最近、日本でも“クラウドファンディング”という言葉を聞く機会が増えてきました。クラウドファンディングといえば、一番有名なのは何といっても米国の“Kickstarter(キックスターター)”です。利用したことはなくても、おもしろいガジェットが、さまざまなサイトで紹介されているので、聞いたことがあるかもしれません。おもしろいプロジェクトを見つけて、支援したいけど、ただ英語だしちょっとハードル高いなあ……と諦めてしまったこと、ありませんか?
実は、キックスターターでの支援自体は慣れてしまえばそんなに難しくありません。なので、まずは初期登録の方法を簡単に解説いたします。早速登録して、おもしろいプロジェクトを支援してみましょう!
【プロジェクト支援の流れ】
キックスターターに新規会員登録
↓
プロジェクトを探す
↓
(プロジェクトをフォローする)
↓
プロジェクトを支援、米Amazonで決済する
↓
プロジェクト支援完了!
■はじめにやること:キックスターターに登録しよう
まず、サイトのトップページへ行き、“Sign up(新規登録)”を選びます。
新規登録は名前、メールアドレス、パスワードを入力するだけで完了。Facebook登録を使えば、それすら入力する必要ありません。“ユーザーの許可なくFacebookに勝手に投稿することはありません”とあるので安心ですね。
■おもしろいプロジェクトを見つけよう
キックスターターには常時5000~6000件のプロジェクトが開催されています。どれも支援募集期限があるので、うかうかしていると、支援募集期間が終了してしまうことも。ではどうやっておもしろいプロジェクトを見つければ良いのでしょう?
ここではおもしろいプロジェクトをキックスターターの中で探す方法についてご紹介しましょう。サイトトップの“Discover(プロジェクトを見つける)”を押します。
沢山のジャンルが表示されましたね。この中で、たとえばテクノロジー関連のプロジェクトを探してみましょう。
■気になるプロジェクトをフォローしよう
何かおもしろそうなプロジェクトは見つかりましたか? すぐに支援しなくても「何だかこれは気になる!」というプロジェクトが見つかったら、ぜひフォローしておきましょう。そうすると、支援募集期限が間近に迫ったところでアラートメールが送られてきます。
ヘッドマウントディスプレーの『Oculus Rift DK2』に装着して、Kinectのように手の動きを感知して操作できる“モーショントラッキングカメラ”の『Nimble VR』を見つけました。Oculus Rift DK2はすでに持っていて、今は『Leap Motion』を前面に付けていたのですが、こっちの方が操作性が良さそう! 早速フォローします。
■いざ! プロジェクトを支援しよう
いよいよ支援したいプロジェクトを決めたら、まず支援したい特典を選びます。右上にある大きな緑のボタンを押すか、右下に並んでいる特典からひとつ選びます。特典は金額によって得られるものが違います。中には限定数のものもあるのでご注意。
それぞれの特典ごとに、どこに送付可能か(全世界、もしくは特定の国のみなど)と、送付予定日が書いてあります。中には日本には送れないというものもあるので、注意して日本に送付可能な特典を選びましょう。日本に送付可能かどうかは、特典のところを見ます。“Estimated delivery(送付予定日)”の下のところに“Ships anywhere in the world(世界中どこでも送付可能)”と書いてあれば大丈夫です。
フォローしていたこのモーショントラッキングカメラ、やっぱり気になるので支援することにします! デスクトップ用、DK1、DK2などいろんなマウントがパックで付いてくる特典も魅力的なのですが、ここは心を鬼にして、メインで使うであろうDK2用のマウントだけが入った一番安い特典を選ぶことにします。
■支払いには米アマゾン登録も必要
キックスターターは元々アメリカで始まったサービスですが、現在はアメリカを含め、北米、ヨーロッパ、オーストラリアなど様々な国からプロジェクトを開催できるようになっています。例えば、イギリスのプロジェクトであれば支援総額の単位が“£(英ポンド)”で表示されています。
実は、プロジェクトが登録された国によって支払方法がちょっとだけ異なるので注意が必要です。米国のプロジェクトは、米国アマゾンによる支払となりますが、それ以外の国のプロジェクトは、クレジットカード番号と住所を直接支払画面で入力する形になります。
まだ米国アマゾンに登録していない場合には、新規登録して進みます。日本のアマゾン会員とは異なりますので、日本のアカウントを持っている方も一旦“新規登録”を選びましょう。
次の画面で、自分の名前、メールアドレス、パスワード、キャプチャを入力します。
さらに、クレジットカード情報を入力します。クレジットカードは日本のものでも大丈夫です。
次に、クレジットカード請求先の住所を入力します。特典の送付先とは別です。
最後に、入力した情報を確認したら“確認”で完了。あともうちょっと!
キックスターターでの支援は、クレジットカードへの課金は実際にプロジェクトが目標金額に達して、支援募集期間が終了した後にのみ行なわれます。
“Confirm(確認する)”ボタンを押すと、最後にキックスターターの支援完了画面に戻って、これで支援は完了です。
Woo-hoo!(イェーイ!)
お疲れ様でした!ひとまずこれでプロジェクトの支援は完了です。
最初はちょっと面倒ですが、2回目からはすでにさまざまな情報が登録されているのでグッと楽になります。
私自身、2011年に初めてキックスターターを知り、その魅力にはまってしまったひとりです。これまでに支援したプロジェクト数はキックスターターで87件、同じような米国クラウドファンディングサイト“indiegogo(インディーゴーゴー)” で8件。好きが高じて、日本で“kibidango【きびだんご】”というクラウドファンディングのサービスまで始めてしまった、自称“日本一のキックスターターオタク”です。なので、ぜひそんなクラウドファンディングの魅力をファンの視点から少しでもお伝えできればと思っています。
こちらが私のキックスターターでのプロフィールです。円グラフは、これまでに支援したカテゴリーで色分けされています。ついつい全カテゴリーをコンプリートしたくなる欲求を自制する日々。
次回はキックスターターをもっと楽しむ方法についてお教えします!
最後に余談ですが、この記事を作成するのに紹介した『Nimble VR』ですが、記事を読んでいて、ひょっとするとお気づきの方もおられるかもしれませんが、今サイトに行っても本来は支援期間中にもかかわらず、支援はできません。プロジェクトオーナーによりプロジェクトがキャンセルされてしまったのです。その理由がなんと「オキュラス社により当社が買収されることになったから」というもの。
当然ながら、コメント欄は結構炎上しています。「オキュラスに買われて、最終的なOculus Riftの機能として組み込まれるなんてすごい!」という賞賛から、「それにしても、この商品が手に入らないなんて残念」というもの、「いきなりプロジェクトをキャンセルするなんて支援者の気持ちを踏みにじるようなもの。ひどい!」というようなものなど。それにしても、本来は完全に他人事だったある会社が他の会社に買収されるというニュースが、ここまで自分ごとになったのも、プロジェクトを支援しているからこそですよね。かくいう私も、本当はいち早くこのトラッキングカメラを手に入れたかっただけにちょっとうれしいような残念なような複雑な気持ちです。
でも将来、Oculus Riftが市販化されたときにこの機能が組み込まれていたら、「実はさあ、この機構にはちょっとしたおもしろい話があってさ」と、まるで自分のことのように話している姿を想像できる気がします。
松崎良太(きびだんご株式会社 代表取締役 Chief Momotaro) 日本興業銀行を経て2000年に当時100人足らずの楽天に入社。国内外のおもしろい投資買収先を見つける仕事などに携わる。退社後2013年にクラウドファンディング型EC『kibidango【きびだんご】』を立ち上げ、事業主やクリエイターの“やりたいこと”をみんなの力を借りて実現するお手伝いを行なっている。 |
■関連サイト
kibidango【きびだんご】
Kickstarter
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