毎年6月はイベントラッシュで毎週のように世界各国で何かが開催されています。2014年6月17日から20日まではシンガポールでCommunicAsia2014が開催されました。そこで見かけた面白そうな製品を今回はご紹介します。
↑東南アジア最大のICTイベント。
CommunicAsia2014は東南アジアで最大規模を誇る通信・IT関連のイベントです。開催地がシンガポールということで、出展企業や展示される製品も東南アジアやインド、中東など他国の展示会では見られないものばかりが集まっていました。
↑防水スマホ専門メーカーが出展。
東南アジアらしい出展がこちらのシンガポールの会社『RugGear』。なんと防水スマートフォン、防水ケータイの専業メーカーです。製品は一般コンシューマー向けだけではなくて企業向けのバーコードリーダー搭載品もあるなど多数を提供。
↑コンパクトな防水スマホはサブ用途にぴったり。
写真中央に見える5.3インチモデルの『RugGear Apex Pro RG970』はメイン機としても使えそうですが、ここはあえてその左にあるコンパクトボディーの『RugGear Swift Plus RG220』に注目したいところ。本体サイズは124x68.5x29ミリでポケットにも入るサイズ、アウトドアに出かける時にリュックの外側にぶら下げておいても邪魔にならないでしょう。
↑落としても壊れぬタフなボディー。
IP68の防水防塵に対応、水深1メートルの水中でも30分耐えられますし2メートルの高さから落としても壊れないとのこと。CPUは1GHzデュアルコア、画面が3.2インチHVGAなのが物足りないものの、本格的な登山やら過酷なアウトドアでの利用も問題無し。価格は650ドルとお高いですがどんな環境でも動いてくれると思えば十分安いのかも。
↑スタイリッシュを売りにする某社のスマホ。
Phicommの『P660』は5インチフルHDディスプレイ、LTE対応のハイエンドモデル。CPUは1.4GHzクアッドコア、カメラは800万画素。スタイリッシュなボディーが特徴だそうです。同社は中国やシンガポールで自社ブランドで製品を販売しているとのこと。
↑なんとなく『P7』に似てなくもない。
デュアルSIM対応で片方はナノSIMだそうです。側面を見るとたしかにSIMスロットが2つ並んでいますが、ボリュームキーなども含めたこのあたりのデザイン、なんとなーくファーウェイの『Ascend P7』にクリソツな気がします...実は同社ブースの向かいはファーウェイブース。これ出しちゃって大丈夫なのかな、とちょっと心配になっちゃいました。
↑ファーウェイは『Ascend P7』を堂々の展示。
そのファーウェイはもちろん最新スマートフォンの『Ascend P7』を大々的に展示していました。コンパニオンの女性も美人を揃えるなど展示には気合いが入っていました。来場者のほとんどもこのP7目当てで、展示されている実機に触ろうとするだけでも一苦労。
↑デカバルーターはここでも人気。
そのP7以外にも同社ブースでは人気を集めていた製品がありました。モバイルルーターの『E5730』です。3G/DC-HSPA対応とLTE非対応がやや残念なものの、手のひらサイズながらも有線LANポートを備えておりノートPCなどと有線接続も可能。
↑安心の5200mAh、モバイルバッテリー機能を搭載。
そして内蔵バッテリーは5200mAhで外部出力も可能。iPhoneやXperiaなど自分が使っているスマートフォンの充電も可能です。最近はこのモバイルバッテリー搭載ルーターが増えていますが、E5730は本体デザインもよいのでカラバリ展開も欲しいところ。なおシンガポールの電脳ビルへ行ったところすでに販売されていました。
↑AndroidのTVボックスにも3G内蔵。
GeniatechはAndroid OSを搭載しTVに接続できるAndroid TVボックスを各種展示。その中の1製品は3G機能を内蔵しているとのこと。東南アジアでは「電気は来ているけどブロードバンドが無い」なんて家がまだまだ多いそうです。残念ながら開発中のため実機を見ることはできませんでした。
↑右も左もパラボラアンテナ。
社会インフラがまだ整っていない地域が多い東南アジアや中東地域。TVも衛星から直接配信したほうが手っ取り速いってことから、衛星関係の展示も多数見かけました。特にパラボラアンテナは様々なものが出展。衛星の向きに追従するタイプではブース内でぐるぐるとアンテナを回して存在感をアピールしていました。
↑お約束のロケットの展示。
パラボラアンテナは宇宙の衛星からの電波を受信するわけですが、その衛星を打ち上げるためのロケットの模型も展示。アリアンスペース社のこの展示はCommunicAsiaでは毎年恒例のもの。ロケットを前に記念撮影する人もたくさんいます。
↑北極や南極でも通信できるイリジウムのルーター。
そんな衛星関連の展示の中でも注目は衛星通信。イリジウムの衛星ルーター『Iridium Go!』は手のひらサイズながらも衛星通信が利用できるルーター。スタイリッシュなボディーに内蔵されたアンテナを立てるだけで衛星通信がONになります。最大5台までのスマートフォンなどをつないで衛星通信を使ったデータ通信が可能。料金は高いですが緊急時に世界中どこからも通信できるという安心感があります。
↑専用アプリで通話もできる。
しかもAndroidとiOSアプリが提供されており、インストールしたスマートフォンやタブレットから音声通話も可能。でっかいイリジウム衛星電話を持ち運ぶ必要もなくなります。MIL-STD-810Fにも準拠するのでちょっとやそっとの使い方では壊れません。
↑インマルの新型衛星ケータイ登場。
インマルサットはスタイリッシュな衛星ケータイ『IsatPhone Pro2』を出展。初代の『IsatPhone Pro』は日本でも発売され、そのスタイリッシュな青いボディーが魅力でした。
↑タフさを感じさせる究極のデザイン。
その後継モデルとなるIsatPhone Pro2は一転してタフネスさを感じさせるダークグレーのボディーにリブ入りのデザイン。アンテナを伸ばせば海上からも通話が可能です。
↑もちろん日本語にも対応。
また言語は日本語にも対応。設定メニューなどが日本語なので使いやすそう。日本市場もターゲットにされているということでしょう。日本での登場も楽しみです。
↑街中でも使えちゃうぜ!
インマルサットブースの説明員によれば、初代モデルはスタイルを重視したため屋外で使い本体に傷がつくことをためらってしまうユーザーもいたとのこと。そこで2代目となる本機はアウトドアユースも視野に入れつつ、デザインは引き続きスタイリッシュなものにしたそうです。確かにこのデザインなら安心して外でも使えますし、街中で使ってもかっこいいかも。
↑GALAXY対応の『スラーヤ・スリーブ』。
iPhoneを衛星ケータイに買えてしまうケース『スラーヤ・スリーブfor iPhone』は日本でもソフトバンクから『202TH』として発売されています。このケースはiPhoneにアタッチメントを装着し、それをスラーヤの衛星ケータイを内蔵した本体に装着して使います。海外ではそのアタッチメントにGALAXY Sシリーズ用のものが出ており『スラーヤ・スリーブfor Android』として販売されています。現在はGALAXY SII用のみですが、近日中にGALAXY S4、GALAXY S5用のものも登場するとのこと。Xperia用なども発売してほしいものですねえ。
↑ワタシのSIMハ、セカイ中でツカエマース!
『SIPVOXSIM』は有効期限無期限のプリペイドSIM。SIMには一つの国際電話番号が与えられて、その番号で世界中で利用することができます。日本など多くの国で着信無料なので、着信専用として使うのも便利そう。価格は49.95ドルで10ドル分の料金が入っています。
↑ヨーロッパ1日200円10MB。
音声通話は安いのですがデータ通信はちと高め。日本で使うと1MBあたり3.75ドルもしてしまいます。ですがヨーロッパは1日10MBながら1.5ユーロのパッケージあり。現地でプリペイドSIMを買うまでのつなぎとして持っておくのもよさそうです。
↑シンガポールのメイドさんは真面目にお仕事中。
さてCommunicAsiaは放送関連のイベントであるBroadcastAsiaも同時開催されています。パナソニックブースには最新のビデオ撮影機材の被写体としてメイドさんが待機していたのですが、料理にかなり真剣に夢中で声をかけるのも申し訳ない雰囲気。きちんとメイドとしてのお仕事をしているのかな?
↑笑顔でこちらを向いてくれた。
翌日再度ブースへ行くと今度は料理はしておらず、こちらの撮影のお願いにも快く対応してくれました。シンガポールにはメイドカフェがあるそうですが、こんなメイドさんたちが出迎えてくれるのでしょうか?
↑LTEモデム4本で高速アップロード?
BroadcastAsiaはビデオ機材や編集機器など放送機材の展示が中心でしたが、モバイル関連の製品もいくつか見られました。Aviwestの『DMNG PRO10』は最大10本のUSBモデムを接続して高画質なビデオを高速で送信する端末。デモではLTEモデム4本が装着されていました。TV局が現地ニュースのビデオを即座にアップするのに利用されるのでしょうか。
↑シンガポール政府の最新研究成果の発表も。
このスマートゴミ箱はシンガポール情報通信開発庁(IDA)開発のもの。いったいなぜにゴミ箱にセンサーが付いているの?それはやはり東南アジアならではの事情があるわけですね。こんな不思議な製品が見られるのもCommunicAsiaの面白いところ。来年の取材も楽しみです。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります