米サンフランシスコで開催しているインテルの開発者会議『IDF14』。近年インテルが力を入れている、IoTやウェアラブルデバイスの展示も多数見かけたのでその模様をレポートします
●IoTってそもそもナニ?
そもそもIoT(=Internet of Things、モノのインターネット)って、わかりづらい概念ですよね。ざっくり言うと、PCやスマホ、タブレットなどのユーザーが能動的に扱うデバイスのほか、車や時計、公共設備など、さまざまな電子機器から得られた情報をデーターセンター(クラウド)に集積し、そのデータをいろんなことに活用しようとする試みです。
その集積されたデータを解析し、有用な情報として各デバイスにフィードバックすれば、効率的に暮らしの利便性を向上できるというのが狙いでしょう。たとえば、高速道路を走行中の車の速度と位置情報を集積すれば、どこでどのぐらいの渋滞が発生しているかがわかり、そのデータを各車に渋滞情報としてフィードバックできます。
さらにそのデータが積み重なると、どの道路ではどの期間にどのぐらいの渋滞が起きやすいであるとか、期間的な情報となり、それを元に運送業者のスケジュール管理に役立つ情報になったりします。
通信や加速度センサーモジュール、Galileo、Edisonなどの開発ボードに代表される小型機器があれば、さまざまな“モノ”をインターネットに接続できます。それがIoT(=Internet of Things、モノのインターネット)の基本的な考え方です。
そんなIoTですが、会場の展示で特におもしろそうなものを紹介します。
こちらはGalileoボードを使った気候観測機器。デジタル百葉箱ってイメージですね。
中を開けると、上部にはセンサー類が接続されたGalileoボード。下部には湿度、照度、温度などの各種センサーを搭載しています。
現在、サンノゼの10ヵ所に設置して実験中とのことで、PCからこのようにまとめて各所の情報をモニタリングできます。
こちらは“Connected Wheelchair”という試み。車いすの加速度情報はもちろん、乗っている人の生体データ(心拍数や体温など)をクラウドで管理できる仕組みです。
ひじかけにはアームで固定されたタブレットがあります。
心拍数などのデータは胸部に写真のようなセンサーを取り付けて計測します。
クラウドにデータを送信することで、お医者さんにもデータがいくようにできます。
見た目にユニークだったのは、ビアサーバーの事例。
ビールタンクの下に重量センサーを内蔵した円形の台を設置し、リアルタイムでビールの消費量がわかるというもの。
お店側は、いちいちタンクの傍まで行かなくても残りの量から16オンスグラスであと何杯、22オンスグラスであと何杯注文を受け付けられるか?といったことがわかります。
●ウェアラブルデバイスはオシャレさが大事
インテルのCEO、ブライアン・クルザニッチ氏は基調講演のなかでウェアラブルデバイスは女性が好むようなデザインなど、外見的なスマートさも必要だとアピールしました。
会場ではOPENING CELEMONYがデザインに携わったスマートブレスレット『MICA』を始め、そんなおしゃれウェアラブルデバイスも多数展示されていました。MICAは確かにセレブにウケそうな外観です。個人的にはRPGに出てくるような魔法の腕輪にも見えますが……。
こちらはBASISの腕時計型デバイス。行動(歩行、ランニング、自転車走行、消費カロリー、歩数)に睡眠の深さ、ストレス値(心拍数から算出)を集積できるそうです。
この防水イヤホンはSMS Audio製のBioSportという製品。心拍数や消費カロリー、走行距離などがわかるセンサーを内蔵。3.5ミリステレオミニジャックから給電して使えるそうです。
ちなみにSMS Audioは米国のラッパー“50Cent”が携わるブランドの製品。ラッパーがプロデュースしているオーディオブランドといえば、Dr.Dreを有するBeats Audioはアップルに買収されるほどの人気になりましたね。実際に身体に身に着けるデバイスだからこそ、ファッション性が求められるのは必然。若者の支持を得ることが最重要課題となりそうです。
↑本文と全然関係ありませんが、会場にあった顔出しボードです。わりとこういった茶目っ気のある展示物もIDFにはあったりします。 |
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります