みなさん、愛すべき排泄物“うんこ”について真剣に考えたことがあるだろうか。
発売中の早川いくを著『うんこがへんないきもの』は、地球上に実在するさまざまな“いきもの”の奇妙なうんことその活用法にフォーカスした内容。帯には、「本書の内容はクソです。」と振り切ったコピーが踊っている。
一読してみたが内容が実にクソだった。あまりにクソでびっくりした。
『うんこがへんないきもの』紐解いてみた! |
以下あまりにクソな『うんこがへんないきもの』の一部を紹介しよう。
まずは、動物園の人気者ペンギンのうんこについてだ。
ペンギンが飛ばすうんこの飛距離は四〇センチにおよぶ。彼らの体高が約六〇センチである事を考えるとこれは大変な距離だ。人間でいえば一メートル半ぐらい飛ばす計算である。そんな奴がいたら近よりたくない。
一体かれらはどれほどの体内圧力をもってして、こんなにもうんこを飛ばすのだろうか。こんな、一見どうでもいいと思えるが、実はやっぱりどうでもいい問題を、真剣に研究した人たちがいる。
ドイツ・ブレーメン国際大学、フィンランド・オウル大学、ハンガリー・エトヴェシュ・ローランド大学の研究者は、ペンギンのフンの推進力について、流体力学の観点から理論的解析を試みた。~(中略)~
その結果、うんこの腸内における初速度は2m/s、その際の体内圧力は10kPaから60kPaに達する事がわかった。
(『うんこがへんないきもの』中に人が入っている鳥たち ペンギンより引用)
ものすごい勢いでうんこを飛ばすペンギン。 |
かわらいらしいペンギンがものすごい勢いでうんこを飛ばすなんてトラウマものだ。そして、うんこの腸内での推進力について研究した学者もいたらしい。
お次は少し奇妙な虫について。
カメノコハムシの幼虫の防御は独創的すぎる。うんこで身を守るのだ。
幼虫は自在に動くパイプのような肛門からフンを輩出すると、せっせと盛ってはかわかし、かわかしては盛ってをくり返す。するとどうだろう、うんこはやがてサンゴのような、前衛いけ花のような、不思議な形になっていく。これを「糞冠(ふんかん)」という。幼虫は尻をもちあげて、この糞冠を傘のように広げて身を守るのだ。
糞冠は、偽装のためといわれている。フンに化けて敵の目をごまかすのだ。扮装ならぬ糞装である。~(中略)~
さらには、うんこで相手を砲撃する種類もいるという。糞冠を敵に投げつけるのだ。
(同・華麗すぎて笑う変身 カメノコハムシより引用)
うんこを敵に投げつけて攻撃するカメノコハムシ。 |
うんこがときには盾に、ときには槍にもなるというのだ。うんこの持つポテンシャルに圧倒される。
『うんこがへんないきもの』では、このように役に立つようで立たない生物のうんこについての話が19章に渡って繰り広げられる。
さらに、合間に挟まれる“ウンコラム”も非常にクソだ。
日本国内では埼玉県の秩父にすんでいたといういわれがある、幻の珍獣ボナコン。 |
一六世紀に著された、イギリスの『ローチェスター動物寓話譚』には、うんこを武器にする怪物に関する記述がある。怪物の名は「ボナコン」という。
ボナコンは一見すると牛のような姿をしている。螺旋状に巻いた緑色の角と馬のタテガミをそなえており、アジア地域にすんでいたという。
ボナコンは、灼熱のうんこを武器にしたという。敵に襲われたりすると、ボナコンは真っ赤に焼けただれたフンを四方八方にまき散らす。
(同・ウンコラム 9より)
なぜイギリスの書物に書かれた幻の生物と秩父にゆかりがあるのだろうか。永遠の謎になりそうだ。
うんこの内容がみっしり書かれたクソの本『うんこがへんないきもの』。本書を読むと、目からウロコならぬうんこが出てくるかもしれない。
『うんこがへんないきもの』
・著者 早川いくを
・イラスト 寺西晃
・発行 株式会社KADOKAWA
・プロデュース アスキー・メディアワークス
■関連サイト
AMW|アスキー・メディアワークス 公式ホームページ
-
1,544円
-
594円
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります