新商品発表会を数日後に控え、VAIOファンのみなさんは浮き足立っていることでしょう。まだ見ぬ新VAIOを全裸待機している間に、少しでもみなさんのVAIO欲を満たす記事を……というわけで、販売中の『週アス×VAIOコラボノートPCインナーバッグ』制作秘話をお送りします。
真夏のある日、アスキーストアの担当ふたりは東京・外苑前にある会社のオフィスを訪れていました。そこは、VAIOの純正バッグやインナーケースの製作を手がけるバッグメーカーの1社。アスキーストアとVAIO株式会社、バッグメーカーの各担当者が顔をつきあわせ、『コラボインナーケース』の構想を練っていたのです。
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2014年7月1日、VAIO株式会社が設立されました。折しも“VAIO”と週刊アスキーは同じ1997年生まれの同い年。立場は違えど、同志として同じ時代を歩んできました。そして、週刊アスキーも2014年10月14日に創刊“1000号”を迎え、両者にとってこの上ない節目と記念の年に「何か一緒にやりたい」という思いで商品開発の話が持ち上がったのは8月頃のことでした。
週刊アスキー1000号を記念して11月16日には秋葉原で開催するイベントも決まっていました。商品内容も決まらないうちから、“とにかく週アス1000号に告知を間に合わせる”こと、“11月16日にイベントで販売する”ことだけが決まったのです。
まずはVAIOユーザーが幅広く使えるノートPCインナーケース、という点はすぐに決定。この時点で期限まで3ヵ月ほど。限られた時間の中で商品完成までこぎ着けるには、既存のベースにカスタマイズを施す形で開発することに。編集部内でアンケートを採るなど理想のインナーケース像を探ると、「ちょっとした物やACアダプターを一緒に入れたい」という声が聞こえてきました。
それと並行してメーカーさんから提案があったのは、比較的短期間で実現可能という薄型ケース。純正ケースとして販売されていたクッション性のないタイプで、ノートPCを傷から守るのが目的です。奇をてらわないシンプルなケースだけにビジネスマンを中心に人気だそう。ただし、基本的にマシンのサイズぴったりにできているため、購入できるユーザーが限られてしまうという弱点がありました。また、アンケートで声が上がっていた“ほかの物を入れる”という部分を完全に諦める格好になりました。
本音を言えば理想のケースを作りたいが、なにぶん時間がない。今回はまず現実的な路線で進めようと言い聞かせ、冒頭の3者ミーティングがもたれました。真夏だと思っていたのは実は9月も終わりの頃で、ほとんど始動する前から期限はあと1ヵ月半しか残されていませんでした。
“VAIOのコーポレートカラーである勝色を使いたい”ということと、“黒いマシンが見やすいよう中と外は違う色にしたい”という2点はほぼ全会一致で決定。勝ち色、週アスのテーマカラーである赤、万人向けの黒を使った複数のカラーパターンを作ってもらって選び始めました。
作業を進める中で、メンバー全員の脳裏にどこか物足りなさがよぎっていました。
なんだかまっとうすぎて週刊アスキーらしくない……。
そう、遊びゴコロが足りない!
大勢に広く浅くウケそうな物は結局誰にも刺さらない、少なくとも自分たちは欲しいと思える確信のある物を作るべき……。そう考え、やはり諦めきれなかった“ほかの物を入れたい”という機能に立ち返りました。それに合ったベースを探してもらったところ、ずいぶん昔に販売したというインナーケースが見つかりました。画面比率が16:9になる以前のものだったため比率は違いましたが、ふかふかと柔らかく軽い素材、ゆとりを持たせればACアダプターも入る自由度はかなり理想と近いもの。これならノートPC以外のアイテムにも使える、それならカメラバッグのような仕切りが欲しい……とトントン拍子にアイデアが浮かんできました。
真ん中に写っている白いケースがベースとなったケース。 |
色は、デジタルガジェット好きが思わずビビッとくる“内側が赤”一択。黒×赤の週アスカラーとし、勝色はVAIOロゴタグでアクセント的に使うという意見もすぐに決まりました。
実際にバッグメーカーさんが起こしてくれた図面。 |
勝色を効果的に使うためロゴタグのみとしました。 |
仕切りを取り付けるためのベルクロをどのような向きにいくつくらい付けるのが便利だろうかと考え始めたところで、奇跡的が! インナーケースの内側に使われていた起毛素材は、ちょうどカメラバッグなどにもよく使われる材質で、どこにでもベルクロを貼り付けることができたのです。こうして、ノートPCだけでなくほかのアイテムにも対応できる2枚のベルクロ仕切りというオリジナルアイデアが生まれました。
実際とは若干違う材料で試作したファーストサンプルはこちら。
実際にVAIO 13インチなどを入れてみるとピッタリで、11インチのマシンならACアダプターが入ることも確認できました。2枚のベルクロ仕切りを使って半分に分ければ、ちょうど8インチタブレットのサイズになりました。
商品の仕切りを活用して8インチタブレットを2台入れたところ。 |
小さめのデジタル一眼カメラを入れることもできますし、上下2段に分けることもできます。ペン差しのように使えるというカスタマイズ法は、この記事で君国さんが書いてくれるまで気付いていませんでした。
仕切りをU字形にして貼り付けるとこのような分割が可能。 |
『VAIO Duo 13』のデジタイザースタイラスペンを収納(ペンはケースに付属しません)。 |
安全なスケジュールを優先して当初の案のままだったら、『週アス×VAIOコラボ ノートPCインナーバッグ』はごくスタンダードなインナーケースになっていたことでしょう。それが、納得いかないものを作ってもしょうがないという思いでひっくり返した途端にいくつもラッキーが起き、最終的にほかでは手に入らないアイテムになりました。数量限定ですが、まだもう少しあります。週刊アスキーとVAIOの思いをぜひ受け止めてください!
動画でのご紹介はこちら!
アスキーストア店員うえの&やまぐち |
このほかにも、アスキーストアでは一工夫あるアイテムを多数販売中。店員コンビによる動画の商品紹介は、ひと目で商品の機能や特徴、サイズ感がわかるので購入検討時に必見です! アスキーストアの公式TwitterやFacebookは、注目商品の販売開始情報をいち早くゲットできます。ぜひフォローしてね!
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