CM総合研究所/CM DATABANKは『BRAND OF THE YEAR 2014』を開催。2014年度のCM好感度NO.1ブランドを発表した。
■史上初の8年連続首位 ソフトバンクモバイル
12月18日、CM総合研究所/CM DATABANKは2014年度のCM好感度NO.1ブランドを発表した。
2014年度銘柄別CM好感度TOP10(全7707銘柄)
順位 | 企業名/銘柄 | 代表作品名 |
1 | ソフトバンクモバイル/SoftBank | 白戸家:渋谷で |
2 | KDDI/au | チャンネルau :学割・特訓 |
3 | トヨタ/ TOYOTOWNキャンペーン | TOYOTOWN:のび太とジャイ子の娘 |
4 | NTTドコモ/NTT DOCOMO | 新料金の時代へ:U25 |
5 | 日本コカ・コーラ/ジョージア | 山田孝之:海の家従業員 |
6 | サントリー食品インターナショナル/ペプシネックス | 小栗旬:桃太郎Episode.ZERO |
7 | ダイハツ/Tanto | 菅野と石倉と青木:抱っこ |
8 | 全国都道府県及び全指定都市/ロト7 | 柳葉敏郎と妻夫木聡:人事異動 |
9 | トライグループ/家庭教師のトライ | トライさん:ハイジ・夏、ザワつくハイジ |
10 | サントリー食品インターナショナル/ボス | 宇宙人ジョーンズとタモリ:プレミアム対談 |
1位のソフトバンクモバイルは、史上初となる8年連続首位。おなじみの“白戸家”シリーズを軸に、堺雅人、橋本環奈などのキャストもが好評だった。
■娯楽系ジャンルではスマホゲームが躍進
2014年度 娯楽・興行業類 CM好感度トップ5
順位 | 企業/銘柄 |
1 | 全国都道府県及び全指定都市/ロト7 |
2 | ガンホー・オンライン・エンターテイメント/パズル&ドラゴンズ |
3 | ユー・エス・ジェイ/知名度アップ |
4 | ミクシィ/モンスターストライク |
5 | オリエンタルランド/東京ディズニーリゾート |
娯楽・興行業績のなかでも、玩具系のCMの放送回数トップ10のうち9銘柄がスマホ向けゲームアプリだった。嵐を起用した『パズル&ドラゴンズ』以外に、『キャンディークラッシュ』のKing Japanや、『白猫プロジェクト』のコロプラは複数のタイトルでCM展開をしている。
そのなかでも、ラスカルやLINEキャラクターとのコラボしたCMが記憶に新しいミクシィの『モンスターストライク』は、“新銘柄 CM好感度”で4位、“2014年度・放送回数”で7位、“12歳以下の男子の好感度”で7位など、積極的なCM展開が功を奏していたようだ。
■通信サービスと自動車業界が牽引 “映像”の強さが決め手
2014年度のCM動向と2015年の展望について、CM総合研究所/CM DATABANK代表、関根心太郎氏が解説した。2014年のCMの特徴として、定番ブランドの“進化”とコミュニケーションの“深化”、“すきま時間”の獲得、消費者を動かした“映像”の3点が上げられた。
CD・DVDの発売告知CMや新商品のCMが減少して、すでに定着したブランドを強化していく方向性が目立ち、年間CMオンエア銘柄数は減少傾向にある。そんななか、放送回数とCM好感度ともに通信サービスと自動車業界が牽引した。
2013年は9位だった、玩具・ゲームジャンルを3位に押し上げたのがスマホゲームのCMだ。
ゲーム系のCM好感度は、2005年はニンテンドーDSなど携帯ゲーム機、2010年はWiiなどの体感ゲーム、そして2014年はスマホゲームが上位を占め、スマホ型が主流になっている。
消費者3000人の月例CM好感度調査によると、2014年は“映像・画像”が好感度をもつ要因として大きく伸びているとのこと。小栗旬が出演し、壮大なファンタジー世界を描いた、サントリー食品インターナショナル/ペプシネックスゼロ 桃太郎「Episode.ZERO」篇や、ピアノソロで『千本桜』の美しい旋律を奏で、富士山の雄大な映像と組み合わせたトヨタ自動車/アクアなどが例に挙げられた。
2015年「消費者を動かす」CMとしての一例として、GoogleのCMを紹介している。Googleの音声検索を使って“日本のマチュピチュはどこ?”と探す内容や、タレントが“ドロイド化”して軽快な音楽にのって躍るAndroidのCMは、リッチな映像コンテンツで「視聴者に驚き」を与え、人の心をつかむ「リアルなコミュニケーション」の2点をもたらしているとのこと。
■モンストのCMは“ギャップ”を狙った
ミクシィのモンスターストライクは“消費者を動かしたCM展開”161銘柄に選ばれた。モンストスタジオ プロデューサー木村 弘毅氏が登壇し、モンストの広告戦略について解説した。
「ミクシィはもともとコミュニケーションを提供する会社。新しい形ができないか、ということでつくったのがモンスト」で、口コミから火がつき、2014年3月からのCMなどのプロモーションにより利用者数が加速したという。
TVCMのコンセプトとして、多数のゲームCMがあるためどう埋没させないかに注力し、あえて説明せずに、ゲームの核となる部分だけをアピールすることに重きを置いたとのこと。
CM第1弾(3月~OA)は、学生や居酒屋のサラリーマン、女子だけのパジャマパーティー編があるが、“4人協力プレイ”という核を訴求。「ゲーム自体が楽しいというより、友達と遊んでワイワイ遊ぶことが楽しいことをアピールした。自分たちの遊び方は間違っていない、と肯定してあげるCMにした」とのこと。
ラスカルとのコラボが実施された第2弾(4月~OA)では、「友達と遊ぶ楽しさを伝えることはぶらさずに、第1弾でひっかからなかったユーザー層に向けた」戦略だ。
第3弾以降(7月~OA)は、囲碁編、フンコロガシ編などインパクト重視のCMに。「モンストのゲーム性は、強敵に挑む緊張感とクリアー後の達成感と開放感があり、ギャップがある。CMも同じでモンストがもつギャップの楽しさ伝えたかった」のだという。
テレビとは対極にあるメディアといえる、スマートフォン用のゲームのCMが成長しているのが興味深い。テレビ離れが叫ばれる昨今でもCMの影響力は絶大なことがわかり、加えてスマホゲーム業界が好調なことが伺える発表だった。
(12月18日18:40修正)初出時、『モンスターストライク』の“12歳以下の好感度”は6位と記載しましたが、“12歳以下の男子の好感度”で7位の誤りでした。お詫びして訂正いたします。
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