AMDはノートPCおよび省電力デスクトップPC向けの新型AシリーズAPU(コードネーム:Carrizo)の詳細なアーキテクチャーを発表した。
『Carrizo』は同社の掲げる“25x20 Energy Efficiency Initiative(エネルギー効率に関するイニシアチブ)”の達成に向けた製品であり、今後の製品ライアップに導入される予定。
『Carrizo』は新型x86 CPUコアの“Excavator”と次世代の“AMD RADEON”GPUコアを搭載。従来のAPU『Kaveri』が採用したCPUコア“Steamroller”よりも23%面積が縮小し、ほぼ同じサイズのダイの上に29%多い31億個のトランジスターを搭載する。
トランジスターの追加により、GPUコンピューティングを容易にする“HSA 1.0”仕様に業界で初めて準拠するプロセッサーとなる。HSAはGPUなどのプログラミング・アクセラレーターを大幅に簡素化することで、消費電力を40%削減しながらも、パフォーマンスも向上できるとしている。
『Carrizo』は複数の電力効率テクノロジーを実装している。たとえば、ドループと呼ばれる電圧の一時的な低下に対しては、ナノセカンド(10億ぶんの1秒)単位でドループに対する平均電圧を比較し、電力削減に結び付ける仕組みを実装している。周波数の調整をCPUとGPUの両方で行なうことで、電力消費をGPUで最大10%、CPUで最大19%削減するとのこと。
また、温度に電力センサー、特許取得済みの“シリコン・スピード・ケイパビリティ・センサー”と電圧センサーなどを搭載。その特定のシリコン特性、プラットフォームの挙動、運用環境のパラメーターにリアルタイムに適応することで、最大30%電力を削減できる“AVFS(adaptive voltage and frequency scaling)”と呼ばれる技術も披露した。
さらに、『Carrizo』は前世代の製品と比較して2倍の動画圧縮エンジンを搭載。専用のオンチップで圧縮効率の高い最新の“H.265”規格に対応する。それにより、4K解像度をサポートし、バッテリー寿命の延長、互換性のあるストリーミングビデオ視聴時の帯域幅要件の軽減を実現しているようだ。今後の同APU採用製品の発表に期待したい。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります