乗り継ぎ以外では、およそ10年ぶりにテキサス州にやってきました。“SXSW 2015(サウスバイサウスウェスト)”の取材です。元を辿れば音楽を中心とした歴史のあるトレードショウで、それに映像メディアが加わり、さらにインタラクティブが加わりました。インタラクティブ部門はゲームやソーシャルメディア、近年はIoT関連やITスタートアップなどの参加で注目を集めています。あのTwitterもSXSWで注目を集めたサービスのひとつです。
SXSW 2015でテキサス州オースティンにやってきました |
今回、SXSW初取材となったのはサンフランシスコで長らく開催されていたイベントの“Macworld Expo”が開催中止になったため、という残念な出来事がきっかけでした。開催中止は開催予定日の約5ヵ月前に発表されましたが、例年取材を続けていたこともあり、すでに6ヵ月前には航空券を手配していたのです。この渡米を空振りに終わらせないためというとやや消極的ですが、近年注目していたSXSWの会期がほぼ同時期ということで、テキサス州のオースティンまで足を伸ばしました。
SXSW 2015の会期は3月13日から22日まで10日間。Filmと呼ばれる映像メディアは13日から21日、Interactiveは会期前半にあたる13日から17日まで、Musicは後半の18日から22日まで開催されます。入場バッジは部門別に分かれていますが、すべての部門に参加できるGold、Platinumバッジも用意されています。
おもな会場となるオースティン・コンベンションセンター |
なにせSXSWは初めての取材なので、「そんなのジョーシキ」と言われるかも知れませんが、いろいろビックリすることがありました。まず会場をはじめ、周辺のあちこちの柱やパーキングメーター、それに樹木やゴミ箱など、いわゆる棒状のものにはすべてラップが巻いてあります。会場周辺のテーブルや椅子にも。新品の下ろしたて? 違うようです。もう前日から会場周辺にはバンバンとポスターやチラシが貼られまくるので、その対策です。10日間にもおよぶイベントが終わると、ラップごと剥がして元どおりになる仕組み。糊やテープの跡も残りにくい。
いやあ、よく考えられています。ちなみにラップの巻かれたパーキングメーターは機能しませんが、会期中は周辺の路上駐車自体ができなくなるようです。路線バスも、会期中は周辺の停留所に停車しないことが明記されていました。ホテルやサテライト会場とのシャトルバスが大量に走るので、渋滞を避けるためでしょう。明日からはそれだけの人がやってくるということです。
ラップでグルグル巻きのパーキングメーター |
ラップのうえにポスターやチラシを貼っていきます |
ゴミ箱も同化 |
会期中は路線バスの停留所も移動します |
そんなポスターやチラシですが、情報収集には欠かせません。トレードショウとカンファレンスが行なわれるオースティン・コンベンションセンターはあくまで主会場で、会期中はダウンタウンそのものがSXSWの会場とも言える規模。なかにはガイドブックに載ってないイベントもあります。同時並行的にさまざまなイベントが進行するので、スケジュール管理と来場者どうしの口コミは必須と言えるでしょう。
やはりここは、スマートフォンアプリを活用するのが良いようです。アンドロイド用、iOS用がそれぞれダウンロードできます。出展者情報やカンファレンスのスケジュールを検索して、自分自身の予定を考えることができます。欧米の大規模展示会ではこうしたイベント用のアプリは定番ともいえるものですが、出来の善し悪しはさまざまです。いろいろ使って来ましたが、SXSWのアプリはかなり使いやすい。そして高機能。Beaconにも対応していて、現在地の近くで開催されているイベント情報がプッシュで配信されてきます。飛び込みで、何かに出会える可能性もありそうです。
SXSWの公式アプリ。エリアにはiBeaconが配置され、イベント情報やユーザーどうしのマッチングもプッシュ通知可能です |
ダウンタウンのほぼすべてが会場。コンベンションセンターはもちろん、隣接するホテルや飲食店、公園など街のすべてがイベント会場です |
入場バッジとガイドブック。取材用のカメラは登録制で、タグをつけた機材のみが使用可能です |
お馴染みのところでは、グーグルがコンベンションセンターから数ブロック離れたところに一棟を使ってイベント会場を用意していました。“Google fiber”となっているので、米国内の一部都市で展開をはじめているGoogleによるファイバーサービスをテーマにした会場のようです。こちらはオープン次第、レポートしたいと思います。
一棟を使ったGoogleのイベント会場。Google fiberの文字が |
オープンは、15日の日曜日から21日の土曜日まで。ここはバッジがなくても入場できるエリアになる模様。13日の夜にはオープンニングパーティが開催予定です |
会場横のスペースに大量に運び込まれる4Kテレビ。ここも何らかのイベント会場に。トヨタも近隣で会場準備を行なっています |
会期前日も突貫で準備中。音楽部門は会期後半が中心なので、ここは音楽向けでしょうか? |
スポンサー企業もそれぞれイベントやカンファレンスを行ないます |
これはSXSWとは関係のない工事のようですが、コンベンションセンターのすぐ隣で大規模な開発を行なっています。ダウンタウンには他にも工事中の高層建築物が多数 |
トレードショウには、日本のスタートアップ企業も多数が参加します。トレードショウは15日(現地時間)からになるので、こちらもスタート次第行ってきたいと思います。
■関連サイト
SXSW 2015
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります