カメラ販売・写真印刷のカメラのキタムラが19日、名刺のスキャン代行サービス開始を発表した。全国900店舗で受け付ける。料金は300枚まで一律1800円、300枚以上は1枚6円。
スキャンデータは名刺管理ベンチャーSansanの名刺管理アプリ「Eight」に取り込む形で利用する。Eightは、スマホのカメラで名刺の写真を撮るとオペレーターが手入力で名刺の情報を入れる仕組みのアプリ。基本無料で、利用者は100万人を超えた。
カメラのキタムラとSansanは昨年8月から一部店舗で試験的にスキャン代行を導入していた。カメラのキタムラでは、Eight利用者層となるビジネスマンの集客に効果があると踏んだという。
店頭に持ち込み |
スキャン作業を代行 |
スマホで活用 |
リアルとネットをつなぐ仕組み
Sansanでは昨年からEightのアプリ単体だけでなく、リアルとネットをつなぐ仕組みを開発している。
やはり昨年から、都内のコワーキングスペースに小型スキャナーのScansnapを設置し、利用者に自分で名刺をスキャンしてもらうという取り組みも進めていた。同社でスキャナー向けのソフトを開発し、Eightに取り込めるような仕組みを開発したそうだ。
「当初はアプリだけでの展開を考えていたが、1枚ずつ写真を撮らなければいけないと言われると、2000枚くらい名刺をためている人は途方に暮れてしまう」(Sansan広報)
コワーキングスペースもカメラのキタムラ同様、名刺スキャンに集客効果があると踏んだ。地方からも引き合いがあり、現在全国30ヵ所のコワーキングスペースに導入が進んでいるという。
スマホ向けにビジネスを再発明
一方で、Sansanの売上主体となっている法人向けの名刺管理サービス「Sansan」には逆の変化がある。同社では米国・シンガポールで名刺管理サービスを展開しているが、営業マンは使っていない。
7年前のサービス開始時は、スキャナーの管理を含めて営業マンが足で回っていたが、「今後はプロダクト自体が走っていくような」(同)売り方にシフトさせるつもりだという。
「創業時はまだスマートフォンがなかった時代。Sansanをいま再発明するとしたら、と考えると、もっと違うやり方があるのではないかと考えた。それを日本でも展開していきたい」(同)
Sansanの設立は2007年、資本金は11億794万円。法人向け名刺管理サービスは月額3500円から。2000社以上が導入している。
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