大手量販店、マジ絶望ってなことにならなければいいのだけれど。
価格.comがiOS版、Android版アプリを同時リリースした。今までなかったの?と思うほど意外かもしれないが、価格.comアプリは今回が初のようで、バージョンも1.0。できたてほやほやだ。
位置付けとしては価格.comの各種機能にアクセスしやすくしたネイティブアプリということになる。ただし、最大の特徴は、パッケージのバーコードで商品検索ができるところ。起動直後のファーストビューに"バーコード検索"機能が目に入るUI設計になっていることから、スキャンだけで価格が調べられる機能に気づかないという人はまずないだろう。
「商品を見て触るのは店頭で、買うのはネット通販で」のいわゆる"ショールーミング"を問題視する量販店は多い。量販店の店舗にとっては、自社ECサイトですら、ある意味商売敵だ。
ショールーミングをめぐって個人的に印象深いのは、2013年10月にZOZOTOWN(スタートトゥデイ)がリリースしたファッションコーディネートアプリ「WEAR」。
バーコードスキャン機能をウリにデビューしたこともあり、ショールーミングを加速するのでは?と賛否両論が巻き起こった。結果として半年後の2014年4月にバーコードスキャン機能を廃止した。
廃止の理由のなかには、「盗撮と間違われるおそれがある」なども挙げられるが、リアル店舗たる小売店側からの、売上低下に対する強い懸念の声があったことは想像に難くない。
実際のところ、バーコード検索機能は、ECサイト大手のAmazonアプリにも入っているし、楽天アプリにも搭載されている。違いは、どの程度認知しやすく実装されているかどうかだ。
その点では、楽天はもとより、黒船たるAmazonですら、少しばかりリアル店舗に遠慮をしている。検索窓をタップしてはじめて、"バーコード検索機能"が明示されるからだ。
Amazonアプリ。検索窓右端に、バーコードのようなアイコンは表示されているが、あまり目立たせない意図が見え隠れする。タップすると、バーコードスキャンもできる旨を表示する。 |
楽天アプリ。こちらは検索窓自体には何も表示されない。検索窓をタップしてはじめて、バーコードスキャン機能があることがわかる。 |
ショッピングモールアプリのバーコード検索機能がどうあるべきか?は一筋縄では解決できない賛否をはらんでいる。
さしあたりは、ユーザーが節度をもって使うという当たり前のことを指摘するしかできないのだけれど。
●関連サイト
iOS版 価格.comアプリ(AppStore)
Android版 価格.comアプリ(GooglePlay)
価格.com、iPhone・Androidアプリを提供開始(リリース文)
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