THE BIG PARADE 2014の当セッションでは、何度もSXSWでの“出会い”に魅力がある点が話題に上っていた。
2014年9月13日~15日、代官山エリアの7会場を中心にデジタル時代の音楽とインタラクティブのイベント“THE BIG PARADE 2014”が開催された。毎年3月、米国テキサス州オースティンで行なわれる音楽、映画、インタラクティブの祭典“SXSW(サウス・バイ・サウス・ウェスト)”の日本版のような存在を目指すべく、国内外からアーティスト、クリエーター、音楽業界、広告業界などの最前線で活躍するキーパーソンたちを集め、3日間をとおして数々のトークセッション、ライブイベントなどが開かれた。
13日には、その目指すべきイベント“SXSW”をテーマにしたトークセッション“What’s SXSW? THE BIG PARADEの次はSXSWに行こう!”が行なわれ、SXSWに参加経験のある3名を迎え、音楽ブロガーのジェイ・コウガミ氏をファウンダーに、Beatroboの浅枝大志CEO、PRTLファウンダーで音楽プロデューサー福山泰史氏を招いてSXSWの内容と魅力について語られた。
初めにAOI Proの北村久美子執行役員が、SXSWの概要について説明。SXSWは、1987年に音楽の小さなイベントで始まり、94年に映画、97年にインタラクティブの部門が追加された。オースティンのコンベンションセンターやホテル、周辺施設を使って、数々のセッションやライブイベントが行なわれる。最新のテクノロジー、サービスなどをテーマにしているインタラクティブだけでも88ヵ国から3万2798人が参加、セッション数で1100、スピーカー数も2377人、ベンチャーへの投資実績も500億円を超える巨大なイベントだ。世界中からギーク、デベロッパー、投資家、ベンチャー、マーケッターが参加している。SXSWを日本のイベントで例えると、大規模な野外音楽フェス、国際的な映画祭、各種ベンチャー・スタートアップのサミット系イベントをひとつに合わせたものだという。想像が付きにくいが、とにかく楽しそうだ。
今年3月に開催した“SXSW 2014”では音楽のキーノートをレディー・ガガが務め、同じ音楽ストリーミングサービスを提供するSpotifyとパンドラ、ビーツミュージックが同じトークセッションに登壇。そのほかシェアリングエコノミーをテーマにしたセッションでも、競合といえるライバル企業の前でふつうなら社外秘のようなことまで話してしまう、そんな雰囲気があるという。Googleの元CEOエリック・シュミット氏が、第5の権力について語り、エドワード・スノーデンが中継で参加するなど、幅広い領域のエンターテイメント、テクノロジーの話題が集まってくる。2013年にはテスラモーターズのイーロン・マスクCEOがベストスピーカーに選ばれ、Google Glassがトレンドとなっていた。
浅枝氏がビートロボをつくったのが2002年3月、サービスができる前にSXSWに参加。音楽とテクノロジーが絡んでいるイベントに行かないわけがいかないと、ビートロボのキャラクターが海外でどう受け止められるかを知るためにSXSWに申し込んだという。ブースを出していたら、有名ベンチャーキャピタルのトップが名刺を置いていったり、500Startupsのデイブ・マクルーア代表に今から来てほしいと言われるなどの体験をしたという。
SXSWでは、音楽マーケットの現状についてのディスカッションにパネラーとして推薦された福山氏。いっしょに登壇したのは中東で音楽配信サービスを行なっている人物や、ドイツから中国市場を狙っている人だったという。メタデータのあり方が中東ではどうだ、日本はどうだとマニアックな話で盛り上がったという。
ビジネスをしたいスタートアップの参加手段として、北村氏からはサービスやアイデアについて相談、アドバイスが受けられる“メンターセッション”に申し込んでみるといいとした。また人とつながるのが当たり前なので、すごく下手でも英語ができることは大前提とアドバイス。浅枝氏は英語が苦手なら仲間をつくったほうが早いという。いっしょにつるんでしまえばいいとする。福山氏も現地に集まる日本人は志が高い人が多く、つながれるいい機会という。
次回のSXSWは、2015年3月13日から22日に行なわれる。13日のインタラクティブとムービー、15日からはトレードショウ、17日からは音楽と10日間に渡る祭典だ。世界にスケールするためにも、スタートアップ・ベンチャーは“出会い”を求めて参加を検討するのもいいだろう。
■関連サイト
SXSW 2015
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