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iPhone6購入の待ち行列はNY・マンハッタンも同じなのか調べてみた

2014年09月18日 23時15分更新

 9月19日のiPhone6、6 Plus発売直前の16日午後(現地時間)、半日程度だが米ニューヨークに滞在する機会を得た。ニューヨークといえば、米国Apple Storeの旗艦店があり、しかもiPhone発売日には行列レポートで世界的に有名な場所。さっそく行ってみることにした。

 Googleマップなどで検索してみるとわかるが、ニューヨーク中心部のマンハッタンにはApple Storeが5店舗別々に存在している。そこでこれらを順番にまわり、行列状況や当日の購入可能状況をレポートしていく

NY Apple Store

↑ニューヨーク市内で“Apple Store”をGoogleマップで検索してみたところ、5つの店舗が候補に出てきた。今回はこれを順番にまわって行列状況を確認するのが目的。なお、赤の経路が歩いた道、紫は地下鉄で移動した経路となる。途中食事2回とちょっとした観光を挟んでいるが、トータル6時間半ほどの行程だ。

 今回はニューヨーク=ジョン・F・ケネディ空港に隣接するジャマイカ駅周辺に宿をとっているため、まずはLIRRという鉄道を使って市内のペンステーションへと移動、近い店舗から順番にひと筆書きのように移動し、最後にキューブ状のガラスの外観で有名な“Apple Store Fifth Avenue”を訪問する計画とした。

NY Apple Store
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↑今回は宿をとったニューヨーク=ジョン・F・ケネディ空港近くのジャマイカ駅からスタート。ロングアイランド周辺に路線網を持つLIRRでペンステーションへ。

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↑ペンステーションを出ると昼までの大雨が嘘のような青空とサムスンのGALAXY Gear巨大広告が出迎えてくれた。通りの東側にはエンパイアステートビルの頭頂部が見える。

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↑7th Aveを北上して42nd Stまでくると、お馴染みのタイムズスクエアに。正面にはサムスンとLGエレクトロニクスの大きな街頭広告が見える。

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↑今度は42nd Stを東方向にそのまま移動すると、グランドセントラル駅に到達する。ニューヨーク北部方面の鉄道の発着場で、ここに最初の目的地の“Apple Store Grand Central”がある。

 1番目の訪問先“Apple Store Grand Central”は比較的新しい店舗で、ニューヨークのターミナル駅のひとつであるグランドセントラルの施設の一部をApple Storeに流用したもの。そのため、かなり特殊な店舗となっている。取材当日は行列などは見当たらなかったが、店員の説明によればiPhone発売の日には構内を移動する旅行者の通行を妨げないよう、店舗内の一部に行列ができるのが恒例で、当日朝に並んでも十分に購入が可能だという。

 営業時間は午前7時〜午後9時となっているが、iPhone発売開始は午前8時。ただし、この店舗はグランドセントラル駅の営業時間の影響を受けるため、午前4時以降の開場を待っての入場になるという。

NY Apple Store
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↑Apple Store Grand Centralは、グランドセントラル駅の中2階バルコニーを利用した、かなり特殊な店舗となっている。現在ではニューヨークで著名な観光スポットのひとつだ。

 2番目の訪問先はファッション地区ソーホーにある“Apple Store SoHo”だが、その前にちょっとだけ寄り道。地下鉄で14th Stにあるユニオンスクエアまで移動すると、出口目の前にはBest Buyの店舗がある。PCや携帯など、米国で家電を購入するならこの場所というわけで、興味ある方は寄ってみるといい。

 携帯コーナーはかなり大きく、ルーターなどの端末やSIMカード購入、プリペイドのチャージなどが行えるため、ニューヨークをまわる前にちょっと立ち寄るとネットワーク環境の下準備ができていいだろう。なお、2番目となるソーホー店でもやはり行列はなく、当日午前8時の開店前に行列ができるだろうとの店員の予測。こちらも当日購入は問題なさそうだ。

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↑グランドセントラル駅から4、5、6番の地下鉄に乗って14th Stのユニオンスクエア駅へ。Best Buy店内には携帯専門コーナーがかなり広くスペースを取っており、端末購入だけでなくSIMカード購入や料金のトップアップが可能。

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↑ニューヨーク到着の前の晩から何も食べていなかったので、遅めのお昼ということで一風堂に。ユニオンスクエアから6ブロックほど南下した徒歩5分の場所。値段は高めだが、日本の味ほぼそのままで、替え玉やバリカタなども注文できる。

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↑次の目的地までは徒歩で移動。ニューヨークはマンハッタン中心にこうしたシティサイクルの有料貸し出し場があちこちにあるので、効率良く市内をまわるなら自転車を検討してみるのもいいだろう。

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↑ファッション地区のソーホーにある“Apple Store SoHo”に到着。こちらも行列はとくになし。

 せっかくニューヨークに来たということで、3番目の店舗に行く前に少しだけ観光を兼ねて新名所を紹介する。

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↑ニューヨークの新しい観光名所に顔を出すべく、Googleマップで移動方法を検索。ニューヨーク市内は乗り換え案内情報が網羅されているので、スマホとアプリさえあれば移動は非常に便利。

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↑10年ほど前から最近まで“グランド・ゼロ”と呼ばれていたワールドトレードセンターの建設現場に到着。中心となるタワーはほぼ完成しており、現在は周辺の整備中。

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↑つい最近、新名所として整備された“911メモリアル”の公園。池を囲む石碑には何千人もの犠牲者の名前が彫られている。

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↑ワールドトレードセンター建設現場の斜め向かいに位置するウォール街(金融街)を訪問。ここにはニューヨーク証券取引所があるが、外の垂れ幕はイベントがあるたびに交換され、おそらく中国Alibabaの上場初日にはその旨の告知が行われると思われる。

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↑ウォール街からブロードウェイを南下してマンハッタン島最南端のバッテリーパークに到着。現在はリフォーム中で公園の外観は寂しいものだが、写真のように自然の小動物がたくさんいて来園者を出迎えてくれる。なお、バッテリーパークは“自由の女神”を間近で見るためのフェリー発着所にもなっている。公園から直接女神を見ることも可能だが、筆者手持ちの一眼レフカメラで250ミリの望遠レンズを使ってこのサイズと、肉眼では存在を確認するのがやっとの距離。

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↑スタテン島行きのフェリーターミナルで1番の地下鉄に乗ってWest 14th Stまで北上する。

 3番目の店舗“Apple Store West 14th Street”は、先ほどのユニオンスクエアから5ブロックほど西に移動した場所にある。実は新興開発エリアの中心部に位置しており、最近ではお洒落な店やファッションブランド、アーティストらが進出し、ちょっとした人気エリアとなりつつあるところにできたApple Storeだ。こちらもまだ行列はなく、当日午前8時前に行列ができるだろうと店員は説明する。

 なお、このApple Store West 14th Streetは、最近マンハッタンで最もホットなスポットである新観光名所“The High Line”のすぐ隣に位置している。The High Lineは、かつて地下鉄の高架線で廃止後に使われず放置されていた遺構を整備し、遊歩道兼公園としたもの。線路や枕木などがそのまま残る形で整備が行われている点で特徴がある。地上3階ほどの空中庭園をビルの谷間を縫って歩くということで、普段とは違った視点でニューヨークの街を楽しめる場所だ。

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↑マンハッタンで3番目のApple Storeである“Apple Store West 14th Street”に到着。こちらも行列は特になし。この周辺は「ミートパッキング(Meatpacking)」と呼ばれるエリアで、その名前からわかるようにかつては食肉加工場などがあり、マンハッタンでも比較的荒れた場所として知られていた。10年ほど前から再生プロジェクトを経てファッションブランドが多数進出するなど、マンハッタン屈指のお洒落でモダンなエリアへと変貌しつつあり、Apple Storeはその中心のひとつだといえる。

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↑もし“Apple Store West 14th Street”に来るチャンスがあるのなら、ぜひオススメしたいのが“The High Line”というマンハッタンの新名所。かつて地下鉄の高架線だった遺構をそのまま遊歩道兼公園にしたもので、当時の線路跡などがそのまま残っている。ハドソン川を見ながら夕陽の沈むオープンレストランで食事を楽しむも良し、普段は経験できない地上3階ほどの高さからの街の景色を楽しんだりと、ニューヨークの別の姿を垣間見られるだろう。

 4番目の店舗“Apple Store Upper West Side”に移動する前にちょっとだけ寄り道。セントラルパーク南西端にあるコロンバスサークルに面したTime Warner Centerには、マンハッタン島で唯一の“Microsoft Store”が存在する。もともとはタイムズスクエアに旗艦店があり、Windows8が発売された際にはそこでセレモニーが行われたのだが、半年ほどの期間を経て閉店し、Time Warner Centerの1階に仮店舗を残すのみとなっていた。

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↑空きスペースにブースを構えた仮店舗の形態であり、今回の最終目的地である5th AveのApple Storeのすぐ横にテナントを確保しての移転計画があるというウワサも……。

 現在はさらに移転して3階に仮店舗が設置されている形だが、一部噂では高級ブランド店が並ぶニューヨーク5番街(5th Ave)のテナント入居で正規店を設置する計画があるともいわれ、これから最後に訪問する“Apple Store Fifth Avenue”と並んで存在することになる日がくるかもしれない。この後訪問した“Apple Store Upper West Side”においても、SoHoやWest 14th Street店同様、通常より1時間早い午前8時の店舗オープンで、その前に行列ができて当日購入が可能だろうと店員は説明してくれた。

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↑コロンバスサークルからブロードウェイ沿いに北上して徒歩10分ほどの場所に今回4店舗目となる“Apple Store Upper West Side”がある。Apple Storeとしては主力旗艦店のひとつで、過去にAppleのスペシャルイベントで大々的に紹介されたこともある。こちらも行列はなし。

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↑5時間ほど歩きづめで、昼にスタートした今回のApple Store巡りも4店舗目を経てすでに日没に差しかかっている。道すがら写真を撮っていると“俺はハラール・ガイだ、よろしくな!”とポーズをとってやたら写真をせがんでくる屋台の中東料理売りがいたのでパチリ。ちなみに、ニューヨークでは街中に同じような屋台のファーストフード売りが多数おり、値段も比較的手頃で美味しい。

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↑そろそろ晩ご飯の時間なので、個人的にニューヨークで現在一番お気に入りラーメン屋の“Totto Ramen”へ。ここは行列で30分〜1時間待ちも当たり前の人気店で、時間がある方はぜひトライしてみてほしい。

 そして夜も完全に更けた午後8時過ぎごろ、ようやく最後の店舗“Apple Store Fifth Avenue”に到着。ガラスのキューブに囲まれた入り口が特徴で、巨大な店舗そのものは地下に存在する。この店のみ特例として24時間営業を行なっているのも特徴だ。ただし、iPhone6、6 Plus発売当日は午前8時からの取り扱いということで、それまでは店舗にいても購入はできない。この購入解禁時間を経て最初に新型iPhoneをゲットすべく行列をつくるのが毎年の恒例行事となっており、今回も比較的早い時期から待ち行列ができたとのウワサを聞き、実際に話を聞くべく今回のApple Store訪問周遊プランを立てたというわけだ。

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↑日も完全に暮れて、行動開始から6時間半が経過した午後8時に最終目的地の“Apple Store Fifth Avenue”に到着。全世界のApple Store最大の旗艦店で、毎回話題の行列レポートもここのものが中心となっている。

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↑行列の人たちにインタビューしようと思った……が、なんと椅子だけでほとんど誰もいない。椅子は40個ほど並んでいたが、残っているのは3〜4人だけという状態。

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↑しばらく待っていると、何人かは椅子へと戻ってきた。椅子だけ置いてどこかへ行っているわけではなく、すぐ周辺を徘徊して周囲に集まってくる人たちと談笑しながら過ごしているようだ。先頭集団はグループで、今回話を聞かせてくれたJoe Joe Beats氏はApple Storeを訪問した日(9月16日)がキャンプ17日目、つまりiPhone 6がまったく発表さえされていない8月31日から並んでいたことになる。

 これまで巡って話を聞いてきたように、米国、とくにマンハッタンでは当日朝に並んでも新型iPhoneを買うのはそれほど難しくない。それにも関わらず何日も行列をつくって待っているのは、純粋に“待つこと”を楽しんでいるにほかならない。疲れた表情も見せず、観光客らと談笑している姿からもそれはよくわかる。おそらく、発売日当日には、新型iPhoneを抱えてApple Storeから出てくる彼の姿がTVや新聞等のメディアによって世界中に配信されるはずだ。

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