ラスベガスで開催されたCES2015にてクアルコムは、同社が参加するIoTの推進団体“AllSeen Alliance”についての特別展示を行なっていました。
AllSeen Allianceは、メーカーの垣根を越えて、冷蔵庫やオーブン、電灯などあらゆるものをネットで連携させようという統一規格です。
↑クアルコムのAllSeen Alliance特別展示コーナー。 |
展示コーナーでは、たとえば電気を付けたり消したりすると、テレビに通知が表示されるといったデモを披露。そのほかスマホから各家電をコントロールするアプリなども紹介されました。
↑各家電の動きがテレビの右上に表示される。 |
↑タブレットのアプリから各家電を操作。 |
従来のスマートホームの考え方は、ホストやサーバーとなるマシンに各機器を登録して、サーバーを経由してコントロールする方式でしたが、それでは設定や管理に手間がかかります。そこで、AllSeen Allianceは、対応の製品なら家庭内の無線LANなどに接続するだけで、手軽に各機器の連携ができます。
↑パッケージを見て、対応製品を買ってくればカンタンに連携させられる。 |
AllSeen Allianceには、大手家電メーカーが参加しているのがポイントです。日本メーカーとしては、パナソニック、ソニー、シャープが参加。海外メーカーでもLGエレクトロニクスやハイアールなどもメンバーとなっています。 今回のCES2015では、クアルコムだけでなくLGエレクトロニクスもブースにて、AllSeen Alliance対応の同社のスマートテレビから、各家電を操作するデモを行なっていました。
↑洗濯機やオーブンの終了時間をチェックしたり、ロボット掃除機を稼働させたりとWebOS搭載のスマートテレビから各家電をコントロール。 |
さらに、マイクロソフトもAllSeen Allianceに参加しており、年内のリリースが予測される『Windows10』向けてのSDKも配布されており、Windows PCからの家電のコントロールというのも注目です。
IoTの推進団体はAllSeen Allianceだけでなく、サムスンやインテル、デルといった企業が参加しているOIT(Open Interconnect Consortium)もありますが、今回のCES2015では残念ながらこちらの団体の目立った展示はありませんでした。
↑サムスンは自社のスマートホーム規格となる“SmartThings”の展示はしていたが、OIT関連の展示はなし。 |
とはいえ、AllSeen Allianceも、クアルコムとLGエレクトロニクス以外は関連する展示はなし。あるAllSeen Alliance加盟メーカーのブース説明員によると、「これから何ができるか進めていくところ」とのこと。
そのほかスタートアップ系の企業にも、IoTやスマートホームに関する展示がありましたが、独自規格での囲い込みでは普及への障害となってしまいます。AllSeen AllianceやOITといったオープンな規格を各メーカーが採用するかどうかが、IoTやスマートホームの普及への鍵となりそうです。
●関連サイト
AllSeen Alliance公式サイト(英文)
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