮にチャレンジし続け、2年ほど前からやっと思ったような映像が撮れるようになったという。

矢口氏「ドローン登場以前は、アマゾンの奥地でヘリによる空撮をしようとすれば、数千万円のコストがかかった。しかし、ドローンを使えば数十~数百万円でこれが実現出来る。ドローンは空撮に革命をもたらした」


また、Phantomを撮影機材のひとつとして捉えつつも、飛ばしていて撮影していること自体が楽しくなるのが素晴らしいともコメント。

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Phantom3はホビーユースしてならやや高額に感じられるが、本業の空撮カメラマンが使っているようなプロレベルの空撮機材として考えれば、意外とリーズナブルなのかも知れない。

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