週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

あの試作機を初披露、マウスコンピューターのWindows Phoneとは?:MWC 2015

2015年03月04日 20時45分更新

 3月2日よりスペイン・バルセロナで開催中のMWC 2015。このMWCにおいて、マウスコンピューターが開発中のWindows Phone端末の試作機を初めて公開しました。最近、国内で続々と発表されつつあるWindows Phoneですが、その沈黙を破った端末としても非常に気になる存在。さっそく試作機の詳細を見ていきましょう。

■5インチ、LTE対応のミドルレンジ端末

 試作機との“ご対面”を果たし、手に持ってみた第一印象は「プレスリリースで見た試作機の画像にかなり近い」というもの。Windows Phone 8.1世代のスマートフォンとして、オーソドックスな端末という印象です。

20150304mwcwin
↑これがマウスコンピューターの試作機。詳細スペックは未確定だが、Windows Phone 8.1の基本的な動作は安定している。
20150304mwcwin
↑プレスリリースに掲載された画像そのままの試作機といった印象だが、背面にはマウスコンピューターのロゴをしっかり搭載。

 気になるスペックを詳しく掘り下げていきたいところですが、試作機は最終的な仕様ではないとのこと。画面サイズは5インチで、日本国内のLTEに対応したWindows Phone 8.1端末となることはほぼ間違いないようですが、それ以外はあくまで試作段階である点に注意が必要です。

 それを踏まえた上で、試作機『MOUSE M54TE』を見ていくと、画面解像度は1280×720ドット、プロセッサーはMSM8916、メモリーは1GB、ストレージは8GB、リアカメラは8メガピクセル、フロントカメラは2メガピクセルとなっていることがわかります。Windows Phoneとしては、まずまずのスペックといえます。

20150304mwcwin
↑画面サイズ5.1インチの『Galaxy S5』と並べてみると、ほぼ同じサイズ感であることがわかる。
20150304mwcwin
↑マイクロUSBポート、ヘッドフォンジャックなど、端末の基本的なインターフェースは上部に搭載している。側面にカメラのシャッターボタンはない。

 なお、複数の端末メーカーが認めるのが「Windows Phoneは、Androidよりメモリーの使用効率が良い」という点。Androidのヘビーな使い方では1GBのメモリーは物足りないものの、Windows Phoneでは必要十分な容量といえます。

 試作機の画像からもわかるように、この端末には「戻る」などのハードキーが見当たりません。しかしアイコン表示こそないものの、液晶画面の外側に静電容量式のボタンを搭載していました。ただ、一世代前の試作機ではソフトキーを採用するなど流動的な状態で、これも最終仕様は未定とのこと。

 背面カバーは取り外し可能なデザインで、内部にはマイクロSIMカードスロット、マイクロSDカードスロットが用意されています。本体カラーはホワイトとなっていますが、この構造なら、カラフルな背面カバーにも期待できそうです。

20150304mwcwin
↑本体カバーは容易に取り外すことが可能。SIMカードサイズはマイクロ、マイクロSDカードにも対応する。試作機で2300mAhのバッテリーは交換可能なタイプ。

 アプリについては今後の課題のひとつとしています。たとえば現時点では、ホーム画面の中央に“Cortana”が大きく配置されています。しかし日本語には対応していません。こういった日本で使えないアプリについては、ホーム画面から外す方向で検討しているとのことです。

■Android版など、Windows Phone以外は考えていない

 これまでPC製品やタブレットを手がけてきたマウスコンピューターとして、今回の端末は初めてのスマートフォンでもあります。なぜOSにAndroidではなく、Windows Phoneを採用したのでしょうか。

20150304mwcwin
↑マウスコンピューターでWindows Phone端末を開発している製品企画部長の平井健裕氏。スマートフォンでWindows Phone以外の選択肢は考えていないという。

 「たしかにAndroidなら、もっと早く端末を出すことができた」と平井氏は語ります。しかし「マウスコンピューターがスマホを手がける意義を考えても、やはりWindowsでやりたい。大きな画面から小さなものまでつくりたいと、ずっと考えてきた」と想いを語ります。

 Windows Phone 8.1では端末のハードウェア要件が大きく下がった結果、新興メーカーが続々とWindows Phoneに参入しました。たしかにマウスコンピューターも、これが端末開発のきっかけになったとのこと。しかしその根底には、Windowsデバイスをつくりたいという想いがあったことがわかります。

 平井氏は、「今後もWindows Phoneの後継機は考えているが、Androidを出す予定はない」と言い切るなど、Windows Phoneにかける想いは並々ならぬものがあるようです。

 Windows Phoneの優位性として、平井氏はOfficeの存在を挙げます。ただ、『Lumia 640』のようにOffice 365をバンドルして販売するような施策については、まだ難しいとのこと。この点についてはマイクロソフトの協力を待つことになりそうです。

20150304mwcwin
↑マイクロソフトの『Lumia 640』は、Office 365 Personalを1年間のサブスクリプションをバンドルする。他の端末メーカーでも同様の特典を利用できるような施策が待たれるところだ。

 価格についても大きなヒントが得られました。端末の位置付けはミドルレンジで、5~6万円のハイエンドではないとのことから、その下の価格帯への投入が期待できます。販売チャネルについても、MVNOとの提携を検討中で、法人向けにも高い需要を期待しているとのことです。

 今後はWindows 10へのアップグレードについても、提供する方向で検討しているとのこと。果たして国内初のWindows Phone 8.1端末となるかどうか、正式発表が楽しみな端末です。

■関連サイト
マウスコンピューター

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります