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「ざわちん、すごいよね!」日本を愛する美人YouTuberミシェル・ファン

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ミシェル・ファン(27)YouTubeメイク動画のカリスマ

「3年で売上は1億2000万ドル(約140億円)。急成長を達成することができた」

 そう語る美しい女性はミシェル・ファン。現在27歳で、19歳の頃からYouTubeに300本以上のメイク動画を投稿している。750万人以上のファンがつき、再生回数は10億回を超えた。フォーブス「30歳以下の30人」特集でも受賞している。

 ちなみに明日4月11日が誕生日で28歳になる。ハッピー・バースデイ。

 ミシェルが語った年商はYouTubeでの広告収入ではなく、自身が立ち上げた化粧品の定期購買サービス『イプシー』(ipsy)によるもの。月額10ドルで化粧品のサンプルが送られてくるという内容で、現在米国とカナダで展開している。

「毎月中旬に『グラムバッグ』という総額10ドル以上相当の化粧品や美容用品がつまったバッグを送っているの。配送してるバッグは毎月100万個ほど。製品を提供してくれる化粧品ブランドは200以上で、ブランド側のリピート率は90%以上」

クリエイターのためのインフラを作りたい

 すさまじい実績は自身がYouTubeでつちかった「影響力」によるものだという。

「影響力は新しい通貨のようなもの。影響力を使うことで、新しいビジネスを作ることも(既存の市場を)破壊することもできる」

 2013年にはロレアルで自身のメイクブランド『em Michelle Phan』を作ったり、また自分と同じようにYouTubeで活躍したいと思っている人々を宣伝・支援するためのコミュニティー『ICON』を立ち上げたりと、活躍はひとつにとどまらない。

 とりわけICONにかける思いは強い。いまアメリカでは、マルチチャンネルネットワーク(MCN)という動画の収益化支援団体、あるいは芸能事務所のような事業が伸びているが、ミシェルはMCNには懐疑的だ。

「MCNには興味がない。1つのネットワークに数百のチャンネルを束ねるだけで、クリエイターに対するサポートも支援もないから。才能のある優秀なクリエイターに焦点をしぼり、彼らがブランドを立ち上げるためのリソースを提供したい」

 事業者がただ大量のチャンネルを束ねて利益を取るだけではクリエイターのためにならない。自身もクリエイターであるミシェルが初めてYouTubeに動画を投稿したのは、コスメ売り場に抱いた1つの疑問がきっかけだったという。

ウエイトレスのバイトをやめて"YouTubeクリエイター"に

「どうやったらきれいに見えるのか、どうやったらうまくメイクができるのか学ぶには、化粧品の店に行ってカウンターで店員から教わるか、あるいはお金を払って本を買うしかない。メイクの仕方を学ぶにも“資質”が必要だった」

 そう感じたミシェルは、学校で支給されたノートパソコンで動画を編集、投稿をはじめた。つい最近までは、すべての動画を自分で編集していたそうだ。

「最初は見てくれるか半信半疑だった」とミシェル。しかし、加入者数が10万人を超えて再生回数も100万人を超えたところで手ごたえをつかみはじめた。

 だが、最初はいくら再生されてもまったくお金にならなかった。ウエイトレスのバイトをしながらこつこつ動画をアップロードしつづけること2年間。ようやく広告収入を得られるようになってから少しずつ環境が変わっていった。

「1日25セント、2ドル、5ドル──と増えていった。1日25ドルの収入をあげられるようになったときから、YouTubeクリエイターに専念するようになったの」

 プロとして稼ぐようになると、お金の問題はついてまわる。昨年には、初期の動画に使われた楽曲が著作権を侵害しているとして、レコード会社から損害賠償を請求された。

「悲しいこと。個人的に間違ったことはやっていないと思っている。ミュージシャンの方からも応援してもらっているし、(楽曲を使ったのは)クリエイターをサポートしたい気持ちがあったもので、音楽を勝手に盗もうとしたわけではない」

 自身の経験をふまえ、YouTuberのコミュニティーであるICONで「どんな音楽を使うべきか」といったアドバイスをする側に回りたいと話した。

日本大好き、アニメ大好き

 ミシェルは日本大好きなことでも知られている。漫画『セーラームーン』や初音ミクなどキャラクターをイメージしたメイク動画もアップロード。「わたし自身アニメ大好きで」とミシェル。「(メイク動画で有名な)ざわちんはすごいよね!」

「日本にはアメリカと違うアイデアを持つクリエイターがたくさんいる。アメリカだけではなく世界中で日本の文化は感心が高い。アニメやゲームもそう」

 そんなわけで日本はミシェルにとって大事な市場。ICONは次の秋から冬にも日本で展開する予定があるらしく、その前に「半年くらい日本に住んでみる必要があるかも」とも。

 来年、原宿あたりでミシェルにばったり出くわすことがあるかもしれない。

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