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「犯人と直接話してくれ」──PayPalハッキング被害で経験した驚きの結末

2014年07月22日 08時00分更新

 PayPalアカウントは持っているが、いまはほとんど使っておらず放置状態──という人は多いだろう。PayPal決済のメリットはクレジットカード番号を見知らぬサービス会社に知らせなくても決済できるという点。

 ただしPayPalアカウント自体がハッキングされたら? という事例が知人に発生した。そして、PayPalアカウント自体がハッキングされたら、単にクレジットカードをスキミングされるより、さらに面倒な事態に発展する可能性がある──その驚きの事実を、今回の事例は示している。

 PayPalとのやり取りの顛末を見て、みなさんはどう感じるだろう?

※この記事では、ハッキング発見からPayPalとのやり取りの流れまでを実際のスクリーンショットを交えてお送りします。

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身に覚えのないCHRISTOPHERとの取引を知らせるメールが到着。数年間眠らせていたアカウントのため、即座にハッキングされているのではないか?と気づく
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そのため「未承認」の取引としたところ、発生した料金は返金されることになった
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右上の日付に注目。CRISTOPHER名義の取引は防いだものの、返金から約30分後、別人を装った不正取引が新たに進行。今度は220ユーロの請求が来てしまった

 身に覚えのない取引がされているとPayPalに報告し、調査を依頼。同時に、支払われてしまった金額に対する返金も請求。PayPal側は即座に対応し、取引相手側から返金されるとの連絡が来る。その間も、ハッキングされたアカウントでは、別の不正取引が実行される。

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調査中の間も、ハッキングされたPayPalアカウントを使って不正な取引が実行されてしまう
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さらに別のDEBORAH BENDERとの取引も発生。この件についてPayPalへ問い合わせを出したところ……
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約1時間半で対応を完了。ここまでは、よしよし、しっかり働いてくれたと思う人が多いでしょう。

 さらに、Alfredina Greco名義の不正取引が発生。こちらも、CRISTOPHERおよびDEBORA BENDAR名義の取引と同様に、未承認取引の申し立てをしたところ……。

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取引相手と直接やり取りしてくれとのメール。泥棒相手に連絡をしても無駄だと思うのだが……

 今回は、相手の口座から払い戻しを取り戻そうとしたものの、口座がすでに消滅しているなどの理由で返金できないとのメール。

 それはそうだろう、犯人なら受け取ったらすぐに引き出すなりの対処をするハズ。で、どうするのかと読みすすめると、次の驚きの一文が。
 「この払い戻しについてはAlfredina Greco様にお問い合わせください」
 え、泥棒に直接話せってこと? そんなバカな!

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払い戻し金額を相手の口座から引き落とせなかったとのメール。対象口座はすでになくなっている可能性が高い

 つまり、Paypalは「できること」はやってくれても、原資が取り戻せなければ、さしあたりそれ以上のことは何もやってくれないようだ。
 知人はすぐさまPayPalアカウントを閉じようとも考えたが、返金処理中の不正取引がある状態でPayPalアカウントを閉じると、返金が無効になってしまうのでは? と考えて、閉じるに閉じられない状況になったそう。

 八方塞がりだ。

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今回のPayPalアカウントで発生した不正取引の履歴

■結果、どうやって被害を回復したか

 最終的にPayPalは頼りにならないと判断。PayPalアカウントは返金処理が完了するまで残すことにした。

 一方でPayPaに紐付けたクレジットカード会社側の対応により被害を受けることはなかった。PayPalの放置アカウントを持っている人は、いまいちど確認して、アカウントを削除するなどしたほうがいいだろう。

※7月23日21時 追記

 その後、PayPalからの連絡で調査の結果、すべての取引に対して全額返金するとの連絡があったとのこと。個々の不正取引に対する調査結果と、不正対策部門担当者からのメールが送られてきた。時間はかかってしまったが、PayPal側も誠意ある対応を見せてくれたというわけだ。

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個々の不正取引(画面はAlfredina Grecoとの取引)についての調査結果の詳細
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PayPal不正対策部門担当者から、4件の不正取引についてすべて全額補償するとの連絡があった

関連サイト
PayPal Japan

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