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実は月間200万訪問規模!地域掲示板ジモティーに根掘り葉掘り聞いて来た

2014年07月24日 13時00分更新

 ジモティーは地域情報を掲載する無料の掲示板サイトだ。「地域情報掲示板サイト」と聞くと、草の根的な細々とした規模を想像してしまいがちだが、2014年3月時点の規模は月間200万セッション。そのうち40代以上が62%を占め、10代がほとんどいない、男女比は半々——と、規模の広がりやユーザー属性が実に面白い。そんなわけで今回はジモティーの加藤貴博代表取締役に直撃してきた。

 ジモティーには都道府県別にサイトがあり、“売ります・あげます”、“里親募集”、“教室”、“転職・求人情報”、“不動産”など地域に密着したサービスの掲示板が並ぶ。ライフサポートプラットフォームを称し、ものに限らず、ペット、人材募集などの情報を地域の人に提供する。「“あげます”投稿では生活に必要なものがほとんど無料でそろえられる」と、加藤氏は豪語する。

ジモティー

 地元で直接会って取引する“売ります・あげます”は、利用料は無料。投稿を目立たせるオプションが有料となる。家具から生活用品、PCなどガジェットが並ぶが、中には“0円”のものもある。0円の不用品は、9割以上が24時間以内に問い合わせを受け、1週間以内に取引終了するほどの人気。過去には、島根で300坪の土地、淡路島の別荘、新潟で漁船が無料で掲載され、大きく盛り上がった。冷蔵庫や洗濯機などは無料で掲載されても、競争率は高いという。人と人との関係だけに、問い合わせを行う際には丁寧なメールを送るなど、譲りたいと思わせるような工夫が必要だ。

 取り引きは直接会って行なうこと、配送はご遠慮くださいとサイト上でもしつこく啓蒙している。すっぽかしはあるが、直接会ってのトラブルはほとんどないという。詐欺なども心配あるが、投稿のチェックにも余念がない。

 個人、法人ともに掲載可能だが、リストでは法人の投稿は個人の書き込みの後ろにしか掲載されない仕組み。法人アカウントのシェアは公表していないが、10%もいかないという。マージンは取らず、アドネットワーク広告、投稿を目立たせる有料オプション。アフィリエイトの3つで収益を上げている。そのほか、賃貸などデータベース連携で数社の情報を転載する。

ジモティー

 アルバイトの求人情報は、地域誌や求人サイトなど掲載料、マッチング料などが発生するが、ジモティーに直接投稿する分には無料だ。地元企業や店舗は出せない金額、同社はここに大きな価値があると考えている。逆に求職情報はまるでクラウドソーシングの地域版のような書き込みも多く、「1~2時間何かできることありますか?」のようにちょっとした仕事を手伝いたいという、シルバー人材センターやハローワークのような独自の使われ方もされている。

 サイトのデザインは流行りがあるが、サイトが登場してまだ2年半という“ジモティー”は、なんだかインターネットが盛り上がりを見せた黎明期のような佇まいを感じさせるサイトだ。今後もわかりやすさを重視して、もっと文字を少なく、投稿もわかりやすくし、選択肢が少ないサイト構造を目指す。それでいて内容は充実させながら、市役所、区役所的な地域密着サービスにしていきたいという。

ジモティー

 Facebookでの認証やソーシャル連携の機能もあるが、ほとんど使われていないというのでやめてしまおうとも考えている。「ソーシャルよりは町内会に近いイメージ。これからも地域密着でやっていきたい」と加藤社長は語る。

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