ラスベガスで開催中のCES2015にて、インテルは基調講演を行ない、同社の最新の取り組みについてなどが説明されました。なかでも注目されたのが、超小型モジュール『Curie』です。
『Curie』を紹介するインテルCEOのブライアン・クルザニッチ氏。あまりに小さいので筆者のカメラではこれが限界。 |
ステージのモニターをズームで撮影。親指の爪ほどのサイズしかないです。 |
昨年のCES2014では、同様にSDカードサイズのモジュール『Edison』が発表されましたが、『Curie』はそれよりもさらに小さなボタンサイズ。メインのチップセットには、Edisonと同じくウェアラブルに向けて開発されたQuarkを採用。さらにメモリーやBluetooth LE、充電、6軸モーションセンサー機能を搭載しています。
クルザニッチ氏は、ウェアラブルの普及に向けて、IT企業以外のパートナーシップを発表。基調講演では、スポーツウェアなどを提供しているオークリーのCEOコリン・バーデン氏も登壇し、アスリートのパフォーマンス向上に向けた製品の開発に取り組んでいると話していました。
壇上のライアン・クルザニッチ氏(左)とコリン・バーデン氏(右)。ウェアラブル製品を今年の後半にも提供したいとのこと。 |
Cureiのリリースは今年の後半を予定していますが、Curieを使うとどんなデバイスが登場するのか、そのあたりのヒントとなるのが、“インテル Make it Wearable チャレンジ”です。これは昨年3月に発表されたインテルが主催する、ウェアラブルデバイスについてのアイディアコンテストです。今回の基調講演では、その最優秀賞を受賞したチームも登壇しました。
小型のマルチコプターを開発したNixie。 |
Nixieはカメラ機能を搭載し、未使用時は時計のように腕に巻き付け持ち運べる小型のマルチコプター。前方に放り投げると、浮遊しながら写真撮影を行ない、ブーメランのように手元に戻ってくるというもの。コントロール用のモジュールにはEdisonを搭載しています。
腕に巻き付けられるというのがなんともユニーク。 |
本体中央部にEdisonが搭載されています。 |
会場のインテルブースにはNixie以外にも、“インテル Make it Wearable チャレンジ”で応募されたアイテムが多数展示されています。たとえば、『snowcore』はスキーやスノーボードに装着するアイテム。センサーにより位置やスピードが計測され、リアルタイムでスマホやゴーグルのディスプレーに情報として送られます。
スキーの板に装着したsnowcore。 |
板に装着した機器から情報を収集して、スマホやゴーグルでチェック可能。 |
ゴーグルには小型のディスプレーを搭載。滑りながらリアルタイムで速度がわかる。 |
また『ProGlove』は、工場などで作業効率をアップさせるためのアイテム。手袋に各種センサーを搭載し、製品や修理箇所に触るだけで、どの部品や工具を使うか、熱いので取り扱いに注意といった情報がディスプレーに表示されるというもの。
ブースでは、触った工具の種類をディスプレーに表示するデモをしていました。 |
このほかにも“インテル Make it Wearable チャレンジ”の公式サイトで、優秀作品が多数紹介されています。これら製品はEdisonを使ったアイテムばかりで、モジュールの小型化により、今までは搭載が難しかった衣服や機器でもセンサーや通信機能が利用できるようになっています。
Curieは、Edisonよりもさらに小型のため、装着するスペースや重量を気にせずウェアラブルデバイスなどが開発できるわけです。
基調講演では、この“インテル Make it Wearable チャレンジ”を今年も開催することが発表されました。応募は今年の後半とのことで、もちろんCureiをメインとしたアイディアが注目されることは必須。
前回の“インテル Make it Wearable チャレンジ”では、賞金総額130万ドル、最優秀作品は50万ドル(約5900万円)もの高額な賞金授与されました。日本でハードウェアスタートアップを考えているなら、Curieと“インテル Make it Wearable チャレンジ”に注目しておきたいですね。
●関連サイト
インテル Make it Wearable チャレンジ
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