みなさん最近、名画座に行かれましたか?こう見えてもシャクライ、昔は大井武蔵野館(閉館)、三鷹オスカー(閉館)、週アス編集部のそばの飯田橋ギンレイホール等で時間があれば名画を観ていたものですが、最近はパッタリ……。
これでは駄目だ!名画座の灯を絶やすなとミズグチさんと意気投合。急遽、名画鑑賞企画が持ち上がりました。
が、だいぶご無沙汰していたせいか、ここ数年の名画座事情を知るにつけ、あの頃以上に厳しい状況だと実感。最近はミニシアター系が、当時の名画座のような懐かしいフィルムを上映するケースが増えているというようだと把握しました。
そしてそんな中、今回注目した映画館がラピュタ阿佐ヶ谷。
その映画館名も気になるところですが、シャクライの興味を引きつけたのはその時組まれていた、“東宝マニアック青春劇画特集”というプログラム。
名画座といえば、名画の上映もさることながら、今ではあまり観ることができないレアなフィルムが上映される点も大きな魅力。
この時ちょうど上映されていた『混血児リカ ハマぐれ子守唄』もまさにそういった映画で、なんというかこの“ハマぐれ”という単語にもうシャクライはシビレまくり。
ミズグチさんが気になっていた別の映画館で上映中の“岡本喜八特集”“追悼・高倉健特集”といった正統派名画特集を退け、ゴリ押しまくり。
この『混血児リカ ハマぐれ子守唄』がシリーズ3作目で、1作目、2作目も当然観ていないにもかかわらずゴリ押し。
なかば強引にミズグチさんを納得させて、翌日には阿佐ヶ谷駅に降り立ったのでした。
駅から歩くこと1~2分。ラピュタ阿佐ヶ谷に到着。
この映画館、たまに乗るJR中央線の車内からからも見えるので、前々から少し気になっていました。しかし、いざ直面するとなかなかインパクトのある外観で、興味をそそられます。
中にはこんな建築模型も。
映画館名は『天空の城ラピュタ』から引用されたそうです。たしかにちょっとそんな雰囲気が感じられます。
館内の待合室には、思った以上にお客さんが。少々お年をめしたというかシャクライたちと同世代、あるいはその上をいく世代の紳士たちが待合スペースで歓談。上映時間を今や遅しと待っている感じです。
ミズグチさんとシャクライもあらためて上映作品のポスターをチェック。
なかなか魅力的です。主演の青木リカさんはこれが初見ですが、昭和テイストあふれる女アクションスター感がビンビン伝わってきます。
そして入場券(一般1200円)を握りしめ、いざシアターへ。
座席数は48席と少なめでミニシアターな感じですが、ほぼ満席。これはなかなか注目度の高い作品なのではないか? と、いやがおうにもテンションはアップ!
そんな期待高まる中、映画が始まりました。
映画は「よくこんなにたくさんの要素を85分に盛り込んだなぁ」というぐらい急展開な内容でした。
なので、映画が終わった直後はスグに立ち上がれないという、イヤな疲労感が残る映画だったワケですが、とはいえミズグチさんとシャクライの脳裏には数々の印象的なシーンが残りました。
まず、もっとも印象に残ったのは物語の中で知り合ったジュン(市毛良枝)が人身売買組織にさらわれて、リカは一刻も早く助けに行かなきゃというシーン。救出に向かう道中でリカは思いを寄せる隠密刑事五郎と合流。そのシーンの直後、いきなり牧場でふたりが抱き合いだしたときには、え? え? 友達よりそっちのほうが大事なの!? と目を疑いました。
さらに、リカとズベ公軍団が精神病院に送られ、全身毛むくじゃらのゴリラ男(マンモス鈴木)と遭遇するシーン。そのゴリラ男が性欲を抑えるために「いつも生魚を食べている」という発言が、ホントかウソか妙に印象に残りました。
そして、最後のスタッフロールに“田中邦衛”の名を発見! いったいどこに出演していたんだ? とミズグチさんと話し合ったら、同じく精神病院のシーンで“自分のことを日本兵だと信じ込んでいる危険な患者”が一瞬登場。それが邦衛氏だったとわかり、その贅沢すぎる起用にショックを受けました。
と、ほかにもすぐに火を付けちゃう“八百屋お七”や、画家の卵を誘惑する“くちなわのお京”など、気になる魅力的なキャラが満載でした。ちなみにミズグチさんの心に残った名シーンは……。
結局、最後まで観ても“ハマぐれ”の意味がよくわからないなりになんとなくはわかったような気がしましたし、シャクライ的にはたま~にこの言葉を使っていくことで、名画座の灯を21世紀に残していこうと思いました。
そんな名画座レポート。この作品以外にも各名画座やミニシアターではさまざまな魅力的なプログラムが組まれていくと思います。皆さんも“ハマぐれ”てる暇があったら、名画座に足を運んでみてはいかがでしょうか。
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