週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

スマートソールからスマートバッグまで アイデア連発のスタートアップ発ガジェット:CES2015

2015年01月13日 12時30分更新

 CES2015のスタートアップ村ことサテライト会場のSands Expoのスタートアップ/IoT展示群。気になるアイデア系ガジェットをまとめました。
 Sands Expo内出展の個別記事についてはこちらもどうぞ

・アナログ時計っぽいのに”スマート”が新しい、『Withings Activite Pop』実機:CES2015
・充電不要のGPS内蔵スマートペダルはSIM内蔵可能!実機レポ:CES2015
・まずはCerevo XON SNOW−1、音声センサーListnrから。激アツだったスタートアップ注目出展:CES2015

■充電も対ショック構造もアプリ連携も付いてるギークなスマートバッグ AMPL Labs『Smart BackPack』

スタートアップ発アイデア系ガジェット:CES2015
外観は大柄なリュックサックというところ。結構よくできてますが、まだプロトタイプです。

 ソーラーパワーで発電するバッテリー内蔵バックパックなどは過去にもありましたが、ただバッテリーを積むだけじゃなくインテリジェントに、しかも大事なPCやスマホやタブレットをガッチリ守れるように!と求められる機能を詰め込み、外気温や気圧表示などを思うがままに(おそらく)付け足していっちゃった結果がこうなりました。
 「ぼくのかんがえたさいきょうのばっくぱっく」とでも言えばいいんでしょうか。想いを素直にプロダクトにぶつけられるってスゴイ。

スタートアップ発アイデア系ガジェット:CES2015
カバンの上部にインジケーターがあり。アプリとの通信状況(BTLE 4.0)などを表示できます。
スタートアップ発アイデア系ガジェット:CES2015
スタートアップ発アイデア系ガジェット:CES2015

インジケーターの表示例。ここまで多機能である必要があるのかは判断が分かれるところですが……。

 リュックサックとしてはかなり大きめ。そして外観では、上部の有機ELディスプレイが目を引きます数秒ごとにいろいろな表示にトグルで変わっていきます。誰ですか、ここまでする必要あるの?とか言う人は。コラコラですよ?そこにスペースがある限り何かで埋めるべしの精神。
 ちなみにショック吸収機構はカバンの底面部分。内部にダンパー機構を持ちショックを吸収するとのこと。

 ちなみに、展示はプロトタイプなのでかなり重く、持った感じ3-4キロはありそうです。
 搭載するバッテリー容量によって価格は異なりますが、最安仕様は299ドルから。2015年後半の発売予定とのこと。
 好みはわかれそうですが、ギークの集うオフ会などに持ち込むには鉄板のネタになるんじゃないでしょうか。

スタートアップ発アイデア系ガジェット:CES2015
専用アプリがカバンとBTLE4.0で通信して、バッテリー消費状況や周囲の温度なども手元でモニタリングできます。
スタートアップ発アイデア系ガジェット:CES2015
スタートアップ発アイデア系ガジェット:CES2015

左は実際に背負ってみたところ。背負うと思ったほど重量は感じませんが、大きいのは確か。内部構造は右の写真のとおり。同じCGは公式サイトでも確認できます。

■日本よ、これが本当のIoTだ 靴の中敷にBluetoothを仕込んだ『Digitsole』

スタートアップ発アイデア系ガジェット:CES2015
パッと見の限りではちょっとクッション材たっぷりめの靴の中敷という感じ。IoTなムードはゼロ。
スタートアップ発アイデア系ガジェット:CES2015
かかと部分を開くと充電端子(マイクロUSB)が登場。うーん、たしかに電気が通るガジェットです。
スタートアップ発アイデア系ガジェット:CES2015
スタートアップ発アイデア系ガジェット:CES2015

アプリの動作画面。最初に慎重と体重を入力(右写真)。これで歩数のセンサリングが設定されるようです。またヒーター機能は左写真で確認できます。中央のスライダー上下で温度を調節し、現在温度の表示も可能。

 つまりIoTってこういうことだよね、を改めて気付かされる製品。要するになんにでも入ってくるんですよ。Bluetoothやインターネットが。このDigitsoleは、Blutoothでつながる靴の中敷です。マジです。大マジメ。

 できることは、歩行数と消費カロリーを算出すること、そして自身で発熱することで、厳しい寒さにさらされる真冬の足をポカポカにすること(!)。もちろん、発熱レベルは専用アプリで自由自在に調節できます。
 プレオーダー価格は199ドル。

■いいね!やSNSの反響をアナログなパタパタ時計で見える化するソーシャルカウンター『FlapIt』

スタートアップ発アイデア系ガジェット:CES2015
日本語のメッセージがプリセットされていてびっくりしました。
スタートアップ発アイデア系ガジェット:CES2015
こんなふうに文字列表示も可能。

 Webサイトでいいね!やRT数を表示するのはごく普通になっていますが、これを店舗やオフィスや自分の机の上でリアルに表示できたら? そんなニーズを形にした製品。

 昔懐かしいパタパタ時計の仕組みを使い、主要な11のソーシャルメディアの指標を表示できます。

対応SNS Facebook、Twitter、Instagram、YouTube、Google+、Yelp、Weibo、Swarm、VKontakte、qzone、Odnoklassniki
無線 IEEE802.11b/g/n
サイズ 580(W)×125(D)×125(H)mm
重量 約3kg

 写真のように文字列の表示も可能。現在プレオーダー中で価格は299ドル。2015年4月から出荷予定です。

■問われるのはセンス。磁石でくっつけて電子回路と動作機構をつくるハイテクトイ『cubelets』と『MOSS』

 ロボティクスゾーンにあった知育系ハイテクおもちゃ。子供に遊ばせるトイですけど、これは大人が遊んでも楽しそう。「ロボット版電子ブロック」「LittleBitsのロボット版」とでも言えばいいんでしょうか。まずはこのあたりの動画をみてください。

スタートアップ発アイデア系ガジェット:CES2015
MOSSシリーズ。サイコロ状の機能ブロックを4つの鉄球(スフィア)でくっつけていきます。どういうものがつくれるかは動画をどうぞ。

スタートアップ発アイデア系ガジェット:CES2015
Cubeletsシリーズ。単体で車輪を内蔵したブロックなどもあり。同じメーカーの製品で、設計思想はかなり似ています。

 作り方は簡単。構造を意識しながら、ブロックを組み立ててセンサーやバッテリー、可動部を接続していく。ネジやドライバー類は不要で、磁石でカチャカチャとくっつけていくだけです。時間がなかったので遊ぶには至らなかったんですが、イイでしょ、これ。

 できることは似ていますが、cubeletsシリーズとMOSSシリーズがあり、それぞれ構成パーツによって価格が違います。

MOSS
・入門モデル Zombonitron1600 199.95ドル
  ロボットブロック 16個
  スチール球 56個(ブロックの合体に必要)

・上級モデル Exofabulatronixx 5200 599.95ドル
  ロボットブロック 52個
  スチール球 140個

Cubelets
・入門モデル Cubelets Six 159.95ドル
  キューブレット 6個
  ブリックアダプター 2個

・上級モデル Cubelets Twenty 499.95ドル
  キューブレット20個
  ブリックアタプター 4個

■回路をプリントできる電子プリンター『Voltera V−One』

スタートアップ発アイデア系ガジェット:CES2015
スタートアップ発アイデア系ガジェット:CES2015

 日本ではスタートアップのAgICが導電性インクを使って家庭用プリンターで回路を印刷可能にするプリンターハックのソリューションを発売しましたが、Volteraのプリントマシンは回路を直接基板にプリントするもの。会場でプリントのデモを実施していました。出荷は来年の予定。価格は未定ですが、メイカーズにとっては自前で回路基板をつくれるこのマシン、3Dプリンター並みに気になる1台になるのは間違いないでしょう。

■考えるサーモスタット Nestに対応したスマートロック『Kevo plus』

スタートアップ発アイデア系ガジェット:CES2015

 スタートアップではなく、むしろ60年もの歴史を持つドアハードウェアの企業ですが、IoTつながりということで最後に紹介。Kwikset社『Kevo』。

 アメリカですでにいくつかあるスマートロックの1社ですが、アメリカのIoT家電で潮流になりつつある学習するスマートサーモスタット『Nest』に対応した『Kevo plus』を展示していました。Nestは、昨年Googleが買収したことで話題になったスタートアップ。サーモスタットは日本では馴染みがありませんが、アメリカの一般家庭には普通に備え付けられている室温調節機器です。

 Kevoは、これまでのBluetooth接続による開閉に加えて、plusでインターネット経由での開け閉めに対応。さらにNest連携により、たとえば鍵をかけると、暖房をエネルギーセーブモードにする、といった連携動作が可能になります。
 会場では、ほかにもNest対応をうたう製品がいくつかあり、この分野におけるNestの注目度の高さがうかがえました。

 ちなみに会場周辺の家電量販店やアップルストアでは、『August』というスマートロックを店頭販売もしていました。スマートロックの店頭販売は昨年のCES2014では見られなかった光景です。スマートロック界隈ではKickstarter発の『Lockitron』などの例もあり、今後もっと競合が増えていくのかもしれません。

●関連リンク
AMPL Labs Smart BackPack(英語)
Digitsole(英語)
FlapIt(英語)
Modular Robotics(MOSSとCubeletsの発売元/英語)
Voltera V-One(英語)
Kwikset Kevo(英語)

 

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります