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東大発のドローン プログラマブルで自律航行する『Phenox2』が登場 WiFiでリアルタイム通信可能に

2015年03月13日 12時45分更新

 東京大学のベンチャーPhenox Labによる、世界初のオンボードで自律航行、プログラミングが可能なドローン、クワッドコプター“Phenox(フェノクス)”の最新バージョン『Phenox2』が米国のクラウドファンディングサイトKickstarter(キックスターター)で資金募集を2015年3月13日に開始した。2014年6月にKickstarterに登場したPhenoxはわずか2日で予定していた30台で、2万3000ドルを獲得して達成した。新しいパッケージで、2度目の世界航行に挑戦する。

Phenox2

 Phenox2は500台を出品、支援金額は5ドル~840ドルで期間は36日間。Phenox2のある支援プランは2つで、520ドルのプランがメインボードキット、840ドルのプランが組み立て済みの完全パッケージキットとなっている。出荷は9月~10月を予定している。

 Phenox2の特徴についてフェノクス・ラボの此村領チーフエンジニアから、「これまでユーザーと1対1の関係であった従来のPhenoxから、WiFiモジュールを介してインターネットに接続できるようになったことで、“空中を自律的に移動できる超小型Linuxサーバー”として、見方を変えれば“汎用的な超小型モバイルIoTロボット”としてのアプリケーションの幅が大きく広がったことがポイントではないかと思います」とのコメントが届いた。

Phenox2

 Phenox2は、デュアルコアCPUとFPGA(プログラミング可能な集積回路)を積んだ『Zynq』、256MBのDDR3メモリー、マイクロSDスロット、カメラを前方と下方に2台、WiFiモジュール、マイクなどを58ミリ×35ミリのメインボードに搭載している。Linux(Ubuntu)を採用して、ユーザーがプログラミングして、Linux上で命令を実行できる。搭載されるカメラで周囲の特徴点を自動認識して航行したり、音声によって動作制御することが可能だ。最大の特徴はWiFiモジュールを搭載したことで、カメラの撮影画像をリアルタイムでPCやスマホに転送できる。Linuxなのでもちろんオープンソース、Phenox自身がオンボードドローンのプラットフォームになる可能性がある非常に楽しみなプロダクトだ。

Phenox2

 Phenox Labは現在、米国テキサス州で行なわれているエンターテインメントの祭典“SXSW(サウスバイサウスウェスト)”にも出展中。より完成度の高まった、Phenox2に注目だ。なお、3月17日発売の週刊アスキー1021号には、フェノクス・ラボの此村領チーフエンジニアが対談連載ページ“インサイド・スタートアップ”に登場してもらっている。こちらも合わせて、ぜひ読んでいただきたい。

■関連サイト
Phenox 2: A Programmable Drone & Platform(Kickstarter)

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