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iOS 8はAndroid化したのか!?|Mac

 iOS 8はiOS 7と比べると一見変化は少ないが、機能面で重要な変化を遂げている。これまでiOSでは、アプリ間の連携やマルチタスクといった動作が制限されていた。ユーザーや開発者に与えられる自由度の低さは、Androidに対する弱点とも言われてきた。

 iOS 8では、サードパーティー製アプリによるカメラロール内画像の編集や、ほかのアプリが保存したファイルの利用など、これまで制限されてきた連携機能を開放。待望のサードパーティー製日本語入力システムも許可されるなど、以前より自由度の高いシステムへと方向転換した。

iOS 8はAndroid化

 では、iOS 8は“Android化”したのだろうか!? スマートフォンに関する動向を全方位的に取材しているケータイジャーナリスト石野純也氏の見解を聞いてみた。


 iOS 8には、アプリ間の連携やサードパーティー製キーボード、ウィジェットなどの新機能が追加された。シンプルさを売りにしてきたiOSだが、バージョンが上がるごとに多機能化している。これらの多くは、Androidが先取りして採用していたもの。実装に違いはあるが、両OSが徐々に近づいてきているのも確かだ。

iOS 8
基調講演では米ニュアンス社の「Swype」のiOS版が披露された。キーボードの上を「スワイプ」でなぞりながらひと筆書きすることで文字入力できる。このほか、FleksyやTouchPal、SwiftKeyなどがすでに開発を表明している。

 例えば、ウィジェットはAndroidが当初から実現していた機能。ホーム画面に直接張り付けられるAndroidに対し、iOSは通知センター上に表示されるという違いはあるものの、アプリを起動せずに情報を確認するという目的は同じ。サードパーティーのキーボードもAnd roidは当初から許容しており、ATOKなどは依然人気が高い。アプリ間連携はAndroidの設計思想に組み込まれていた「インテント」に近い。

iOS 8
アプリ間での連携が可能になりファイル編集の自由度がアップ。例えば・編集アプリでレタッチした写真をネットストレージサービスに保存するなど。

 もちろん、iOSならではの工夫も見える。ウィジェットは通知センター内にあるため、ホーム画面が複雑にならない。アプリ連携もメニューから呼び出す仕組み。アイコンやURLをタップするたびに選択を求められるAndroidのような煩わしさは感じないだろう。

iOS 8
現在、「通知センター」にはアプリの通知とカレンダー、株価など純正アプリの情報を表示できる。iOS 8では、サード パーティー製のウィジェットを追加して、さまざまな情報を表示できるようになる。

 世界的に見ると、OSのシェアはAndroidが80%超で、iOSは10%台に落ち込んでいる。未開拓の市場では低価格帯の端末が幅を利かせており、高価なアップル製品の入り込む余地は少ない。iOSがシェアを増やすにはAndroidの高機能モデルからユーザーを奪う必要があるため、Androidユーザーが慣れ親しんだ機能を取り込むのは自然だ。

アプリが自由自在に連携

iOS 8はAndroid化
「インテント」という仕組みにより、アプリからアプリへと情報が渡せる。iOSと同じように「共有」という明示的なメニューがあるだけでなく、URLやファイルをタップした際も選択肢が表示される

キーボード切り替えが人気

iOS 8はAndroid化
変更できるキーボードはAndroidのウリのひとつ。過去には無断でネットに情報を送信する悪意あるアプリもあった。セキュリティーに厳しいアップルなら、こうした問題には厳格に応対するはずだ

アプリを開かず情報を確認

iOS 8はAndroid化
「ウィジェット」とは、ホーム画面に常駐させておけるミニアプリのこと。アプリを起動せず情報を見られるのが便利だ。ただしホーム画面のレイアウトが複雑になるため、iOSではこれを通知センターにまとめる仕様にした

 ティム・クックCEOはAndroidユーザーについて「彼らは間違ってAndroidを買ってしまった」と語っていたが、こうしたメッセージからは皮肉にもAndroidを強くライバル視している意識が垣間見える。


 ここではiOS 8はAndroid化したのかという観点のコラムを紹介しましたが、iOS 8をまるっと理解するならMacPeople8月号(6月28日発売号)の第1特集をどうぞ! WWDCでベールを脱いだOS X YosemiteとiOS 8の新機能を総ざらいしています。

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