驚異的なスピードだ。資金募集を開始し、わずか1日で750万円を突破。今日までに1500万円以上が集まった。
『夕凪の街 桜の国』『さんさん録』などで知られる、漫画家・こうの史代さんの名作『この世界の片隅に』。本作をアニメ映画化しようというプロジェクトが、クラウドファンディングのMakuakeで始まっている。
監督は片渕須直さん。代表作『マイマイ新子と千年の魔法』(2009)は昭和30年代の山口県を舞台としたアニメ映画で、クチコミで1年以上におよぶロングランを記録した。2012年にはクラウドファンディングのキックスターターで同作の英語版DVD制作資金を募り、10万ドル(約1200万円)を超える出資を集めている。
漫画『この世界の片隅に』の舞台は、こうのさんが描きつづけてきた出身地の広島。1944年、大戦の最中に暮らす18歳の少女、すずの営みを綿密な取材をもとに描いている。
片渕監督はアニメ映画化を目指して4年前から広島市や呉市の現地取材を進めてきた。「すべては、映画を観る人がまるで本当にそこで暮らしていると感じられるため」(製作委員会)といい、監督自身も取材の様子を細かくつづっている。
「愛すべきすずさんのいとおしさを、彼女がそこですごす『世界の片隅』のありさまを、そこに流れた大切な時間を、自分にできる限りの理解をした上で、映画の画面の上に描き出してみたい。そう思っています」(片渕監督)
ちなみに2人はNHKの短編アニメ『花は咲く』(2013)でもコラボレーションした経験があるそうだ。
アニメ制作は『坂道のアポロン』などを手がけたMAPPA、プロデュース会社は『ソードアート・オンライン』のGENCO。支援者は出資額に応じ、「すずさんからの手紙」や、片渕監督を囲む「制作支援メンバーミーティング」の参加権が得られる。
(C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
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Makuake
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