突然ですが、みなさん日々体を動かしていますか?僕は運動をほぼしない毎日を編集部で楽しく過ごしています。しかし、このままだと確実に体力は衰え、近い将来おなかがぶよんぶよんのままおっさんになることを間違いナシ。最近危機感を持ち始めた僕へ、チャンスとも言える取材案件が転がりこんできました。
●Tarzanがdマガジンに追加されていた!
筋肉トレーニングや、体幹トレーニング、ダイエットについてなど、驚くほどの情報量が網羅されているTarzanが、月額432円で120誌以上の雑誌が読み放題になるdマガジンのラインアップに加わっていました。マガジンハウスの雑誌は“紙”で読むイメージが強かっただけに、スマホから気軽に読めるのはうれしいところです。そこで、dマガジンでの電子版刊行について、見た目ほぼアスリートのTarzan編集部の大田原透編集長に突撃取材を敢行してきました。
●走りながらの突撃取材
お話を聞くためだけに時間をいただくのは恐縮なので、走りながら取材することに。僕も大田原編集長も、走る気マンマンでのスタートとなりました。
スタート直後、編集長はもちろん僕にもまだまだ余裕があったので、1つ目の質問。「電子版を配信して紙媒体の部数に影響はありましたか?」と聞いてみました。
編集長によると、dマガジンでの配信のあと紙媒体の売り上げ部数も1〜2割向上したそうです。向上の大きな要因としては、「お正月のダイエット、冬の時期の肩こりや腰痛の特集が見事にハマったこと」だと教えてくれました。続けて「dマガジンのおかげで、Tarzanを筋トレ一辺倒の雑誌と誤解していた人に身近なテーマを取り上げる雑誌だと理解していただき、読者の裾野が広がった」とのこと。数多くの雑誌を気軽に斜め読みできるdマガジンならではのメリットですね。
また、Tarzanでは掲載号の“旬”を常に考えて特集を組んでいるとのことで、その中でも売り上げ部数が伸びるのが春から夏にかけてとのこと。暖かくなることでコートなどが必要なくなり、体のラインが見え始めるので体型を気にする人が多くなり、Tarzanを手に取るという流れなんだそうです。
やっぱり、読者にニーズに合致した強いコンテンツを出していかないと雑誌は売れないんだなと、肝に銘じました。
スタートから10分ごろ、僕はすでに息があがっています。一方、編集長は涼しげな表情で取材に付き合ってくれています。年齢差は21歳もあって「僕のほうがかなり若いはずなのに!」と悔しい気持ちを抑えながら、なんとかペースだけは維持しようと奮闘しました。
続けて2つ目の質問として、Tarzanの読者年齢層を聞いてみたところ、コア読者は30代~40代前半。また、仕事が忙しくて運動する機会が減る20代の社会人が購読を始めるパターンが多いそうです。
男女比率は7割強が男性、2割から3割が女性ですが、販売部数から考えると3~5万部は女性が読んでいることになります。この比率について編集長は「記事のバランスを取るのが結構大変ですよ」と笑いながら語ってくれました。
続けて3つ目の質問へ。dマガジン配信による読者層の変化について聞いてみたところ、「まだ結果を取りきれていないが、今のところ目立った変化はない」とのこと。一方で、「とはいえdマガジンからの数字を見ると、あきらかに今まで立ち読みもしなかった層が、気軽に雑誌をのぞいてくれていることがわかるので、効果の高さを大いに実感しています」ということでした。
スタートから15分後、息が上がりきり、なんだか腹も痛く、足にも何かがジンジン襲ってくるようになってきました。日ごろ運動を全然しないので、学生以来5年ぶりぐらいの久々の感覚です。編集長は憎たらしいほど涼しげな表情をくずさずに走っています。息もあがっていない様子……。さすがにここまで差があるとショックを受けます。
さらにショックが続きます。ひととおりインタビューを終えて、それぞれのペースで走ったところ、圧倒的な差をつけられました。僕は全力疾走の気持ちで追いかけようとしましたが差は開くばかり。
ショックを受けながらも、僕の到着を待っていただいたていた編集長に最後の質問。「電子版配信によって編集部の制作体制は変わりましたか」と聞いたところ、編集部内の制作体制は特に変わっていないとのこと。入稿データは“紙”も電子版も同じとはいえ、電子化する手間は必ずあります。Tarzan編集部は運動好きの戦闘集団なので、仕事量の増加を有り余る体力で乗り切っているということなのでしょうか。
ゴールへたどりついて、情けないやらショックやらで泣きそうになっているところ、大田原編集長が僕の肩に手を置き「大変だったよね」とひと言。せめて、もう少し編集長とまともに走れるように、運動して体力をつけようと思った瞬間でした。
●実力差を数値で振り返る
圧倒的な差をつけられたワケですが、心拍数からその実力差を振り返ってみます。僕は緊張もあり走る前から心拍数が高めだったこともあり、マックスは200を超えています。対する編集長は最大でも120以下でした。ちなみに、編集長の平常時の心拍は68程度だそうです。
ここで注目していただきたいのが、心拍数の最低値と最高値の差。1秒目が最低値で1700秒目が最高値となります。僕の差は84でしたが、大田原編集長はなんと35。ランニング時の心拍への負荷が倍以上も違うことがわかります。燃費の悪い小型エンジンと、燃費のいい大型のエンジンの差といったところでしょうか。
さすがにここまで差がつくのは悔しいので、毎日とはいかなくても運動をする機会をつくるか、Tarzanを参考に筋トレに励んで少しでも健康的になれるようにしたいものです。
大田原透
1968年4月、東京生まれ。1991年、法政大学卒、(株)マガジンハウス入社。1992年にTarzan編集部に配属、2005年に同誌の副編集長、2007年に編集長に就任。好きなスポーツは、ランニング、ロードバイク、MTB、トレイルランニング、トレッキング、スノーボーディング。 現在の課題は、上半身の筋力強化。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります